三大マスメディアのコンテンツマーケティング実践事例とは-オプト主催「ユーザーの心に届くコンテンツ最前線セミナー」

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11月28日、都内にて、インターネット広告代理店オプト主催のコンテンツマーケティングに関するセミナーが開催された。

オプト社の執行役員である石原靖士氏(上写真)によると、広告販売を本業としてきた同社においても、非広告案件が増えており、中でもコンテンツマーケティングは年間450%と急増。SNSアカウントやオウンドメディアの運営支援、または知的財産(IP)を活用したタイアップ企画などが増えてきているという。

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YOMIURI BRAND STUDIOのチーフ・プロデューサーを務める池上吉典氏は、「ブランドスタジオ」の歴史について解説した。2013年前後より、米ニューヨーク・タイムズ紙、英ガーディアン紙といった大手新聞社が次々とブランドスタジオと呼ばれるコンテンツマーケティング機能提供機関を創設。

その背景には、オウンドメディアの増加に伴うコンテンツ制作需要の拡大、さらにはフェイクニュースの拡散やブランド毀損への懸念を受けての信頼性のあるコンテンツへの需要の高まりがあるという。そこで圧倒的なコンテンツ制作力を擁し、信頼性に優れた新聞社がコンテンツ制作機能をマーケティング目的に事業化。豊富な取材経験を持つ経済部記者などを配備することで、商品やサービスの機能の特徴だけでなく、社会的背景を踏まえた解説記事を制作できることを強みとしている。

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講談社ライツ・メディアビジネス局局次長兼メディアビジネス部部長の長崎亘宏氏は雑誌業界におけるコンテンツマーケティングを軸とした事業変革を説明。2010年以降の5年間で同社の雑誌広告収入は半減する一方で、雑誌・書籍のデジタル配信やキャラクターのライセンス事業を含むコンテンツ関連収入は3倍以上も伸長したという。この流れを受けて、同社では商業プロモーションに利用可能な講談社の人気漫画のキャラクターを検索できるコンテンツの案内サービスを開始。精緻な効果測定機能とタイアップ広告制作サービスなどと組み合わせることでメディア事業の拡大を図っている。

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フジテレビが運営する「FNN.jpプライムオンライン」のチーフビジョナリストである清水俊宏氏は、テレビ局の報道部門が試行錯誤を繰り返したインターネット配信の歴史の一端を紹介。同社では当初、ウェブ上にテレビの二次利用ニュースコンテンツを次々と投入していただけで、ユーザーの関心を集めるには至らなかったという。その後ライブ配信やVR配信といった独自の試みを開始し、またユーザーのペルソナを踏まえたニュースコンテンツ制作を行うことで、今では月間で1036万ユーザーを集める媒体へと成長させた。

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同社編成局広報宣伝室コミュニケーションデザイン推進役の河合徹氏は、番組宣伝を目的としたメディア「Muscat(マスカット」の運営にまつわる苦労を語った。同サイトでは①プレスリリースの再利用記事、②事後的に番組内容を取り上げる記事となる「事後パブ」、③企画記事、を主としている。

②について、本来であれば番組宣伝は放送前に行うが、近年では番組内の発言をネット上でニュース記事化、その記事に興味を持ったユーザーが翌週以降の番組を視聴するというサイクルが確立された。そこで現在では、フジテレビ自身がネット上のニュース記事化に関する様々なノウハウを蓄積している最中であるという。

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オプトのビデオコンテンツ部部長の米谷昌登氏は、まずは不特定多数に接触し、その後関心を示した一部のユーザーを段階的にふるいにかけるように汲み上げていくという従来のファネル型のマーケティングの限界説が聞かれるようになったと説明。今後は早期段階で特定層との直接的な接点を持つことで良好な関係を醸成していくストロー型のマーケティングが強化されていく可能性があると述べた。またユーザーと良好な関係を醸成するためには「好きの掛け合わせ」が重要な要素になると解説。対象ユーザーが好きなタレントが、好きなジャンルについて語り、最終的にはそのタレントに広告商材そのものを気に入ってもらう、という構図を具現化したコンテンツが有効であると述べた。

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長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。