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クッキーレス時代への移行、 Googleのアップデートで どんなことが変わるでしょうか

 

Googleは今週、Chromeブラウザ環境内での3rd party cookie廃止を延期すると発表しました。当初は2022年内の実装が計画されていましたが、新たなスケジュールでは、2023年半ば頃に開始される予定です。

この発表はデジタルメディア業界に新たな展開をもたらしましたが、Googleの発表は実際に何を意味し、今後何が起こるのでしょうか。発表内容をきちんと理解し、今後に備えましょう。

 

Understanding Google’s announcement
クッキーレス廃止に関するGoogleの最新のニュースとは

サードパーティークッキー廃止計画を延期する発表は他社でも見られますが、アドテックの巨人と呼ばれるGoogleの発表に関しては、そのスケールの大きさから業界が注目しています。2021年3月の時点で、世界中のブラウザ市場シェア約65%をGoogle Chromeが占めています。このようなGoogleによりテクノロジーのアップデートや変更はデータやターゲティングを扱う広告主、サイト運営者、テックプラットフォームなどあらゆる関係者に影響を与えます。

サードパーティークッキーの段階的廃止に向けてGoogleが生み出したソリューションが「FLoC」と呼ばれるプライバシーサンドボックスモデルです。彼らは今でもこれが最善の解決策であると信じていますが、このようなソリューションを大規模に実施するには、当初予想できなかった様々な課題が立ちはだかっているようです。

これは技術的な観点から見ても分かるように、現在、FLoCはごく少量のChromeトラフィック(<0.5%)にのみ展開されています。つまり、業界全体で動作モデルをテストすることができません。また、GDPRコンプライアンスに関する質問がいくつか提起されているほか、英国の競争規制当局は、この新しいソリューションがGoogleに独占的な優位性をもたらすのではないかという懸念を抱いており、このプロジェクトの監視を求めています。

Googleは、サードパーティクッキー廃止において生じる多くの課題を解決するためにさらなる時間を要すると述べています。広告の測定、適切な広告とコンテンツの配信、不正の検出などあらゆる問題に取り組んでいく必要があるとのことです。

 

Is this good news?
この延期は良いニュースでしょうか?

デジタル業界全体でまだ整合性がとれていないことを考えると、2020年以内にサードパーティークッキーを廃止し、代替ソリューションを置き換えるという計画は、誰しもが無謀に思ったことでしょう。

広告主は、デジタルマーケティングが果たすべき責任、パーソナライゼーション、正確さを依然として求めています。

パブリッシャーは、持続可能なビジネスモデルを維持するために、自社のコンテンツとオーディエンスが適切に評価されていることを確認する必要があります。

クッキーレスに代わるソリューションがUnique ID、プライバシーサンドボックス、予測オーディエンス、コンテキストターゲティング、またはファーストパーティーデータのいずれであっても、ユーザーのプライバシーに重点を置いたまま同様の効果を発揮できるソリューションを構築するには、業界全体がもっと時間を要することは明らかです。

最近、私たちが行なった調査では、このような大きな変化に対し特にパブリッシャーは混乱をしていることが分かりました。彼らは、新しいクッキーレス時代に情報提供することが出来なくなり、ビジネスに大きな影響を与える可能性があることを懸念していました。

そのため、Googleの延期発表は前向きに捉えることもできますが、決して気を緩めるわけにはいきません。この2、3年の間に充分に準備をしてきていても、今後やるべきことはまだ山ほどあるといえます。

これは長い道のりであり、目に見えない課題に備え、引き続き準備を行う必要があると私たちは考えています。

Googleの実装が遅れても、AppleがIDFAの利用を制限し(iOS 14.5)、IPの非推奨化(iOS 15)を予定していることから、プライバシーに準拠したデータソリューションが早急に必要です。実際、米国ではすでにトラフィックの50%以上がcookielessとなっています。

状況に合わせて、デジタルプライバシーの権利や保護に対する消費者の意識はますます高まっており、議論が活発になっています。

ビッグテックからの今後の発表に対処するため未来を見据えてクッキーレスに取り組んでいる企業は、持続可能なデータを活用しビジネスの収益化につながる、より良い準備ができているといえます。

 

What does it mean for advertisers and publishers?
広告主とパブリッシャーがするべきことは?

