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ビューアビリティ向上で媒体社の収益化と事業成長を支援-Browsiとfluctが戦略的パートナーシップを提携[インタビュー]

ビューアビリティに基づく広告枠最適化技術を展開するBrowsiが、fluct社と戦略的パートナーシップを提携した。「広告枠最適化」という新たな概念は日本市場に今後どこまで浸透していくのか。媒体社が普段どのような課題に直面しているかを含めて、fluct社に話を聞いた。(Sponsored by Browsi)

 

圧倒的にユニークな技術

 

―自己紹介をお願いします。

 

株式会社fluctで、媒体社様向けのプロダクト開発のプロダクトマネージャーをしています由利健悟と申します。当社は2008年の創業以来、ウェブまたはアプリメディアの収益最大化に取り組んできました。SSP fluctの運営に加えて、Google認定パートナー(Google Certified Publishing Partner:GCPP)としてGoogle のAd Exchange(AdX)やAd Manager(GAM)の導入及び運用のお手伝いをしながら、媒体社の皆様への支援に努めています。

 

また2019年に親会社のVOYAGE GROUPと株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI)が合併したことで、CARTA COMMUNICATIONS(CCI、サイバー・コミュニケーションズより事業承継)のメディアレップ機能を含めた総合的なサービスを提供できるようになりました。

 

今秋からは、広告枠を自動最適化するBrowsiの日本国内における独占販売パートナーを務めています。

 

―具体的にはどのような活動をしているのですか。

 

当社のエンジニアがBrowsi用実装手順書の用意や広告タグの点検を含めた技術的なサポートを、またコンサルティング担当が効果測定やレポーティングを行います。

 

またBrowsi本社とは同社提携先のglobalive社を含めて毎日のようにslackやビデオ通話を通じて開発及び運用の両面で情報交換や打ち合わせを行っているので、トラブルシューティングの対応体制も完備できています。

 

―Browsi社との提携に至るまでの経緯をお聞かせください。

 

Browsiは広告枠を自動最適化することでビューアビリティつまり広告の視認率を改善するツールなのですが、「AIを使ってユーザーごとにビューアビリティを向上させる」というのは世界にも類を見ない希少な仕組みです。初めてその存在を知った際には「そんなものがあるのか」と正直驚きました。圧倒的にユニークであり、またそれだけ難しい技術なのだと思います。

 

また先に申し上げた通り、GCPPとしてアジア最大級の実績を持つ当社では、日本国内の媒体社様にGAMを提供している立場にございます。そしてBrowsiは、GAMで配信したAdX及びヘッダービディングの収益化に大きく貢献する技術です。つまり媒体社様の収益化に寄与し、かつ当社の既存事業と非常に親和性が高いと判断しました。

 

ファーストビューはビューアビリティが意外と低い

 

―ビューアビリティの向上は、媒体社にとってどのような意味を持つのでしょうか。

 

当社は以前から収益性の高い広告枠とそうでない枠の違いなどに関する分析を続けてまいりました。様々な要素がありますが、一つ共通して言えるのは、ビューアビリティの高い広告枠は押しなべてCPMが高い傾向にあるいうことです。

 

そして媒体社様の多くが、収益性の低い枠つまりはビューアビリティの低い枠をどうするかという点について悩みを抱えています。とりわけ記事コンテンツなどスクロールを必要とするページでは、どうしても広告枠ごとのビューアビリティに差が出てしまいます。媒体社様にとってはいつかどうにかしたいのだけれど、なかなか手が回らない課題の一つです。

 

―ビューアビリティの高い広告枠とはどのようなものですか。

 

やはり記事中や記事を読み終わった直後に表示される広告はビューアビリティが高いです。逆に記事の上つまりはスマホのファーストビューに相当する位置は意外とビューアビリティが低い傾向にあります。ユーザーが広告をロードしている間に記事のタイトルだけを一目見てすぐに本文に向かってスクロールしてしまうので、しっかりと目に入らないという事態が起こり得るからです。

 

こうした傾向をBrowsiが学習し、例えばファーストビューを読み飛ばすユーザーに対しては記事上には広告をそもそも表示せず、代わって記事下や記事中に広告枠を配置するといった対応を行います。

 

