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動画広告視聴とオンラインショッピング行動をいかに紐づけるか―Criteoが記者説明会を実施

コマースメディアプラットフォームを提供するCriteoの日本法人となるCRITEO株式会社は12月9日、動画とコネクテッドTVの利用状況に関するオンライン上の記者説明会を開催した。

 

同社は、日本の消費者男女合計1,015人を対象に、動画配信サービスの視聴傾向とコネクテッドTVの利用状況に関する調査を実施。この調査結果について、同社パートナーシップ戦略責任者の池田智幸氏が解説した。

 

同調査では、各種動画配信サービスの利用傾向と共に、これらプラットフォーム上に配信される動画広告の視聴傾向を分析。テキスト関連広告よりも動画広告が、またコンテンツ視聴を中断してしまうミッドロールよりも、プレロール広告が好まれることが改めて明らかになった。

資料提供:Criteo

 

また消費者の5人に2人が、動画広告を視聴後にPCやスマートフォン上での検索を通じて広告主のウェブサイトを訪問し、広告が扱った商品やサービスを購入したことがあると回答。動画広告は認知獲得や向上を目的とした施策に位置づけられることが多い中で、いわゆる獲得型のマーケティング施策への有効性も明らかになった。

資料提供:Criteo

 

さらに注目すべきは、日本では視聴者の大多数が、動画配信サービスへのアクセスにもオンラインショッピングにも同じメールアドレスを使用しているという点にある。例えば、PCやコネクテッドTVを用いてYouTube、Amazonプライム・ビデオ、ニコニコ動画といった異なる動画サービスを断続的に視聴したユーザーが、それぞれの動画プラットフォーム上で同一の動画広告を視聴した後に、今度はスマートフォンのユーザーとしてオンライン検索を経て広告主のウェブサイトへとたどり着き、広告で紹介されていた商品やサービスを購入したとする。

 

この場合、「YouTubeを視聴したユーザー」と「ニコニコ動画を視聴したユーザー」または「動画広告を視聴したユーザー」と「オンラインショッピングを行ったユーザー」がすべて同じ人物であるとは認識されない可能性がある。実際には同一人物であるにも関わらず、広告配信事業者側でその事実を把握できないのであれば、ターゲティングの精度や広告効果測定の正確性に悪影響を及ぼしかねない。

 

この課題について池田氏は、視聴者の大多数がいずれのオンラインサービスにおいても同じメールアドレスを使用している点を踏まえ、プライバシー保護されたハッシュ化済みのメールアドレスを使用することで、すべてのデバイスとチャネルを横断して動画の視聴とショッピング行動を結びつけることができるとの可能性を示唆。そのような目的でメールアドレスを安全かつ横断的に管理するための統合的な仕組みの構築には課題が残されているものの、少なくとも理論上は動画広告視聴とオンラインショッピング行動を紐づけるソリューションの開発は可能であるとの見解を示した。

資料提供:Criteo

 

 

 

 

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。