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2019年に注目する7つのトピックス

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明けましておめでとうございます。本年もExchangeWireJAPANをどうぞよろしくお願いいたします。

デジタル広告市場の変化は早く、注目すべきトピックスもめまぐるしく変わりますが、ExchangeWireJAPANは、以下7つのトピックスについて、2019年年間を通して注目してまいります。

 

 

アドテクノロジーの活用

アドテクノロジーは大きな進化を遂げた。2010年代初頭にはごく一部にしか知られていなかったDSP、SSP、アドエクスチェンジ、DMPといった言葉も、今は広く知られるようになった。国内でもアドテクノロジーに由来する企業が相次いで上場、社会的な認知も進んだ。現在でもプロダクトアップデートは日々行われており、素晴らしいプロダクトリリースもある。

アドテクノロジーの普及は広告流通の形を変え、そして業界構造も大きく変えた。広告流通の自動化は業界に高い生産性をもたらしたが、アドフラウドをはじめとする大きな課題ももたらした。

ExchangeWireJAPANは、新しいアドテクノロジーの機能やプロダクトの紹介にとどまらず、これまでに数多く登場したアドテクノロジーが、実際にどのように活用されているのか、あるいはそのことがどのようなトピックスや議論を生んだのかという視点で、この領域に注目し続ける。

 

デジタル広告の効果と指標

ブランドのデジタル広告利用が進み、クリックやコンバージョンでは測り切れない広告効果の見える化がより求められている。

テレビCMとデジタル広告との共通の広告効果の測定や指標作り、そしてその運用も始まっている。ソリューションベンダーによるこの領域での取り組みも進みつつある。また、大手広告会社によるブランド向けの新しい広告効果指標の提案も行われている。

データドリブンなマーケティングの進歩は、近い将来オンラインとオフラインとを跨いでユーザーの認知から購買、そしてCRMまでを一気通貫で可視化できる環境も作りつつある。このような世界が実現したとき、ブランディング目的、ダイレクトレスポンス目的といった垣根は一気に取り払われてしまう。

ExchangeWireJAPANは、デジタル広告が近い将来広告市場をリードしていくための土台作りともいえる、デジタル広告の効果とそれを実証する測定方法や指標作りの最新動向に注目する。

 

インハウス運用のメリットとデメリット

広告主企業によるインハウス運用がグローバルでトレンドとなり、日本でも現在注目を集めている。

背景として思いつくことをいくつか挙げてみる。テクノロジーの進化により広告運用の自動化が進んだことや、Google、Facebookなどのシェア拡大で、広告主は限られた広告プラットフォームから幅広いユーザーリーチが出来るようになったこと。データドリブンな事業活動の重要性が高まる中で、広告主企業はデータを含めたノウハウや人材を社内にストックしていくことが必要であるという認識が高まってきたことなどがありそうだ。あと、代理店マージンカットによるコスト削減の実現への期待の高まりも忘れてはならない。

だが、インハウス化にはメリットと同時にデメリットもあるといわれている。一部をインハウス化する例もあれば、インハウス化をしたものの、後にそれを取りやめたという話も聞く。向き不向きもあるのであろう。

ExchangeWireJAPANは、インタビューやイベントなどでこのトピックスを多面的に追及する。

 

デジタルパブリッシャーのマネタイズとテクノロジー

スマートフォン、アプリ、動画の普及、大きなステイクホルダーであるGAFAのルールチェンジなど、その事業環境が大きく変化する中、広告モデル、サブスクリプションモデル、Eコマースなど、様々な手法を組み合わせて、デジタルパブリッシャーは収益の維持・拡大を図っている。

様々な切り口から、デジタルパブリッシャーが取り組むマネタイズの最新動向とこれを支えるテクノロジーに注目する。

 

O2O

位置情報を活用した広告などに代表されるO2Oマーケティング・広告領域は、2018年も大きな注目を集めた。来店計測の領域では相変わらずGoogleは圧倒的な先行者として君臨するも、一方で違うゲームも始まりつつある。

購買データと直接結びついたデジタル広告の効果測定の完成に向けて、各社が流通データの獲得に向かっている。そこでは、広告プラットフォームのみならず、広告会社などの業態を超えた動きがある。

折込広告の市場が縮小の途にある一方、O2Oマーケティング広告領域の成長は明らかである。だがこの領域では、まだ共通ルールが確立されきれておらず、公にされている事例もそう多くはない。ExchangeWireJAPANでは、引き続きこのマーケットの動向に注目する。

 

インフルエンサーマーケティング

ブログ、YouTube、Instagram、Twitter、そしてTikTokとチャネルの広がりがみられる一方で、広告主とインフルエンサーとをマッチングするテクノロジー領域での進化も見られつつある。

ステルスマーケティングの排除、ブランドセーフティの担保など、まだまだ課題も残された領域だが、その裏側には大きな潜在性がある。

インフルエンサーマーケティングにおけるインフルエンサーは、従来の広告プロダクトの構成要素においては、クリエイティブにあたる。ただし他と大きく異なるのが、クリエイティブが、ヒトそのものであるということ。

この点において他の広告商品とは特性が大きく異なるこの業界のエコシステムが、今どのような発展を遂げつつあるのかに注目する。

 

SMB・地域市場

デジタル広告市場の伸び白として注目されるSMB・地域のデジタル広告市場。以前は採算が合いにくく、大手企業も本格参入を躊躇してきた領域だが、テクノロジーの発展もあり近年再び注目を集めている。

ExchangeWireJAPANは、この領域を一つの大きなセグメントと位置付け、エコシステムの現状と今後の発展の行方を追う。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。