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広告業界の不都合な真実“アドフラウド”の現状・取り組むべき対策とTaboolaが圧倒的にクリーンなプラットフォームなワケ-Spider AF×Taboola対談[インタビュー]

(左)株式会社Spider Labs 佐藤氏 (右)Taboola Japan株式会社 大澤氏

 

デジタル広告市場の拡大と生成AIの進化に伴い、日本でのアドフラウド発生件数は年々増加傾向にある。総務省が公表した「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」では、広告主側へのアドフラウドに対する適切な理解と対策が求められている。今デジタル広告業界が向き合うべき現状、必要とされる対策とは何なのか。日本発アドフラウド対策プラットフォームSpider AFと広告配信プラットフォームTaboolaの両社にお話を伺った。

(Sponsored by Taboola)

 

-自己紹介をお願いします。

佐藤氏:株式会社Spider Labsでマーケティングセキュリティプラットフォーム「Spider AF」のセールスを担当している佐藤です。広告代理店での広告主支援から、インターネットパトロール企業に転職し、広告審査やブランドセーフティ対策などに携わっていました。「漫画村」の事件でアドフラウドが問題となった際に、対策の必要性を感じてアドフラウド対策ツールであるSpider AFのパートナー企業として関わり、その後同ツールの開発元であるSpider Labsに転職しました。

大澤氏:Taboola Japan Enterprise広告営業戦略部長の大澤です。デジタル広告業界には20年ほどおり、これまで広告代理店・調査会社などで広告主側とメディア側どちらのサポートも経験してきました。アメリカの調査会社ニールセンではアドベリフィケーションの取り組みにも参画し、広告業界活性化のために必要なソリューションを提供してきました。Taboolaでは健全な広告配信とプロモーションの成功の両立ができるよう、サポートに取り組んでいます。

 

-Spider AFとTaboolaのつながり、今回の協働について教えてください。

大澤氏:以前私が広告代理店で働いていたとき、当時の広告主様の広告効果を見ていて、数値がおかしいことに気が付きました。状況を把握するためにSpider AFのトライアルを受けたところ、看過できない規模でのアドフラウドの実態が発覚したことがありました。その際は広告主様にSpider AFの管理画面を見せながら事態を説明しつつ改善の提案をし、その時からSpider AFとのご縁が続いています。当時は広告主様に提案する中であらゆる媒体を見ましたが、Taboolaのフラウド検知率は他の媒体と比べてもかなり低かったことを鮮明に覚えています。その後Taboolaに入社し、安心して使っていただけるプラットフォームであるためにも、広告主様・代理店様への提案段階で、広告配信後のアドフラウド対策としてSpider AFを紹介させていただいています。

 

 

-アドフラウド検知データから見える現状について教えてください。

佐藤氏:ウェブ広告でアドフラウドは平均約5%発生しています。つまり広告費の約5%が不正クリックによって無駄遣いされているということになります。

アドフラウドの目的は大きく2つあり、1つ目は不正に広告収入を得ること、2つ目は情報収集や嫌がらせ目的です。2018年ごろに話題になった海賊版サイト「漫画村」問題は、サイト運営者が数十億単位で広告費を不正取得し、企業の広告費が実際に犯罪者に渡っていたという事件でした。

日本でのアドフラウド発生率は、世界平均と比べると2倍以上です。高い発生率の理由には、まず業界全体による「監視体制の弱さ」が挙げられます。ウェブ広告は成果主義・コスト重視になる傾向があり、品質管理は後回しになっている現状があります。

もう一つの理由は、「認識・意識の不足」です。アドフラウドというキーワード自体は認知が進み、対策の必要性も求められています。実際に行われている対策として現実的なのは代理店の正しいプラットフォーム選定です。ただし、代理店側として安心できるプラットフォームを選ぶ事が対策となっている事が多く発生したクリックが人なのかボットなどの作り出されたクリックなのか広告主も代理店も精査できていない、というのが現状です。

こういった現状に対し総務省は、広告出稿主がデジタル広告の流通リスクを経営上の課題として認識し、主体的に対策を進めるための基準の検討をサポートするべく、今年「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」を公表しました。デジタル広告において考慮すべきリスクや対策の提案、またアドフラウド対策・ブランドセーフティ対策としてJICDAQ(一般社団法人 デジタル広告品質認証機構)認証事業者及びアドフラウド対策がなされているプラットフォーマーの活用が推奨されています。

 

資料提供:Spider Labs

 

 

-日本市場での課題は何ですか。

佐藤氏:弊社が毎年作成するレポートでは、アドフラウド件数は毎年増加しています。広告やプラットフォームの複雑化、さらに生成AIによりサイトやボットの作成が容易になっていることも原因だと考えられます。

アドフラウド対策の責任の所在が明確ではない、ということは課題だと感じています。実のところ、広告出稿主側の現場からはアドフラウド対策のご相談は増えています。ところが弊社の無料診断で「どのくらいアドフラウドが発生しているか」という結果を提出後、広告出稿主社内でどのように対策を打つべきなのか、どの媒体に予算のアロケーションをすべきか判断が難しいため、対策が取られていないのが現状です。

そんな中で、総務省が広告主に向けてガイダンスを発出したことはとても重要だと思っています。現場の担当者は、ウェブ広告で成果を出すことと品質管理の両立ができずにいます。このガイダンスでは、広告業界全体の経営層に対して、アドフラウド対策にきちんとリソースを提供するように進言しています。これから経営層の理解が進めば環境改善が進んでいくと期待しています。

