アプリのアドフラウド対策ツールと第三者機関の存在意義とは-Adjustが最新動向を報告


モバイルアプリのアトリビューション計測を行うAdjustが6月1日、都内でモバイル広告の不正についての最新調査に関する発表会見を行った。

佐々直紀カントリー・マネージャーによると、世界15都市に展開する同社の日本支社は400企業との取引があり、国内市場の占有率は5割前後と推定されるという。

この発表会見に合わせて来日した共同創設者でもあるポール・ミューラーCTOは、日本のユーザーによるスマートフォンの使用時間は1日当たり106分と世界最長であるにも関わらず、とりわけEコマース領域におけるウェブからアプリへの移行が世界平均と比べて遅れていると説明。同領域が今後大きく成長する可能性があるとの見方を示した。

アドフラウドに関する状況については、昨年まで主流であったクリックスパム1 が相対的に減少し、SDKスプーフィング2 やクリック・インジェクション3 といったより高度な手口が増えていると報告した。近年ではアプリ広告配信プラットフォーム側でもアドフラウド対策ツールを提供しているが、広告を収入源とするプラットフォーム自身がアドフラウド対策を打ち出すのは「自分がやった宿題を採点するようなもの」との表現で、利益相反になりかねないと指摘。場合によっては、一部で「第三者提供のアドフラウド対策ツールの導入は不必要」であるとの印象を与える狙いが隠されているのではないかとの踏み込んだ見方を示した。

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また配信プラットフォーム側で取得できるのは、クリックやインプレッションといった広告配信に直接的に関わるデータのみである一方で、アトリビューション企業側ではその他の関連セッションも合わせて取得できるため、より正確な測定ができると主張。日本のように信頼ベースで商取引を行う市場においては、とりわけ第三者機関の必要性が増すとの考えを述べた。

1 広告IDをアトリビューション計測企業へ大量に送り続けることで、広告経由ではないオーガニック・ユーザーを広告経由でインストールしたと認識させる手法
2 正当なインストール手順を踏むことなく、正常なインストールを偽装する手法
3 インストール直後に不正クリック送信する手法。Androidで顕著

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長野 雅俊

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。