Facebook認定の、ネイティブツールより高機能な 4つのFB広告運用管理ツール — Facebook Ads PMD Seminarレポート

(ライター:柏木 恵子)

広告テクノロジー業界の最近のトレンドはソーシャル広告である。Facebookが広告主向けに開催したPMDプログラムのセミナーの概要から、その状況を概観する。

 

 

 

 

ソーシャル広告のメリット

運用型広告として典型的なのは検索連動型広告だが、最近大きく勃興してきたのがソーシャル広告である。FacebookやTwitterに広告を掲載する場合、メディアとなるそれらのサイトはユーザープロフィールやさまざまな属性情報を持っているため、より厳密なターゲティングが可能であることが大きなメリットとなっている。

 

検索連動型広告:キーワードによるマッチング

ソーシャル広告:ユーザーの属性情報を元にしたターゲティング

 

※運用型広告:膨大なデータを処理するアドテクノロジーを活用したプラットフォームにより、広告の最適化を自動的にもしくは即時的に支援するような広告手法(電通の分類による)

 

Facebookでは、広告の運用や管理のための無料ツールを提供しているが、マーケター全員のニーズに応えて全ての機能を自社で開発するのは無理がある。そこで、各分野で強みを持つ開発会社を認定パートナーとするパートナー認定プログラムを展開している。PMDプログラム(認定マーケティングデベロッパープログラム:Preferred Marketing Developer Program)である。プログラムの背景として、Facebookは以下の点を挙げている。

 

・Facebookのプラットフォームはオープンであり、他のデベロッパー、企業がプラットフォーム上でツールや商品を開発することが可能

・Facebook自身がどれほど運用ツールを改良しても、PMDエコシステム全体より強力なものを開発することはできない

 

 

PMDプログラムの概要

PMDプログラムは、Facebookを使ったマーケティングに特化したパートナーシップである。ソーシャルメディア上のコミュニケーションについて、各分野で強みを持つ開発会社を認定パートナーとする。パートナーに付与されるバッヂは分野別に4種類ある。Ads(広告)、Insights(インサイト)、Pages(ページ)、Apps(アプリ)である。今回のセミナーでは特に広告分野について紹介した。

 

Facebook_Ads_PMDプログラム

PMDの広告ツールでは、ネイティブのツールに比べて以下のような機能が強化されている。

 

・クリエイティブの大量生成

・自動入札最適化、ターゲティングセグメント最適化

・曜日・時間指定配信

・高度なレポーティング

・計測機能

・複数のメディアをひとつのアドツールに統一させる

 

つまり、PMDはFacebook自身が通常提供できる以上のサービスを提供するもので、Facebookマーケティングの重要なパートナーとなる。自社の目的に合うパートナーを選択するためにも、各社の特徴や仕様を見極めることが必要となる。

 

 

PMDベンダーの特徴と事例

セミナーではPMDパートナー4社の、ツールおよび事例が紹介された。4社は、アプローチによって3つに分類できる。それぞれの特徴を以下に紹介する。

 

 

【パターン1】

Salesforce、ポストマーケティングツールベンダーがプレマーケティングにも進出

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Salesforceは、CRMなどのポストマーケティングツールをSaaSで提供するベンダーとして有名である。同社では、さまざまな企業の買収を通して、マーケティング全体を統合管理できるプラットフォームを目指してツールを拡充している。これまでのポストマーケティングに加えて、プレマーケティングツールとして提供するのが「Social.com」である。主な特徴は以下の通りで、Salesforceのポストマーケティングツールと統合できる点が大きなメリットとなる。

 

・アクションに基づいたターゲット設定

・自動CPA入札

・キャンペーンのスケジューリング

・再利用・共有が可能なオーディエンスプロファイル、キャンペーンテンプレート、最適化ルール

 

事例を3つ紹介した。その中で英国の通信会社では、ソーシャルメディア上の話題作りにおいて、クリックしたユーザーのタイムラインにブランド広告を表示。ターゲティング、適宜予算配分、CPA入札などでCPAを55%改善、エンゲージメントレート16倍、一訪問あたりのコストが68%改善という結果が得られた。

 

【パターン2】

検索連動広告の入札ツールベンダーがソーシャルにも対応、Kenshoo、Marin Software

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KenshooとMarin Softwareは、元々は検索連動広告の入札ツールベンダーである。運用型広告の運用ツール全体をカバーする意味で、ソーシャル広告の機能にも対応した。

 

Kenshooのツールの主な特徴は以下の通り。

・クロスチャネル支援

・ソーシャルと検索連動型をまたいだトラッキング

・分析した重み付けによる最適化

・世界的な事業展開と多言語対応

・トレーニングと実用化支援

 

需要受動型キャンペーンにより、パフォーマンスと効率性が向上した事例などを紹介し、「Facebook広告が有料検索キャンペーンのパフォーマンスを向上させる」とした。

 

Marin SoftwareはFacebookと同様にオープンなプラットフォームを掲げており、他ベンダーのツールと連携することでマーケティング全体をカバーする。ツールの主な特徴は、以下の通り。

 

・キャンペーン作成の自動化

・ほぼリアルタイムな最適化

・オーディエンスのリターゲティング

・モバイル広告

・任意の目標を設定し、予測型の入札最適化で対応

・グローバルなサービスおよびサポート展開

 

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事例では、入札の自動化によりwebからのリードが30%増加し、獲得コストが20%減少した例などを紹介した。

 

【パターン3】

セプテーニ、運用者の立場から開発する使いやすく便利なツール

 

セプテーニは、デジタル広告のエージェンシーである。自分たちの経験から、運用品質向上と工数削減を目的として、運用コンサルタント向けに開発したのが「PYXIS」で、特徴は以下の通り。

 

・日々の運用で利用することを意識したシンプルで使いやすい機能と操作性

・PMDとMMP(Mobile Measurement Partners)の2つのバッヂを保有し、webとアプリの両方でLTVベースの最適化が可能

・運用のプロによる手厚いアフターサービス

 

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大量広告入稿、配信スケジュール設定、レポート、予算管理、自動入札、LTVトラッキング、取得データ活用といった機能があり、それぞれチェックボックスなどで簡単に設定できる。自動入札では目標値を指定するだけの完全オートビッドと、自分で入札ルールを作成するマニュアルルールビッドがある。事例では、マニュアルルールビッドによりCVRやCPAが改善した例などを紹介した。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

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大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。