 

 

-Taboolaではアドフラウドに対してどのような環境づくりをしていますか。

大澤氏:アドフラウド対策として国内外複数のベンダー様と直接連携して対策を行っており、広告主様へ徹底したブランドセーフティ環境を提供しています。さらにTaboolaでは日本国内600以上のメディア様と1社1社直接パートナーシップを組んで独自在庫により広告プラットフォームを構築していますが、パートナーシップ締結メディア様としても健全に運営しているメディア様のみとパートナーシップ契約を結んでいます。また、何かの不慮のアクシデントにより万が一契約先のメディアパートナー様においてアドフラウドが発生した場合には即座にメディア様と共に解決する旨も契約書上にて規定しています。すなわちTaboolaは全てのインベントリー一つ一つを常時監視しているということになります。

Taboolaのアドフラウド率は平均1%以下であり、直近のあるキャンペーンでは、0.21%でした。これは、他社プラットフォームと比較すると極めて低い数字です。広告出稿主・代理店に安心していただけるプラットフォームだと自負しています。

 

資料提供: Spider AF管理画面(SpiderAF提供データ)が示す媒体ごとの無効クリック率

 

加えて、Taboolaではブランドセーフティを担保する機能としてDouble VerifyやIASによるPre Bid機能を管理画面に標準搭載しています。さらに、広告審査体制として薬機法をはじめとする広告に関する法律に完全準拠するため、専門機関による審査を実施しております。特に薬機法に関わる審査を100%審査を行なっている媒体であり、JICDAQ(一般社団法人 デジタル広告品質認証機構)の認証も取得しており、信頼性と品質が担保されています。

 

-今回のSpider AFとのデータ連携・協働で得られたことは何ですか。

大澤氏:広告出稿主が求める効果は、リーチ数、クリック数、コンバージョン数といった数値指標です。これらが人間による数字なら問題はありませんが、ボットや偽装ユーザーによるものであれば、広告効果が大きく変わってしまいます。我々が重視しているのは、広告出稿主様が安心して広告配信ができ、正しく効果を得られるプラットフォームの提供です。その点では、Spider AFとの連携により日本国内の広告配信環境のクリーン化をプラットフォームの立場において推進していくことができると考えております。「Taboolaはアドフラウドが少ないクリーンな媒体である」と我々がセールスするだけでなく、Spider AFのような第三者機関にデータで示していただけることは信頼性の確保にもつながります。

 

-Spider AFのアドフラウド検知技術は、他社と比べてどのような特色がありますか。

佐藤氏:弊社では世界7か国のデータを保有しています。特に日本発企業であることから、他の海外ベンダーと比べると、保有する日本のデータ量は圧倒的に多く検知制度の高さを評価いただいております。たとえば日本のローカル地域のケーブルTVが提供している通信回線などは、海外ベンダーだとマイナー過ぎて誤ってブロック対象になることもありますが、弊社ではそこも正しく判定ができます。結果オーバーブロックや検知漏れすることなく、日本に最適化された検知技術で精度の高い対策を提供しています。

さらに対策前は無効トラフィックで消化された予算を、対策後には有効トラフィックに再分配することが可能です。アドフラウド対策は「コストがかかる」ものではなく、最適な予算配分をするための「投資」だととらえていただきたいと考えています。

 

資料提供:Spider Labs

 

-アドフラウド対策について広告出稿主・広告代理店に伝えたいことはありますか。

大澤氏:日本の広告予算規模は大きく、国内外の詐欺広告配信のターゲット国にもなりやすい状況です。この状況は、「見かけ上のコンバージョン(CV)数」に惑わされ、本来であれば広告出稿主のビジネス成長に貢献するはずの「優良な顧客」からのCVを見失っている危険な状態とも言えます。
現在のCVデータの全ては、本当に広告出稿主の製品やサービスを求めているお客様からのものと言い切れるでしょうか?もしかすると、アドフラウドによって水増しされた、実態のない数値かもしれません。
まずは、御社のマーケティング活動が「真の成果」に基づいているか、今一度一緒に確認させていただき、次の一歩をご提案できればと考えております。今こそ、リスクから目を背けずに可視化し、適切な広告予算の配分をした上で成果に繋げていただきたいと思っています。

 

佐藤氏:広告出稿主・代理店双方にとって、アドフラウドの割合などデータとして認識した上で正しく媒体を見極め、予算配分を実行すべき時が来たのではないでしょうか。広告出稿主側が、今まで活用していたのだから問題ないであろうと配信していたプラットフォームも昨今アドフラウド率が高まってしまっているかもしれません。知らぬ間に効率低下を招いているリスクがございます。アドフラウドに対して1歩ずつでも対策することで、業界全体が変わってくるのではないでしょうか。Spider AFでは、品質管理のKPIを「見える化」することができます。私自身も代理店出身なので、アドフラウド検知率がネガティブな結果である場合の言い出しにくさは非常に理解できます。しかし実は改善余地でもあるので、広告出稿主へのご説明の伴走も含めてサポートできればと考えています。

最初の一歩は実態把握ですので無料診断をお試しいただき、対策への一歩を踏み出していただければと思います。

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ABOUT 角田 知香

角田 知香

ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。