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デジタル広告の健全性と広告測定の重要性- 第1回:「デジタル広告の3課題と企業のリスクについて」-|WireColumn

 

今回から3回にわたって『デジタル広告の健全性と広告測定の重要性』をテーマにコラムを執筆させていただくCCIの安藤です。第1回目は、「デジタル広告の3課題と企業のリスク」についての記事となります。

 

 

デジタルの特性を活かして多様な広告手法が可能なデジタルメディアは、多くの広告主企業で活用されており、いまやNo.1メディアになりましたが、他のメディアには存在しなかった様々な課題が生じています。その主なものとして挙げられるのが、アドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティの「3課題」です。

 

 

出典:サイバー・コミュニケーションズ

 

これらの3課題は、2018年にWFA(世界広告主連盟)が発表した“Global Media Charter”、また2019年にJAA(日本アドバタイザーズ協会)が発表した「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」のそれぞれ8項目からなる原則の中の3項目としても挙げられており、デジタル広告の世界的な課題となっていると言えます。

では、広告主は、これらのデジタル広告の3課題にどうやって対処しているのでしょうか?その一つの方法が、アドベリフィケーションによる対策です。アドベリフィケーションで実現できることについては、次回詳述させていただきますが、アドベリフィケーションは、直訳すると「広告を検証すること」であり、広告主の課題感(前述の3課題)に即して広告価値を検証する仕組みやそのツールのことを指す用語です。

 

広告主は、アドベリフィケーションを活用することで、例えば、botによるインプレッションやクリックの比率、ブランドにとって不適切であったインプレッションの比率、ビューアビリティを測定することが可能になります。

そのため海外では、広告価値の棄損を避けたい多くの広告主は、DSPなどのデジタル広告に出稿する際には、何らかのアドベリフィケーションツールを利用することでbotへの広告配信リスクを減らしたり、ヘイトやアダルトなどの不適切なサイトへの広告配信を防ぐなど、リスク対策も同時に実施する活動が普及しています。

一方で、日本のアドベリフィケーション企業であるMomentum社がこの程発表した「アドベリフィケーションに対する意識調査」によると、アドベリフィケーションという用語の認知率は広告主で50.8%、広告代理店で36.6%ととても低い結果となっていることからもうかがえる様に、国内では、まだ一部の広告主しかアドベリフィケーションを利用していないというのが実態と言えます。

2016年にはWFAがアドフラウドに関する最初のガイダンスを発表し、その翌年にはヘイトや過激思想の動画コンテンツへの広告出稿停止が相次ぐなど、ブランドセーフティが国内でもタイムラグなく大きな関心を集めました。しかし、その対応策となるアドベリフィケーションの国内普及は遅れているのが実情で、リアルタイムに3課題が進行していったのに対して、その対応は追い付いておらず、問題がそのままとり残されているというのが日本の現状と言えるのではないでしょうか。

 

では、このまま3課題への対策をしない場合、広告主企業は、どのようなリスクとなりうるのかを考えてみたいと思います。

まず、アドフラウドの側面では、広告効果がないところに広告費が流出してしまい、広告費の無駄打ちになるリスクが生じますが、それだけではなく、広告主が意図していないところで、アドフラウド行為を働いている悪意を持った事業者や個人、場合によって反社会的勢力らにその資金が渡ってしまう可能性があります。そういう面では、コンプライアンスリスクにも繋がりかねません。

次にブランドセーフティの側面で、ヘイトサイトなどにブランドの広告が掲出されてしまったというアクシデントを想定してみましょう。たまたまそのサイトを訪れたユーザーが、差別的なコンテンツの傍に出ているブランド広告を見ると、あたかもそのブランドがコンテンツを支持している様に見えてしまい、その結果、それまでに培ってきたブランドの価値を棄損してしまうことになるのです。更には、ユーザーがその情報をSNSなどで拡散すると多くのユーザーに誤解が広がり、広告主企業自体の評判を傷つけてしまうレピュテーションリスクに繋がる可能性もあると言えます。この様に3課題は企業リスクと直結していると言っても過言ではないと思われます。

 

 

出典:サイバー・コミュニケーションズ

 

今回は、「デジタル広告の3課題と企業のリスク」についてまとめましたが、デジタル広告の課題が、広告主のリスクに繋がっている事がご理解いただけたかと思います。次回は、このリスクをコントロールするための手段であるアドベリフィケーション活用の方法論を中心にご紹介させていただきます。

 

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ABOUT 安藤 茂宏

安藤 茂宏

株式会社サイバー・コミュニケーションズ
データ・ソリューション・ディビジョン エグゼクティブスタッフ
2002年にCCIに入社後、営業担当、優良媒体限定のアドネットワーク「ADJUST」の商品開発・営業責任者を経て、媒体社のプログラマティック領域での収益化サービス「IPM」を立上げ、その責任者となる。その後、PMP、アドベリフィケーションなどデマンド&サプライ双方のプログラマティック関連部署の責任者となり、2020年より現職。現在は、企業のデジタル広告の安全性を総合的にサポートしていくサービスブランド、『SAFE for Quality Ads』を立上げ、その責任者として活動中。JIAAデジタルプラットフォーム委員会委員。