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先週のアドテクシーン: アドフリくん(SSP)、AdColony、AppLovin、Unity Adsと動画リワード広告で連携。「動画リワード広告のメディエーション」機能を提供開始。

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(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

ソフトバンク、同社主導で米国のモバイル広告配信プラットフォーム事業者「シナラ」総額2千万ドル出資

ソフトバンクはモバイル広告事業へさらに注力をすることになる。同社は、世界規模でモバイル広告配信プラットフォーム事業を展開するシナラに、同社の既存株主とともに計24.8億円を出資した。今回の資金調達で、シナラは製品開発チームの増強および通信事業者とのビジネスを世界的に拡大することが可能になる。ソフトバンクは、すでに日本の同社のネットワークにおいてシナラのサービスを導入しており、それをきっかけに今回の出資となった。

 

AOLプラットフォームズ・ジャパン、 「ONE by AOL: Display」および「Advertising.com」において米MOAT社と提携

AOLプラットフォームズ・ジャパンは、同社が提供する広告プラットフォームであるONEシリーズのDSPが、米国のMOAT社と提携し、In-View課金を開始したことを発表した。この提携により、配信された広告が実際にユーザーに見られたかどうかを表すIn-View率を指標として正確に計測できるようになる。また、In-View率の高い広告枠へのターゲティングならびにIn-View率の低い広告枠のブロックが可能になり、ターゲットユーザーや特定ジャンルのサイト閲覧ユーザーへ向けた「Cost Per In-View」の最適化を実現。ブランド認知およびCTR、CVRの改善といったパフォーマンスの向上が期待される。MOATは、ロボットを排除すべく人間の「注目」を解析する技術を持っており、その技術を応用して今回の商品を発表した。米国ではIn-View課金が新たなスタンダードになりつつある。

 

TubeMogul、日本マネージャーへ元Googleの近藤弘忠氏を任命

動画DSPのTubeMogulは、日本の新たなマネージャーとして近藤弘忠氏を任命した(英語)。TubeMogulは今後成長する日本の広告市場において、自社のシステマチックな解決策を導入し、クライアントの目標達成を積極的に支援しようとする狙い。近藤氏はリクルート、Yahoo、Googleとデジタルマーケティングの最前線で長年経験を積んでいるため、ビジネスの拡大やオペレーション構築が期待されている。同社アジアVPの直下となる。

 

ヒトクセ、「Smart Canvas」で制作したリッチメディア広告を中国で配信開始

ヒトクセのリッチメディア制作ツールSmart Canvasは、アドウェイズチャイナとの協力の下、マイクロアドDSPを利用して中国での配信を開始する。国内ベンダーが連合となって中国市場に進出した構図となり、今後の展開に期待が高まる。

 

スケールアウト、モバイルの位置情報を活用したキャンペーンが国内アプリで実施可能に

スケールアウトの広告配信プラットフォーム「Ad Generation」が、位置情報サービスのAdNearと提携し、モバイルでの位置情報ターゲティング広告の配信を開始する。スマートフォンでの位置情報ターゲティングは、交通広告との組み合わせ等でも効果が期待されており需要が高まっている。今回の提携により、AdNearのDSPを活用する広告代理店、広告主はモバイルの位置情報を活用したキャンペーンを、国内のアプリ上で実施することが可能になる。

 

プラットフォーム・ワンの DSP「MarketOne」、CPA自動最適化の新ロジックを提供開始

DACグループのプラットフォームのDSP「MarketOne」が、CPAの新ロジックを公開した(PDFアイコンPDF)。CPAを最適化するために、CPMやCPCなどが悪化し露出機会が減るということをなくし、CPAを最適化の精度も高めつつ、CPMやCPCも改善させていくロジックとなっている。

 

インモビ、日本法人の代表に金田信和氏が就任

InMobiの日本法人、インモビ ジャパンの代表に金田信和氏が就任した(PDFアイコンPDF)。同氏はこれまで20年以上にわたりIT企業、およびGoogle、リーチローカル・ジャパン、アイレップ/ロカリオ、Celtraなどアドテクノロジー企業などにおいて、新規事業や新会社の立ち上げ、セールス部門や会社全体の組織作りなどを担ってきた。同社代表就任に伴い金田氏は「インモビのグローバルのノウハウを活用して、日本のモバイル広告市場のさらなる活性化に努めていけるよう牽引していきます」 と語っている。

 

ANAがAdobe Marketing Cloudを導入し、デジタルマーケティングを強化

アドビ システムズは、全日本空輸(ANA) がマーケティング活動のデジタル化を促進し、さらなる業績向上のために同社の「Adobe Marketing Cloud」の本格導入を開始したと公表した。ANAは、国際市場で競合するエアライン各社のデジタルマーケティングへの取り組みが急速に進んでいることを背景に、より一層高度なマーケティング施策の早期実現として今回の施策に踏み切った。導入にあたっては、デジタルマーケティングに必要な機能と、消費者行動に関する分析データがANAにあったことで比較的容易であったという。

 

アドフリくん(SSP)、AdColony、AppLovin、Unity Adsと動画リワード広告で連携。「動画リワード広告のメディエーション」機能を提供開始

寺島情報企画が、同社が運営するスマートフォン向けのSSP「アドフリくん」にて、AdColony、AppLovin、Unity Adsが提供する視聴完了型の動画リワード広告と連携し、さらにメディエーション機能の提供を開始したと発表した。今回の導入によって、様々な場面で動画リワード広告を組み込むことが可能となるため、アプリの収益化だけでなく、継続率やアクティブ率を上げることができりようになる。実装された動画リワード広告は、従来通り、アドフリくんの管理画面上で配信アドネットワークの自動比率調整・レポートの一元管理が可能。

 

IABが米国プログラマティック取引市場に関する調査レポートを公表

米国IABが、プログラマティック取引に関する市場調査レポート「IAB Programmatic Revenue Report 2014 Results」を公表した(英語・PDFアイコンPDF)。2014年度における、米国のプログラマティック取引市場規模は101億ドルで、米国デジタル広告市場の約20%を占めるとのこと。プログラマティック取引における収益は、全体の55%がアドテクによるもので、パブリッシャーの45%よりも高い収益を出している。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。