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先週のアドテクシーン:YJが企業内起業家育成制度から「リッチラボ株式会社」を発足、カンター・ジャパンが動画広告のブランド効果測定を開始

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
 

 


 

 

Zucks Ad Networkがアプリ内広告配信SDKを提供

VOYAGE GROUPの連結子会社で、スマートフォンやタブレット端末を含むモバイル関連事業を展開するZucksは、スマートフォン向けクリック課金型アドネットワーク「Zucks Ad Network」において、アプリデベロッパーに対するアプリ内広告配信SDKの提供を開始した。Zucks Ad Networkは、Zucks独自の配信ロジックによって各メディアに応じた収益性の高い広告を選択して自動配信するため、デベロッパーはSDKを導入するだけで収益最大化を図ることができるようになる。利用拡大を狙い、新たにSDKを導入したデベロッパー向けに、10月31日まで報酬保証キャンペーンも展開する。

 

ヤフーが企業内起業家育成制度から「リッチラボ株式会社」を発足

Yahoo! JAPANの子会社として、スマートデバイス向けのリッチ広告を開発・販売する新会社「リッチラボ株式会社」が発足した。リッチラボは、スタートアップ企業の育成を手がけるMOVIDA JAPANの協力のもと、Yahoo! JAPANが2013年9月1日より開始した企業内起業家育成制度「スター育成プログラム」を通じて法人化した第1号目の会社。Yahoo! JAPANの若手社員を含む計9名のチームで、リッチ広告などの開発、制作、営業などを担当し、事業の持続的な成長を目指す。

 

SSP「AdStir」が新たに3つのDSPとRTB接続を開始

ユナイテッドの提供するスマートフォン媒体社向けのSSP「AdStir」が、ウィリルモバイルが提供する「AdInte」、京セラコミュニケーションシステムが提供する「デクワス.DSP」、マーベリックが提供する「Sphere」の3つのDSPとRTB接続した。これにより14のDSPと接続したこととなり、モバイルSSPとしては国内最大規模となった。

 

AOLグループがPubMatic社のSSP「PubMatic」と広告枠取引で連携

アドバタイジングドットコム・ジャパンは、PubMatic社が運営するSSP事業「PubMatic」との広告枠取引の連携を開始した。両サービスの連携により、広告主/広告会社は、アドバタイジングドットコムが提供するプレミアムDSP「AdLearn Open Platform」を用いて、PubMaticを通じて各媒体社が提供する広告掲載枠をRTBベースで購入することができる。これまで以上に広告掲載先媒体の選択肢が増え、広告施策の目的に応じてよりきめ細やかな広告配信運用が可能となる。

 

appC cloudが休眠ユーザにアプリを起動させるリコネクト広告を提供開始

スマートフォンアプリケーション向けCPI型広告ネットワークの「appC cloud」はリコネクト広告を開始する。リコネクト広告とはアプリインストール後のユーザに特定の行動を促し、その行動が達成させられたら課金を行うCPE(Cost per Engagementの略)型の商品である。PUSH通知よりも継続的に、かつ効果的に休眠ユーザを呼び戻しDAUの向上を促進できるという。

 

カンター・ジャパンが動画広告のブランド効果測定サービスを提供開始

広告効果測定サービス「AdIndex Dash」を提供するカンター・ジャパンは、動画広告のクリックでは測ることができないブランド効果測定サービスを開始する。このサービスは、「インストリーム広告(動画コンテンツの視聴前、又は視聴途中に流れる広告)」が配信される動画共有・配信サイトのユーザーに「認知」や「好意度」などブランド効果に関する調査を行い、その結果を広告主に提供するもの。調査は専用のウェブサイトで実施される。バナー広告で培った手法やノウハウを活かし、動画広告でも測定を行う。

 

DSP「Logicad」が配信対象ユーザの指定をサポートする機能を提供開始

ソネット・メディア・ネットワークスは、運営するDSP「Logicad」にてリターゲティングの発展形ともいえる手法の提供を開始する。ただのリターゲティングユーザーではなく、リターゲティングユーザーをエンゲージメントの深さでカテゴライズすることで配信を出し分ける。エンゲージメントは、他のサイトよりもCVしたユーザー率が多いサイトを訪れたユーザは高いと評価する。

 

マイクロアドとPR会社ベクトルがネイティブアドサービスを共同展開

マイクロアドは、総合PR会社のベクトルとの共同出資により合弁会社「株式会社ニューステクノロジー」の設立を合意し、アドテクノロジーとPRを融合した新ネイティブアドサービスの共同展開を10月1日より開始する。新サービスの「BLADE PR」は、PRとして露出された編集記事のクリエイティブやコンテンツを、外部メディアの広告枠及び記事下の関連記事に表示させ、ターゲットとなる適切なユーザに記事を届けるもの。本サービス開始に伴い、クライアントが求めるより良質な記事を届けるWEBメディアの運営も開始する。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。