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先週のアドテクシーン: PubMaticが2015年の展望を発表、マイクロアドが東南アジア最大級のアドネットワーク企業へ出資

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

SSP「Ad Generation」とDSP「Appier」が連携

スケールアウトが運営するSSP「Ad Generation」が、Appier社が運営するDSP「Appier」と連携を行い、RTBによる広告取引を開始した。これによりAd Generationを導入する媒体社は、Appierから広告を配信することが可能となり、収益機会の拡大が見込める。

 

PubMaticが2015年の展望を発表

グローバルSSPを提供するPubMaticが、2015年の展望を記したレポート「2015 Programmatic Outlook Report」を公表した。オーディエンスにあったコンテンツを配信するオープンプラットフォーム化、デバイスを跨いでも正確に計測することができるレポート、モバイル分野での成功などがハイライトとして挙げられる。

 

業界初「AppleWatch」向けプログラマティック広告プラットフォームが登場

モバイル広告エクスチェンジを提供するTapSenseが、業界初となる「AppleWatch」向けのプログラマティック広告プラットフォームを発表した。AppleWatchは、未発売であるが、発表によればインタラクティブ性の高い広告やハイパーローカルターゲティングの実現などを表明している。今後この分野のリリースが増えることが予想される。

 

アドバタイジングドットコム・ジャパンが社名変更

アドバタイジングドットコム・ジャパンが、2015年1月1日より社名を「AOLプラットフォームズ・ジャパン株式会社」へ変更した。また、同日より、AOLオンライン・ジャパンの一部門で動画広告サービスを提供するAdap.tv事業が「AOLプラットフォームズ・ジャパン株式会社」へ移管された。米AOL Inc.は昨年、同社デジタル広告部門を「AOLPlatforms」と名称変更し、統合的なマーケティングプラットフォームを提供してきた。今回の日本での社名変更もこの流れを汲むものである。社名を同ブランドに統一することにより、アドネットワーク事業者から統合プラットフォームへの事業モデルの拡大・転換を図る。

 

Meredithがネイティブ広告事業者のSelectable Mediaを買収

米国の媒体社であるMeredith Corporationが、ネイティブ広告を手がけるSelectable Mediaを買収した。これにより、Meredith Corporationが保有する媒体のネイティブ広告やエンゲージメント型の広告を強化する狙い。

 

FreeWheelがCMOを新設しJack Rotherhamを任命

米国で動画広告を手がけるFreeWheelが、CMO職を新設し、業界のベテランであるJack Rotherhamを迎え入れた。多くの事業者が参入してきている動画広告市場において、自社のマーケティング戦略を強化することが狙い。

 

IPONWEBが元PubMaticのプロダクトマネージャーをBidSwitchのGMに任命

ロシアのプログラマティックプラットフォーマー大手であるIPONWEBが、大手SSPであるPubMaticのプロダクトマネージャーを、BidSwitchのゼネラルマネージャーとして迎え入れたと発表した。BidSwitchは、DSP/SSPを束ねたシステムで、DSP/SSPプレイヤーはBidSwitchだけリンキングすることで、そこに接続されているすべてのプラットフォームとリンキングができるという次世代型のソリューションである。

 

マイクロアドが東南アジア最大級のアドネットワーク企業へ出資

マイクロアドが、連結子会社であるMicroAd Singapore Pte.Ltd.を通して、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイなど東南アジアを中心にアドネットワークを提供するAmbient Digital Groupに出資した。マイクロアドとAmbient Digitalは、2012年11月に合弁会社MicroAd Vietnamを設立し、マイクロアドが提供するディスプレイ広告の統合管理プラットフォーム「MicroAd BLADE」と、Ambient Digitalが提供するベトナム最大級のアドネットワークとの接続を行うなどしてきた。今回の出資で、Ambient Digitalの提供するアドネットワークを最大限活かし、MicroAd BLADEの東南アジアでのマーケットシェア拡大を目指す。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。