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「整備されたデータの上で、マーケターはどう考えるのか」、オプト主催マーケティングのための顧客データ活用セミナー

 
 

7月3日、都内にて、インターネット広告代理店オプト主催の「マーケティングのための顧客データ活用セミナー」が開催された。

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冒頭の挨拶を行ったオプトの掛谷章往執行役員によると、スマートフォンやSNSの普及を受けて、ユーザーが様々な情報に常時接触できるようになった結果、ユーザーID、Cookie、SDKなどを通じて企業はユーザーと24時間にわたりつながりを持つことができるようになった。一方で、大量に発生するデータを扱いきれないという課題に直面している企業も多い。掛谷氏は、この問題を解決するには、適切なサイズにするようデータの整理を行う「モジュール化」と、適切な人材の育成が鍵になると主張。また誰も取り組んだことのないことを実行していくためにはデータマーケティングには「計画と勇気が必要」とも述べた。

続いて、同社マーケティングマネジメント部にて実務を行っている3名より実際の経験に基づいた設計に必要な流れ、各フェーズにおける落とし穴と、注意すべき事柄を①プロジェクトマネジメント、②データベース設計、③分析/PDCA、の3つに分けて説明がなされた。プロジェクトマネジメントを行う浅野佑実氏は、「新たな天然資源」であるデータをマーケティングに活用する手段の一つとして、DMPやMAの利用法を紹介した。一方で、データベース活用のコンサルティングを行う木戸大祐氏は、日付データの切り分けやRFM分析のための計算処理など、データをMAに持たせる前に別途データ処理が必要になる場合があると指摘。DMPやMAの利用に際しては、①できること・できないことを明確にする、②優先順位をつけ、実現できるものを選ぶ、③その上で、導入をゴールとせず、活用する仕組みまで事前に整えることが必要になる、と述べた。加えてデータ分析/PDCAを担う吉川大揮氏は、データマーケティングに本格的に取り組もうとすると、課題ばかりが山積みとなり、PDCAが回らないという状況に陥りかねないと指摘。「課題抽出を高速で行う」一方で、「課題の対策構築のための分析」には時間をかけるべき、またそのための体制構築が重要と伝えた。

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兵庫県立大学経営学部の川上昌直教授は、一定の費用を投じて「お客を喜ばせる」という行為と「利益を出す」ことをいかに両立させるか、という企業の普遍的な課題に注目。伸び悩む企業は、自社製品の販売が顧客の課題解決に結びついていない場合が多いのではないかとの推測を述べた上で、顧客属性やIDの管理を通じて顧客行動を把握することで新たな課金ポイントを発見できる可能性があるとの期待を示した。

最後には、マーケティングマネジメント部マネイジングディレクターの伴大二郎氏の司会の下で、オイシックスドット大地の奥谷孝司氏、リクルートホールディングス/リクルートライフスタイルの渡部純子氏、ニフティの永井智氏の第一線で自社データをマーケティングへ活用をしている企業担当者3名がパネルディスカッションに参加。「データに頼りすぎたアルゴリズムを作成すると、売上が下がるケースがある」「データには表れていない顧客のインサイトを反映するようなアルゴリズムを人間がきちんと考える」「データをただ押し付けるのではなく、販売店スタッフが参考になると思えるような伝え方でデータを提供する」などの点を踏まえた上で、①データマーケティングがオートメーション化されていく環境の中では、右脳と左脳のバランスが重要、②データと向き合うことももちろん大切だが、仮説や顧客視点からのアプローチを忘れてはならない、③右脳からのアプローチにこそ人の介在ポイントや価値がある、といった趣旨の発言が多く聞かれた。

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長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。