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先週のアドテクシーン:電通がDSP・DMPサービスを開始、マイクロアドがアジア向けBLADEを開始など

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

 

IgnitionOne、Facebook Exchangeへの配信機能を追加

12月12日、IgnitionOneは同社のDSPにおいて、リアルタイムに自動生成された広告クリエイティブをFacebook Exchange (FBX)へ配信する機能を追加した。この新しいダイナミッククリエイティブ配信機能によって、FBXを通じてFacebookの広告在庫に消費者の興味に沿ったパーソナライズド広告を配信できるようになる。FBXへ配信できる主な国内DSPはMarketOneのみだったが、GoogleのBid Managerに続き、国内での取り扱いサービスが増えている。

 

MicroAd、DoubleClick Bid Managerとの接続が完了

マイクロアドは、媒体社向けに提供するSSP「MicroAd AdFunnel」において、Googleが運営するDSP「DoubleClick Bid Manager」とのRTBを経由した広告配信取引を開始した。MicroAd AdFunnelを利用する媒体社は、CPM課金での高単価広告の取引量の拡大で更なる収益の向上が期待できる。DoubleClick Bid Managerは、国内ではYieldOne等と接続を完了していたが、新たな接続によってさらに多くの国内在庫へのリーチを獲得したことになる。

 

Rtoaster Ads、アドバタイジングドットコムのサービスと接続

ブレインパッドは、Webプラットフォーム/レコメンドエンジン「Rtoaster」の広告配信機能である「Rtoaster Ads」と、アドバタイジングドットコム・ジャパンが運営するアドネットワークを接続した連携サービスの提供を2014年1月より開始する。Rtoaster Adsは先日、マイクロアドの「MicroAd BLADE」との連携もリリースした。RtoasterのサービスをDSPを経由して配信することで、Rtoaster とDSP双方の特徴を活かすことができる。

 

DAC、ブランド広告主の DSP 利用を支援

国内大手のプラットフォーム・ワンは、主にブランド広告主によるDSPの利用を支援するサービス「MarketOne Brand Survey」の提供を開始した。同社のDSPが、comScore、Nielsen、VRIの3つのベンダー会社の計測ツールと同時に連携。それぞれのツールで利用目的は異なるが、MarketOneを利用してアンケート、オーディエンス情報、Viewability などさまざまな計測が可能になった。

 

AudienceOneとRtoaster Ads、DMP同士が連携を開始

モデューロは、同社のDMP「AudienceOne」とブレインパッドが提供するプライベートDMP「Rtoaster Ads」が連携したサービスの提供を年明け開始する。これまではDMPとDSPの連携が目立ったが、競合とも捉えられるDMP同士の連携はまだ珍しい。Rtoasterで抽出したセグメントをAudienceOneのオーディエンスデータとぶつけることで、さまざまなターゲティングが可能になることが期待されている。

 

smarticA!DMP、アジャイル型BIツールTableauと連携

ALBERT(アルベルト)は、プライベートDMP「smarticA!DMP」と、Tableau Japanが提供するアジャイル型BIツール「Tableau」の連携を開始した。smarticA!DMPが、オンライン・オフラインを含めたマルチチャネルでのCRMシナリオやアトリビューションなどのKPIを一元管理しやすくすることを目的に、スタンフォード大学で生まれたTableauを採用。複雑化する広告設定の簡易化が目的だと思われる。最近のDMP関連のリリースの多さには注目だ。

 

MicroAd、アジア向け新サービスを開始

マイクロアドは、「MicroAd BLADE」の新サービスとして「BLADE-APAC-NETWORK」を発表した。このサービスは、MicroAd BLADEを利用する広告主や代理店が同じインターフェースでAPAC地域の在庫を購入することを可能にするもの。アジア地域への配信のため海外DSPの需要が増える中、新たにその層を取り込むことが狙いだと考えられる。

 

電通がDSP・DMPサービスの提供を開始

電通は、複雑化・高度化するデジタルメディアのプランニングや売買をより効率的に運用するための専門組織であるトレーディング・デスク・サービス「Dentsu Audience Network」の提供を開始した。広告目標や評価指標を達成できるように広告配信を管理するDSPや、オーディエンス情報等のデータを管理するDMPといった複数のサービスをマネジメントし、適切なタイミングで効率的な広告配信が行う。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。