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InMobiが語る、日本のモバイルアプリ広告市場における商機と勝機[インタビュー]

 

長くデジタル広告業界に関わる方であれば恐らく誰もが知るであろう、モバイル広告プラットフォームのInMobi。昨年から日本をアジアの重点市場に据え、日本市場への投資を強化している。

新たに日本のカントリーヘッドに就任した井料武志(いりょう たけし)氏にお話を伺った。

聞き手:ExchangeWire JAPAN 野下 智之

(Sponsored & Organized by TrainTracks)

日本市場への投資を強化した背景

―改めて自己紹介をお願いいたします

私は2020年11月にInMobiにジョインし、現在は日本における事業責任者を務めています。

デジタル広告業界では21年ほどのキャリアがあります。2000年にAll Aboutのスタートアップに参画し、IPOを経験しました。また楽天では国際広告部長として、シンガポールで広告ビジネスの立ち上げにも携わりました。その後日本に戻り、Appier日本法人、Mobvista日本法人の設立と事業責任者を経験しました。

 

―InMobiについて聞かせください。

InMobiは2007年にインドのバンガロールで創業しました。本社はシンガポールで、20か国に拠点展開し、1,200名以上のスタッフが勤務しています。日本とは、以前からつながりが深く、大株主にはソフトバンクの存在があり、2010年には日本市場への進出を果たしています。

 

―貴社を取り巻く競合環境及び、その中での貴社のユニークポイントについてお答えください。大手広告プラットフォームとはどのように競争されているのでしょうか?

InMobiの主力プロダクトはアプリSSPの「InMobi Exchange」です。「InMobi Exchange」は、成長著しく、競合サービスと比較して数々の優位点を持ちます。まず広告在庫のリーチが20億人に達し、アプリSSPとして世界最大規模の広告在庫を有していることが強みとして挙げられます。既に日本にも専属チームがあり、日本独自の在庫量も相当規模に増えてきています。次に、InMobiは世界中でビジネスを展開していますので、海外の多くの広告主が日本に対して広告の配信希望があり、また日本のパブリッシャーが海外に進出されたい場合、そのサポートも行っております。創業の地であるバンガロールには、多くの優秀なエンジニアを擁しており、これまで長くこの業界で仕事をしてきた私から見ても、質量ともに世界トップレベルにあるなと感じています。

 

 

グローバルプレイヤーが見出す日本市場の商機

―貴社が感じておられ得る日本市場の特徴や課題についてお答えください。どのようにこれらの課題に向き合っていかれますか?

まず日本市場は世界でもトップクラスの規模にあります。特徴としては日本独自のエコシステムのもとで動いており、パブリッシャーにしても、広告主にしても、DSPにしてもローカルでとても強いプレイヤーが存在します。ビジネスカルチャーも海外とはかなり異なっています。規模が大きくてユニークなカルチャー、エコシステムの下にあるという意味においては中国とよく似ているともいえるでしょう。

ローカライズの観点から、日本のビジネスカルチャーを尊重し、その国要望に合わせた適切な対応をしていくことはもちろんですが、一方、グローバル企業であることの強みを生かして、世界190か国に及ぶ豊富なキャンペーンや、エンジニアリソースなど、様々なグローバルリソースを活用していきたいと考えております。

 

―アプリ広告市場は成熟し、かつ競合過多になっているという議論もあります。日本におけるアプリ広告の市場規模やその成長性についてどのように思われていますか?

アプリの広告市場自体は引き続き伸びていると認識しています。統計上も市場規模は拡大していますし、広告代理店や主要なプレイヤーと話をしていても、コロナ禍でデジタル広告市場のWeb領域は不調気味だが、アプリ領域は拡大していると聞きます。

ゲーム、ECはもちろん、巣ごもり需要を追い風に、フードデリバリーや動画配信、教育などの新しい分野も大きく伸びています。広告に限らず、全体として、コロナ禍がかえってデジタルシフト、特にアプリへのシフトを促している面もあるように感じています。

 

 

InMobi Exchangeが持つ強みと優位性

―Apple社によるIDFAの問題は今最も大きな課題となっていますが、このような環境下で、マーケターに対してどのようなアドバイスが出来ますか?

