自らデータ分析に取り組み、最適な施策を目指す-アイモバイル 芳賀 百菜氏
デジタル広告業界で働く広報・マーケティング担当者は、専門性が高く難解な業界用語と向き合いながら、形として見えにくい自社プロダクトやサービスを、日々顧客をはじめとする様々なステークホルダーに、ストーリー性をもって分かりやすく伝え、自社のブランド価値を高めていくことが求められる。
そんなミッションをもつ広報・マーケティング担当者は日々何を考え、どんなことに向き合っているのだろうか。デジタル広告業界の広報・マーケティングのプロフェッショナルにインタビューを行い、彼らのリアルに迫る。第7回は、株式会社アイモバイルの芳賀 百菜氏にお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWire JAPAN 角田 知香)
【インタビュー対象者】
芳賀 百菜氏
株式会社アイモバイル メディアソリューション事業本部 東京営業部 メディアコンサルタントグループ
新卒で通信サービス事業会社に入社し、UI/UX及びコンバージョン率の改善やBtoC向けのマーケティング・開発ディレクションを担当。外資系ヘルスケアカンパニーに転職、市場データや顧客動向の分析、ブランド全体のマーケティング・販売戦略を担当した後、「データ分析を駆使したマーケティングがしたい」という思いのもと株式会社アイモバイルに入社。オウンドメディア運営やイベント企画に加え、事業データの分析を通じてマーケティング施策の立案や改善を担当している。
【インタビュー対象企業】
株式会社アイモバイル
「“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける」をビジョンに、インターネット広告とコンシューマ事業を展開する。広告事業では、国内有数の規模を誇るアドネットワークを中心に、複数の広告プロダクトも活用したパブリッシャーの収益最大化を行うメディアソリューション事業やアフィリエイトやインフルエンサーマーケティングなど多様な広告ソリューションを提供。コンシューマ事業では、ふるさと納税ポータルサイト「ふるなび」をはじめ、地域体験型サービスを通じて地方創生に貢献している。広告と消費者サービスの両軸で、マーケティングを起点とした新たな価値創造を推進する。
-現在ご担当されている業務領域を教えてください。
メディアソリューション事業本部でマーケティングおよび広報業務を担当しています。自社オウンドメディアの企画・運営、セミナーなどのイベント企画運営や、ホワイトペーパー・プレスリリースの作成なども行います。
弊社にはプロダクトを作るチームと営業チームがありますが、私はこの2つのチームの橋渡しをする役割だと考えています。作ったプロダクトをどう売っていくかを整理し、データを起点としてマーケティング戦略を立てます。広報とマーケティングを兼任しつつ、自ら事業データを分析し、市場動向や顧客行動を可視化することで、よりデータに基づいた施策を目指しています。
-主な顧客層をお聞かせください。
私が所属するメディアソリューション事業本部では、ウェブサイトやアプリを運営するパブリッシャーの方々を主な顧客として、広告収益の最大化を支援しています。Google認定パートナーおよびSSP事業者として、広告配信の最適化や収益構造の改善など、各パブリッシャーの課題に合わせたソリューションを提供しています。
相談内容に応じて、最適な人に力を借りる
-会社全体の雰囲気はいかがですか。
会社が掲げる行動指針である「Smile × Growth × Team」のValuesの通り、社員が主体的に、かつ協力して切磋琢磨できる風土があると感じます。いい意味で遠慮せず、自分の意見を述べることができて、きちんとすり合わせができる環境です。
業務の中で不安や疑問がでたときは早めに誰かにアドバイスを求めるようにしています。「データ分析のことはあの部署のあの人に聞いてみよう」というように、内容に合わせて最適な相談相手を考えます。部署で広報とマーケティングを兼任しているのは私一人ですが、案件内容に応じて社内の専門メンバーに相談できる体制が整っているため、安心して業務に取り組めています。
-どのような業務に時間を割くことが多いですか。
事業データの分析や施策の効果検証に最も時間を割いています。アイモバイルに入社するとき、「SQL(構造化照会言語)を使ってデータ分析ができる」ということが大きな魅力でした。SQLやBIツールを使って取引実績やトレンドを可視化し、その分析結果に基づいてマーケティング施策を調整していきます。
自らデータ分析をすることで説得力をつける
-積極的にデータ分析に取り組むモチベーションは何ですか。
アイモバイル入社1年が経ったころに実際SQLを使えるようになり、そこからどんどんこの分野を極めたいと思うようになりました。
これまで数社にわたってマーケティングを担当してきました。フロントに立ってくれる営業部隊に「こういう風に進めてほしい」と要望を伝える際に、しっかりデータという根拠を持って方針や戦略を伝えたいということは、常に心にありました。やってほしいことを伝えるからには、自分自身で手を動かしてデータ分析をすることで、ミーティングなどでも自信をもって意見や物事を伝えることができると考えています。
データを積み上げたあとは、伝える相手によってどういう伝え方がベストか、ということを意識しています。できるだけ全体像を先に伝えて、データをもとにしながら、代案もセットで話し、相手の温度や言葉を意識しながら進めていきます。
-業務で注力していることは何ですか。
マーケティングという幅広い業務の中で大切にしているのは「データ」です。自分でSQLを使ってデータを分析し、現状の把握や課題の仮説を立てる、そこから「何を作ればいいのか」「どうやって売ればいいのか」をチームで議論して施策に繋げていきます。データを見るだけでは売上にはつながらないので、「データをアクションに繋げる」という役割をいつも念頭に置いています。
社内のデータアナリストと協力しながら、数値の変化だけを分析するだけではなく、背景にある要因を整理することで、どのアプローチが最も効果的かということを検討するプロセスを大切にしています。データ起点で議論を深めることで、チームでの意思決定の精度を高められるよう意識しています。
-いま最もPRしたいことを教えてください。
SNSやAIが中心となる時代だからこそ、オープンインターネットの価値を改めて見直す必要があると考えています。
メディアソリューション事業本部では、Webやアプリを運営するパブリッシャーの皆さまが保有するコンテンツ価値を最大限に活かし、収益成長と運営効率の両立を支援しています。
Google認定パートナーとして培った知見をもとに、広告配信の最適化や運用サポートを行い、オープンな広告環境で成果を出せる仕組みづくりに取り組んでいます。
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