これまでと同様、準備を継続してください。

  • クッキーレス時代はすぐそこまで来ています。米国と英国ではWebトラフィックの50%以上がすでにクッキーレスです。
  • プライバシーコンプライアンスは、今後消費者が重要視する一番のテーマになります。Appleは9月に実施予定としているIPアドレスの撤廃を加速させており、これは今後Safari上でクッキーレスソリューションが実際に必要になるということを示しています
    これにより、Fingerprint(指紋認証)を戦略的に活用するアドテクプレーヤーはこれを使えなくなることになります。
  • クッキーレス移行への準備には膨大な時間がかかります。できるだけ早く取りかかることが成功の秘訣です。

 

Teadsは引き続き、どの立場にあっても一つのクッキーレスソリューションに依存しないことを推奨します。一社のソリューションプロバイダーまたは一つのアプローチに依存するということは、新しい規制またはポリシーの変更によって左右され、結果ビジネスに大きな影響を与える可能性があることを意味します。

プライバシーを重視したアプローチを組み合わせることで、デジタル広告業界の進化に合わせて機敏に対応することができます。

広告主とパブリッシャーを対象としたTeadsのCookieless 準備プログラムでは、ユーザーのプライバシーを損なうことなく、クッキーベースのソリューションと同等の効果を持つ持続可能なソリューションとは何かを細かく説明しています。

  • コンテンツ消費に関する当社保有データをもとにした分析と予測モデルにより、特定のIDを使うことなく、正確なオーディエンスプロファイリングが可能になります。
  • Teadsの予測オーディエンスは、IDを使わず、オーディエンスターゲティングと同様の精度と効果をもたらします。
  • コンテキスト(文脈)ターゲティングを利用し、高いキャンペーン効果を実現します。
  • ファーストパーティーデータの統合と実装を行うデータ戦略を行います。
  • 独自のプランニング、分析、測定ツールを活用し、匿名のトラフィックでも一定のスケールで実装可能にします。

 

What happens next?
次は何が起こるでしょうか?

実際のところ、今回のGoogleの発表は、デジタルメディア業界にとって何も変わらないはずです。これまでのスケジュールでは、多くの企業が、クッキーレスの世界が現実のものとなる前に、クッキーレスソリューションを確立できたかというと、そうではないと考えられます。

ここからも、可能性のあるクッキーレスソリューションを組み合わせ、繰り返しテストを行い、確実なクッキーレスソリューションを見出すことに集中してください。

  • Safariなど既存のクッキーレス環境のユーザーを含め、すべてのユーザーと信頼関係を築く機会が、今まさにあるといえます。
  • クッキーレス時代へ向けて戦略を立て、完全にクッキーがなくなる前に対策を備えてください。

 

Cookieless 準備プログラムへの参加をご希望される方、TeadsがCookieless時代への移行をどのようにサポートできるかのご質問は、当社のCookielessハブにアクセスください。

Cookielessの知識Quizなどでの学習も可能です。

Cookieless Hub: https://academy.teads.com/cookieless-world/jp/

 

執筆者:Remi Cackel, Chief Data Officer, Teads

(Teads、チーフデータオフィサー、Remi Cackel レミ・カッケル)

出典:https://www.teads.com/google-updates-its-cookieless-timelines/

 

ABOUT レミ カッケル

レミ カッケル

Teads
Chief Data Officer

自称データオタク。フランスで技術者の学位を取得後、航空業界(Amadeus社)のデータ開発部門でプロダクトリードとして従事。
現在、Teadsのチーフデータオフィサーとして、データソリューション・DMPを統括。デジタルエコシステムに関する豊富な知識をもとにデータインフラストラクチャをゼロから構築。