デジタル時代のブランド戦略は「自分ゴト化」が鍵に-オプト主催ブランディングセミナー

 
 

10月4日、都内にて、インターネット広告代理店オプト主催の「デジタル時代のブランディング」をテーマとしたセミナーが開催された。本セミナーには定員を大きく超える約180名が参加した。

同社の執行役員を務める中野宜幸氏によると、とりわけ若年層へのテレビCMの影響力が弱まる一方で、ソーシャルメディアの普及などを一因とする「情報洪水」(生活者が全ての情報を受け取りきれない状況)を受けて、各企業はデジタル時代に則したブランディング施策の見直しを迫られている。

この「情報洪水」について、同社ブランドコミュニケーションストラテジストの鈴木智之氏は、「企業が伝えたい情報が届きにくくなった」一方で、生活者の観点から見れば「本当に欲しい情報を見つけられるようになった」という前向きな側面もあると指摘。つまり、生活者に価値を感じてもらえるような情報を発信さえすれば、生活者の方から企業やその商品・サービスを見つけてもらえるような時代であり、企業側には適切な情報提供とチャネル設計を主軸に据えたブランド戦略が必須となるとの見解を述べた。

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キリン株式会社デジタルマーケティング部部長の渡辺尚武氏は、ブランド戦略に関する一番の大きな変化は、かつてはテレビCMを大々的に打つと同時に店頭に商品を並べ、その後に結果をまとめて振り返るという形式が一般的であったのとは対照的に、デジタル時代では異なる購買ファネルに属する消費者に対してそれぞれ細かな施策を講じる必要が出てきたことであると説明。その分だけ試行錯誤する余地も増えていると話した。またデジタル施策においては、効果測定がより容易に行えるようになったと評価。一例として、ビール工場見学ツアーに参加した消費者が実際にその後自社ビールの売上にどれだけ貢献しているかといった因果関係が解明できるようになってきていると述べた。

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資生堂ジャパン株式会社コミュニケーション統括部長の小出誠氏は、ブランド戦略に利用するメディアがここ数年で大きく変化したと振り返った。美容関連情報のポータルサイトでは「@cosme(アットコスメ)」が圧倒的な影響力を持っていたが、ここ数年「MERY」を始めとするキュレーションメディア、そして今ではInstagramに代表されるSNSが台頭。また企業発のメッセージ訴求に加えて、広告色を排除したコミュニケーションが求められるようになっていることを受けて、インフルエンサーの起用や商品機能をストーリー設定に組み込んだ動画制作などの取り組みを取り上げた。

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オプト ブランド戦略部部長の岩井諒介氏は、本セミナーの登壇者がそろって言及した、ブランド戦略における「自分ゴト化」の重要性を改めて強調。その上で、プラットフォームを横断した広告のフリークエンシー設定を可能にする統合配信や、ミレニアル世代向けの動画メディア「McGuffin」、天気や花粉飛散量といった外部データを基にしたクリエイティブ生成といった事例やソリューションを紹介した。

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長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。