―Browsi導入によって、ビューアビリティはどれほど高まるのでしょうか。

 

実際にBrowsiを導入したメディア様で検証を行ったところ、ビューアビリティが30%以下の枠は50%台にまで高まり、AdXのCPMが合わせて140%高まりました。ページRPM(Revenue Per Mille, RPM)という1PV当たりの単価が160%上がった事例もあります。

Browsiを導入したメディアにおける実績の一例(導入期間:約1カ月)

 

またビューアビリティだけでなく、ページの読み込みスピードが5~10 %単位で向上する場合もあるなど副次的な効果も確認できています。

 

三方良しの技術

 

―例えば視認性の高い記事中に広告を配置することで、ユーザーの離脱を招きやすいなどの問題はないのでしょうか。

 

既に申し上げた通り、BrowsiはAIを使ってユーザーごとの閲覧行動を予測する機能なので、ユーザーが嫌がるような広告配置を積極的に行うことはしません。実際にページ滞在時間や再訪率といったユーザーのエンゲージメントに関連した数値に変化は見られませんでした。

 

媒体社は収益を最大化、広告主は広告効果を最大化、ユーザーにとっては広告体験の最適化になるという意味で三方良しの技術だと思います。

 

ただし、記事中に広告を配置することについてコンテンツ編集チームの方々の理解が得にくいという場合はあり得るとは思います。当社としては、広告収益だけでなくユーザーのエンゲージメントに関する数値を引き続ききちんと計測かつ共有していくことで、懸念を払拭していきたいと考えています。

 

―その他にこの新技術に関する課題はありますか。

 

効果計測において「1PV当たりの単価」という指標に慣れていただくことが挙げられます。一般的に媒体社様はGAMを通じてヘッダービディング、AdX、サードパーティーのSSP、そしてオープンビディングといった4つの異なる配信経路に広告配信し、配信経路ごとに広告表示回数と広告収益を計測した上でCPMを算出しています。ところが、Browsiを実装することで最適化が働き、広告枠そのものの表示回数が変わると、配信経路ごとのCPM評価が難しくなります。

 

だからこそ、配信経路ごとのCPM評価ではなく、1PVあたりの広告枠の単価を評価軸として効果検証することになります。ただこれまで広告枠ごとのCPM比較に慣れてきた媒体社様にとっては直感的には理解しづらいかもしれません。この点に関しても分析、レポーティングも含め我々からサポートさせていただきます。

 

―実装にかかる負担はどれほどあるのでしょうか。

 

実装パターンは主に二つあり、一つは当社からBrowsiのタグを媒体社様に提供する方法です。広告タグを編集する必要があるのでやや手間がかかるのですが、当社がそのスクリプトをご用意するなどの支援を提供しています。多くの媒体社様が1ページ当たり5~6枠の広告枠を用意していることが多いと思いますが、このパターンではまずは1枠分のA/Bテストを行い、効果を確認でき次第、全枠へと適用拡大していくという場合が多いです。

 

もう一つは、Browsiとシステム連携した当社のヘッダービディングラッパーソリューションである「BID STRAP」を導入していただくという方法。ヘッダービディングラッパーのタグを一度実装さえすれば、後はいつでも自由にBrowsiの機能の有効化ができますので、始めから全枠に適用された状態をすぐに実現できます。導入に伴う作業を大きく軽減できる方法として推奨しております。いずれのパターンであっても、当社から実装面のエンジニアサポートを提供しますので安心して導入を検討してもらえればと思います。

 

―今後の展開についてお聞かせください。

 

既に日刊現代様、ミクシィ様といった月間1000万PVを超える大手媒体社様を中心に10媒体ほどに導入いただいています。来年には導入社数を数倍規模まで拡大していく予定です。

 

また今後はfluct SSPと連携した取り組みを合わせて進めていきます。例えばBrowsiは広告枠のビューアビリティを上げるだけでなく、ビューアビリティの高い広告枠情報をビッダーに受け渡すことができます。この機能を生かして、ビューアビリティが高い広告在庫だけを揃えたPMPの開発を目指します。

 

こうした一連の施策を通じて、媒体社様の収益最大化だけに留まらず、事業成長を支援してきたいと考えています。

 

Browsiについて

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ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。