今回のAppleの決定については、ユーザーのプライバシー保護を強化するという方針の中でなされたものですし、必要な流れであるとして支持しております。

その一方で、広告主、パブリッシャーが不利益を被らないように、しっかりとサポートしていきたいと考えています。

私たちの具体的な対応策の一つは、Liftoff、Fyber、Chartboost、Vungle、Singular、Adcolonyと「ポストIDFAアライアンス」を設立してグローバルプレイヤー同士で色々な情報交換を開始したことです。IDFAの活用が現実的に難しくなることに対して、各社共同でナレッジの交換をすることから始めて、今後色々な取り組みに発展していくことを想定しています。

アドフラウドについて、とくに広告主側が心配されているのは、今後iOSの計測が、取得情報の制約を受けるSKAdNetworkに移行してしまうことで、アドフラウド業者がコンバージョンを偽装しやすい環境になってしまうということです。在庫開示をしてもらえない広告商品だと、もはや、裏側で何が起きているのか、お客様が検証することはほぼできなくなってしまいます。

したがって、この問題の解決にあたっては、プログラマティック取引で、透明性が完全に確保された在庫を利用することが一番の解決策であると考えています。

「InMobi Exchange」は、当然、在庫の審査も厳格に行っておりますし、常時、安全確保に向けたパトロールを行っています。SKAdNetworkに計測が移行しても、引き続き、安心してiOSのプロモーションを行って頂くことが可能です。

 

―現在最も注力されている`InMobi Exchange`の特徴やアプリ内ヘッダービディングについてお聞かせ下さい。

「InMobi Exchange」は、世界最大級のアプリSSPとして、20億人のユーザーにリーチが可能、デイリーで120億回のオークションが行われており、3万以上のアプリに広告在庫を保有しています。あらゆるフォーマットに対応しており、Web、コネクテッドTVの分野にも進出を進めています。ヘッダービディングソリューションにもいち早く対応しており、Amazon TAMやIronSourceをはじめ、様々なグローバルプレイヤーのアプリSSP在庫をヘッダービディングで利用することが出来ます。

 

―今後日本でInMobi Exchangeの事業を拡大していくにあたり、まずは誰に対してどのようなアクションをしていこうとしていますか?

「InMobi Exchange」は、世界最大級のアプリSSPです。グローバルの主要なDSPとはほぼ接続を完了しております。日本市場においてこれから必要なこととしては、既に進行中ではありますが、日本のDSPとの接続をさらに進めていくことが挙げられます。

日本のDSPはWeb領域ではトップレベルにありますが、現実の問題として、アプリ領域においては世界から遅れをとっていました。しかしながら、今回、SKAdNetworkにiOSの計測が移行しますので、ここからゲームチェンジが起きる可能性があります。

SKAdNetworkでは、コンテキストターゲティングの技術が重要になりますが、これは既に日本のDSPがポストクッキーに向けてWeb領域で取り組んでいることですので、「InMobi Exchange」とのパートナーシップを通じて、Web領域だけでなく、アプリ領域の開拓にも一緒に挑戦して頂きたいと考えています。

また、日本のアプリパブリッシャーとの連携を進め、「InMobi Exchange」の日本独自の在庫量をもっと増やしていきたいと考えています。既に日本には専属のチームがあり、かなり在庫も増えているのですが、この流れを強力に推し進めていきます。お陰様で現在の手ごたえは、ものすごく良いです。そのポイントのうちの一つは、InMobiは世界的なトッププレイヤーですので、常に数多くのグローバルブランドのキャンペーンが走っています。日本のパブリッシャーの皆さまにもこの点を高く評価頂いております。

もう一つは、海外での収益機会を得やすいということです。日本のパブリッシャーが、好調な自社アプリを海外に展開したいということであれば、「InMobi Exchange」は、その世界進出をサポートさせて頂くことが可能です。これもグローバルプレイヤーであるInMobiの強みです。日本と海外の市場をつなぐという点において、私たちは優位性があると考えています。

実際、これまでも複数のゲームパブリッシャーの海外展開のサポートをお手伝いさせて頂いていますし、これからも、世界に挑戦したいという日本のパブリッシャーの皆さまのお役に、ぜひ立っていきたいです。

 

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ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。