先週のアドテクシーン:Twitterがネイティブ広告事業のNamo Mediaを買収、Criteoが予測・レコメンデーションエンジンを大幅強化
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on 2014年6月09日 in
(ライター:岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
無料動画サイト「テレ東プレイ」が動画広告プラットフォームを採用
ブライトコーブは、テレビ東京コミュニケーションズが運営する無料動画サイト「テレ東プレイ」に、動画配信プラットフォーム「BrightcoveVideo Cloud」が採用されたと発表した。日本のテレビ業界に動画広告プラットフォームが採用されたことは、今後にとっても非常に重要なことであり、この取り組みが成功することは大きな意味を持つと考えられる。
「1Roll for Business」アプリで作成された動画の広告配信が可能に
フレイ・スリーは、同社が提供するスマートフォン向け動画作成アプリ「1Roll for Business」で作成した動画を、アドネットワークやDSPなどを通じて広告として配信できるサービスを開始した。また、動画広告を中心としたリッチメディア広告の第三者配信事業者であるゴールドスポットメディアと協力体制を整え、1Roll for Businessで作成した動画の活用先を順次拡大していく予定だという。1秒ごとの離脱率の計測や、それを基にした動画の差し替えが簡単に行えるという特徴を持つ。
サイネージアドネットワーク「MONOLITHS」が医療従事者向け配信を開始
マイクロアドデジタルサイネージは、デジタルサイネージ広告をネットワーク経由で統合管理するサービス「MONOLITHS」から、医療情報基盤が運営する医療従事者向けデジタルサイネージへの広告配信を開始した。このシステム連携により、広告主はMONOLITHSの広告管理ツールを利用して、全国106カ所の病院が保有する約4,400面のデジタルサイネージへ広告配信が可能になるという。
アイレップ、中国進出で日系企業の中国進出を後押し
アイレップは、現地法人(子会社)として中国に「北京艾睿普广告有限公司(北京アイレップ)」を設立し、6月3日より営業を開始した。2013年に設立されたインドネシアでの合弁会社に続き、現地法人の第2号拠点となる。これにより、同社が有するデジタルマーケティング領域のノウハウを活かし、日本から中国に進出する企業の支援を軸にサービス展開するとともに、中国現地企業への営業展開を見据えた事業基盤の構築を図る。今後は、インドネシアや近隣のASEAN諸国にもサービスを拡大し、体制強化を図っていく予定だ。
トランスコスモス・アナリティクスとdmiがビッグデータ活用で業務提携
トランスコスモス・アナリティクスとdmiは、ビッグデータを活用した顧客行動予測について業務提携を発表した。今回の提携により、トランスコスモス・アナリティクスが持つビッグデータ分析のノウハウと、dmiが持つ過去から未来を予測できる解析技術「ベイジアンネットワーク」を融合し、顧客と企業のマーケティングプロモーションの効率化を目指していく。
DACがデータセクションに出資
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは、ソーシャルメディア情報の収集・分析を行うデータセクションへの出資を発表した。データセクションは、ソーシャルメディアを中心としたデータを大規模に収集・分析する技術とノウハウを強みとし、国内では最多種・最大量のデータを保持している。今回の出資で、DACは、DMPとの連携やその他解析レベルの向上に役立てていく予定だ。
Twitterがネイティブ広告事業のNamo Mediaを買収
ITmediaが報じたところによると、米Twitterはネイティブ広告事業のNamo Mediaを買収した。買収額は公表されていない。先日買収したモバイルプラットフォームへ技術を統合し、同プラットフォーム上でのネイティブ広告開発が加速すると思われる。
予測・レコメンデーションエンジンを大幅強化
Criteoは、同社が提供する予測・レコメンデーションエンジン「Criteoエンジン」への大幅な機能強化を発表した。広告主は、ユーザーが広告をクリックする見込みと、その後広告主のサイトで商品の購入に至る見込みの両方に基づいて個別広告のインプレッションの購入を決定できるようになる。この強化により、プラットフォームのパフォーマンス全体が向上し、コンバージョンレートを平均38%向上させることができるという。
スマホ向けアドネットワーク「アスタ」がレクタングルサイズの広告枠に対応
マルジュは、同社が運営するアイコン型スマートフォン広告ネットワーク「アスタ」で、レクタングルサイズの広告配信を開始したと発表した。このレクタングル広告では、アイコンとテキストがセットとなった広告を、スマートフォン向け広告で一般的な300×250サイズの広告枠に3つ表示することができる。アイコン型ネットワークがレクタングル市場にも参入してきた形となる。
(編集:三橋 ゆか里)
ABOUT 大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。