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Magnite、エージェンティック広告の協調基盤「Magnite Orchestration」を発表 ― dentsu・DIRECTV Advertisingらがテストに参加

Magniteは、買い手のAIバイヤーエージェントを同社のセラーエージェントに接続する協調レイヤー「Magnite Orchestration」を発表した。dentsuやDIRECTV Advertisingがテストに参加し、エージェント間でより効率的なオムニチャネル広告取引の実現を目指す

 

背景:自動化・インテリジェント化する広告取引

Magnite(米国・ニューヨーク、NASDAQ:MGNI、以下 Magnite)は現地時間2026年6月11日、買い手のバイヤーエージェントをMagniteのセラーエージェントに接続する協調レイヤー「Magnite Orchestration」のローンチを発表した。Magniteは世界最大の独立系セルサイド(売り手側)広告会社であり、業界最大のプレミアムインベントリ群に加え、サプライサイドの知見と自動化技術を基盤としている。同社は今回、バイヤーエージェントおよびセラーエージェントの機能を拡張するとともに、dentsuやDIRECTV Advertisingを含むパートナーとテストを開始した。

広告取引が、AIを活用したより自動化された、よりインテリジェントな買い付けへと移行するなかで、アイデンティティやオーディエンスインテリジェンス、インベントリ、意思決定(ディシジョニング)といった各システム間の相互運用性が重要性を増している。「Magnite Orchestration」は、こうした潮流に応える基盤として位置づけられる。

 

「Magnite Orchestration」の概要と機能

「Magnite Orchestration」は、複数のエージェントを共有環境の中で接続し、AI主導の買い付けシステムが、プレミアムなオムニチャネルインベントリをシームレスに発見・評価・アクティベートできるようにする仕組みである。買い手・パブリッシャー・データプロバイダーは、自社が保有するプロプライエタリ(独自)なオーディエンスをエージェントに提供することもでき、それらのオーディエンスをプレミアムな広告枠とともに直接パッケージ化することで、より相互運用性の高いエコシステムを構築できる。ベータ参加の一環として、dentsuは「dentsu.Audiences」のセグメントをMagniteに統合し、キャンペーンに関連する場面で独自のオーディエンスデータを活用できるようにした。

Magniteのバイヤーエージェントとセラーエージェントは、広告ワークフローをエンドツーエンドで効率化し、パブリッシャーと買い手がキャンペーンのプランニング・パッケージ化・発見・実行をより効率的に行えるようにする。

「Magnite Seller Agent(セラーエージェント)」を通じて、パブリッシャーは次のことが可能になる。第一に、柔軟な価格設定とターゲティングのコントロールを備えた、カスタムのインベントリおよびオーディエンスパッケージを作成できる。第二に、自社のインベントリをバイヤーエージェントが発見・購入できる状態にし、エージェント間(agent-to-agent)の取引を促進できる。

一方、買い手は自社のバイヤーエージェントを「Magnite Orchestration」に接続でき、自社が利用するプランニング・アクティベーション・最適化ツール間の相互運用を可能にするオープンな統合(インテグレーション)を活用できる。さらに「Magnite Buyer Agent(バイヤーエージェント)」を用いることで、次のことが可能になる。第一に、シンプルなRFP(提案依頼)からメディアプランを作成し、利用可能な広告枠とオーディエンスの機会を発見できる。第二に、CTV(コネクテッドTV)のホーム画面、オーディオ、その他の高インパクトなフォーマットを横断して、クリエイティブ生成とオムニチャネルキャンペーンの立ち上げを単一のワークフローで行える。

これらの機能により、買い手と売り手の双方が、意図(インテント)から実行までを一気通貫で結びつけ、AIエージェントを介してより速く、より効率的に広告取引を進められる点が、「Magnite Orchestration」の主眼である。

 

関係者のコメント

Magniteのレベニュー&マーケット戦略担当プレジデントであるSean Buckley氏は、次のように述べている。
「エージェンティック技術は、取引を支えるシステムと接続されて初めて、その潜在能力を最大限に発揮できる。本当の力は、AIを単独で用いることにあるのではない。買い手とメディアオーナーが、機会を成果へと変えるためにすでに依拠しているプラットフォームやシステム、ワークフローに、AIが組み込まれることにこそある。Magnite Orchestrationは意図を実行へとつなぎ、パートナーがより速く、より効率的に動くことを支援するとともに、我々が共有する次の段階の進歩を前進させるものだ」

dentsuのプロダクト戦略責任者であるNick Halas氏は、次のようにコメントしている。
「エージェンティックAIは、メディア取引のあり方を根本から変えようとしており、dentsuもこの変化とともに進化し、あらゆるチャネルでより高いパフォーマンス、俊敏性、即応性を推進している。業界がより自動化された、よりインテリジェントな買い付けへと向かうなかで、アイデンティティ、オーディエンスインテリジェンス、インベントリ、そして意思決定の各システム間の相互運用性が極めて重要になる。Magniteとの既存のdentsu.Audiences連携は、統合されたアイデンティティとデータのレイヤーに基づく強固な基盤を提供し、エージェンティックなワークフローによる継続的なイノベーションを支える。Magniteのインフラによって、我々はリアルタイムデータ、最適化、意思決定の各機能を実行段階により近づけ、よりつながりのある効果的なメディアエコシステムを生み出すことができるだろう」

DIRECTV Advertisingのセールス&マーケティング責任者兼シニアバイスプレジデントであるDrew Groner氏は、次のように述べている。
「広告は今やいっそう自動化されており、エコシステム全体にわたるAI主導の協働が不可欠だ。コンテンツ、データ、デマンドが交わる地点において、DIRECTV Advertisingは、テレビ市場全体でイノベーションが価値を生むことを担保できる独自の視点を持つ。だからこそ我々は、セルサイドの基盤を通じてパブリッシャーの優先事項を深く理解しているMagniteのような企業と協働することを重視している。新たな買い付けモデルが登場するなかで、我々はプレミアムインベントリへのシームレスなアクセスを可能にし、買い手と質の高いメディア環境とのつながりを強化することに注力している」

 

今後の展望

Magniteは現在、dentsuやDIRECTV Advertisingをはじめとするパートナーとともに「Magnite Orchestration」のテストを進めており、バイヤーエージェントとセラーエージェントの機能拡張も進めている。買い手・パブリッシャー・データプロバイダーが独自オーディエンスやプレミアム広告枠をエージェント経由で扱える環境を整えることで、より相互運用性が高く効果的なメディアエコシステムの構築を支援する狙いだ。

 

プレスリリース:https://www.magnite.com/press/introducing-magnite-orchestration-powering-the-future-of-agentic-advertising/

ABOUT 町田貢輝

町田貢輝

ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学法学部法律学科卒業。編集プロダクション、出版社でエンタメ、健康、IT関連の雑誌と書籍の編集・進行管理に従事。2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。DX領域のメディア運営全般ならびに、調査研究を担当する。