×

2017年の動画広告市場は前年比6割強増の1,374億円、YouTube中心の市場構造から変化

サイバーエージェント オンラインビデオ総研は、動画広告市場調査結果を11月15日に公表した

Facebookをはじめとする大手SNSで提供されるインフィードフォーマットなどの広告売上が大きく伸び、動画広告市場全体で広告フォーマットのアウトストリーム化が進展。一方でインストリーム広告の比率が初めて過半数を割り込むことになり、過去YouTube中心の市場といわれてきた市場構造の変化が見て取れる。

 

調査はデジタルインファクトと共同で実施。2017年の動画広告市場は前年比63%増と大きく成長し1,374億円、スマホ比率は8割に達する。スマホ中心のFacebook、Twitter、LINEなど大手SNSの動画広告売上が大きく伸びていることや、直近で月間約10億円前後の需要とも言われている動画リワードなどのスマホ向け広告需要の大きな伸びが、市場全体のスマホシフトを加速させている。

動画広告市場規模推計・予測<デバイス別>(2016年-2023年)

また様々な媒体による広告商品の多様化とともに、市場全体でアウトストリーム広告(非インストリーム広告)が大きく伸びた。相対的に2014年時点では全体の81%を占めていたインストリーム広告比率は2017年に初めて過半数を割り込み、全体の43%にまで低下する。
このインストリーム広告需要はYouTubeが極めて大きいが、動画広告市場全体の成長とともに、かつて “インストリーム広告=YouTube” 中心といわれていた動画広告市場の構造は、ここ数年で数値上大きく変わった。

もっとも大手ブランド広告主などがテレビCMとの連動で展開する動画広告のキャンペーンで選ばれる媒体として、YouTubeは他媒体を圧倒している。市場においては引き続き不動の地位を占めている。

動画広告市場規模推計・予測<広告商品別>(2016年-2023年)

動画広告市場は今後も成長を続け2023年には3,485億円、2017年の約2.5倍に達する。アウトストリーム化は今後も進み、同年にはインストリーム広告とインフィード広告の売上規模はほぼ同水準になるとのことだ。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。