WireColumn: 動画広告の注視時間は、一般的サイトのバナー広告の約14倍:動画サイトのアドフォーマットの可能性

DAC Mr Saito WireColumn

こんにちは、DAC齋藤司です。動画広告についてのコラムの1回目を終え、色々な反応をいただきました。顔写真をなんとかしろといった冗談も多かったのですが、いただいた多くのコメントを動画広告への期待感だと思い邁進していきたいと思います。

第2回目まで随分お待たせしてしまいましたが、「今回は動画サイトや動画広告のアドフォーマットがなぜ可能性があるのか?」といった、WEB広告の中で動画サイトや動画広告を特にブランド広告主が期待し、活用している理由について調査結果を交えてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

下記は、DACが2013年2月に株式会社スパイスボックスで実施した動画サイトや、ポータルサイトのバナー広告、動画広告のアイトラッキング調査の結果です。

アイトラッキング調査というと昔は、被験者がヘッドギアなどによる頭に機具をつけたり固定したりといった調査であったようですが、今では赤外線による被験者の角膜反射点やカメラから顔の画像を捉えることにより、ごくごく一般的にユーザーがパソコンのモニターを見るのと同じ状態で調査する「tobiiアイトラッカー」を使用しています。※PCでの調査。

 

イメージ1

 

調査としてはユーザーの広告に対する視点の動き(注視点の分布)、注視時間をバナー広告等と比較した調査になります。

 

主な検証のポイントは以下になります。

①コンテンツの前に掲載される動画広告(プレロール広告)は、一般的なバナー広告等と比べて、注視時間、注目回数等はどう異なるか?

②動画サイトは他のサイトに比べ1ページあたりの滞在時間が長いので、動画広告や動画広告のバナー広告は注視時間も長く、また注目してみられている回数も多いのではないか?またどれほど差があるのか?

③動画広告の中でもスキップボタンのついているプレロール広告と、強制視聴のプレロール広告との間で、注視時間等の差はあるか?

 

アイトラッキング図1

まず、①動画広告(プレロール広告)は、通常のバナー広告と比べ、どれくらい注視時間、注視回数が違うか?という点ですが、一般的なサイトのトップ面の14.2倍の注視時間があり、注視回数も動画広告は32回と、一般的サイトのトップ面の12.4倍ありました。(図1)

ヒートマップを見ると他にコンテンツが基本的にはない動画広告は、一般的なサイトのように広告とコンテンツが併存しているものと比べ「実際に見ている、見られている」という点において相当な優位性があります。

それがこの注視時間、注目回数の差に表れているかと思われます。

 

コンテンツと共存する一般的なバナー広告と、基本的にはコンテンツの展開前や中で一定時間を専有し、基本的に音声ONであったり、大型の広告サイズとなっているプレロール動画広告とでは、注視時間、注視回数に大きな差があります。「見せる」広告として機能する動画広告(プレロール広告)はWEB広告としてよく語られがちな、クリックではなく「認知効果」として評価していくべきと考えます。

 

アイトラッキング図2

 

次の②の動画サイトのバナー広告枠に関しても、一般的なサイトの、サイトトップ面の4.0倍の注視時間がありました。注視回数も9.2回となり、コンテンツとしての動画視聴がメインとなっている動画視聴面(動画再生ページ)であっても広告表示時間や、広告注視時間が長いということが分かりました。(図2)

動画サイトの特性である1ページあたりの表示時間が長いことを活かし、結果的に注視時間や注視回数も多い動画サイトのバナー広告は、動画広告同様に価値が高いと言えるのではないでしょうか?

 

 

アイトラッキング図3

 

最後はよく言われるスキップボタンの有無による違いを検証した③になりますが、広告メニューでいうとスキップボタンのない強制視聴であるInStream動画広告と、スキップボタンのあるInStream TrueView広告、InStream セレクト動画広告の違いになります。スキップボタン付きの動画広告は最初の5秒間強制視聴され、その後はユーザーの選択により動画広告をスキップ可能というものになります。

 

結果は、スキップボタンエリアが平均1.26秒の注視時間があり、かなりの時間注目されているということが分かりました。これによりスキップボタンありの動画広告は、スキップなしのものに比べ約0.5秒長い注視時間となります。ただ、このスキップボタン部分への注視を純粋な“広告注視”とみなさない考え方もあると思います。その場合スキップ部分の平均1.26秒を除くことになり、逆にスキップボタンのないInStream動画広告が0.7秒程長い注視時間になるという結果になりました(図3)。

 

強制視聴メニューの動画広告とスキップボタンがある動画広告はどちらが良いのかといった議論は、課金形態の違い(CPV課金、CPM課金)もあり、よく議論になるポイントです。この調査結果等をみると、スキップボタン部分を除いた純粋な広告の注視時間が長いCPM課金のInStream動画広告を基本としてプランニングしていくことで、多くの広告主が動画広告に対して期待している広告認知、商品認知、購買意向を高めることができるのではと考えます。一方でTrueView広告はユーザーにとって良い仕組みであることは事実ですが、広告活用として長尺素材のCMを見せたい時、ユーザーに対して深い印象を与える際に活用するというのが良いかと思われます。

 

 

今回の調査結果では、

①動画サイト内の広告は、プレロール広告はもちろん、バナー広告であっても広告表示時間、広告注視時間が長く、クリエイティブを見せる広告フォーマットである。

②特にプレロール広告は非常に長い広告注視時間を誇り、広告をみせる広告認知といった点が優れている広告フォーマットである。※どれ位一般的なWEB広告と違うのか?TVCMとの違いは?は別途調査

③TrueView広告のスキップボタンはやはりユーザーに注目されており、気になる存在である。

といったことがわかったかと思います。次回は更に踏み込んで、動画広告(プレロール広告)は広告認知率から態度変容まで起こすことができるのか?、またテレビCMと一緒に出稿した際の効果についてお話ししていきます。よろしくお願いいたします。

(編集:三橋ゆか里)

 

 

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ABOUT 齋藤 司.

齋藤 司

株式会社トーチライト マーケティング ディレクター ラジオ、TVの放送作家を経て 2000年、雑誌をメインとした、広告代理店に入社。 アパレル、衛生機器メーカー等を担当し、2003年11月DACに入社。 メディア開発部等を経て2004年関西支社へ転勤。 広告会社に常駐し、インターネット広告の啓蒙、販売を行う。 2008年DAC本社にて開発・業推部マネージャー等を経て、 現在は第3メディア部マネージャーとして、ソーシャルメディア、動画を担当。 2013年10月より株式会社トーチライト出向によりマーケティングマネージャーとしてソーシャルメディアの啓蒙活動も行っている。 ※2014年2月時点 趣味は、落語、演劇鑑賞、ゴルフ等々