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MadTech Sketch:DOOHにおけるウーバーの可能性を検証する

キアラン・オケーンが業界の緊急課題を探り、その解決策を図説するExchangeWireの新シリーズ「MadTech Sketch」。今回はDOOHにおけるウーバーの可能性とそのアドテクスタックに焦点を当てる。

 

ウーバーは大規模な広告ビジネスを構築するという野望を抱いている。現在の広告売上もすでに1億ドル(約136億8400万円)超と伝えられているが、2024年までには10億ドル(約1368億4000万円)を達成するという壮大な計画を立てている。

 

この遠大な野心の概要は、2月に行われた投資家向け説明会の報告書(127~138ページ)に掲載されている。

 

ウーバーはこの急成長の(楽観的な)根拠として、月間1億1800万人に上るアクティブユーザーから得られる優良なファーストパーティデータを挙げている。ユーザーの日々の移動を把握しているため、広告バイヤーにユニークなデータポイントを提供できるというのだ。間違いなくアプリのモバイル広告は大きな成長を遂げているが、おそらくウーバーのスイートスポットはデジタル屋外広告(DOOH)だろう。

 

DOOHはしばらく前からデータ駆動型広告という特長を全面に押し出しているが、今はまだ確率論的データが中心になっている。ウーバーなら極めて粒度の細かいユーザーセグメントから、DOOHのウォールドガーデンを構築できる。

 

(投資家向け説明会の報告書によれば)現在、ウーバーは消費財やレストランのブランドをターゲットにしているが、他のタイプの広告主(旅行、金融、小売、エンターテインメント)にも大きな可能性を見いだしている。

 

ウーバーにとっての真の機会はローカル市場にあるかもしれない。中小バイヤーの需要をリアルタイムの意図や現在地とマッチングできるためだ。現在、DOOHはミッドテールからロングテール市場への訴求に苦労している。ウーバーが持つリアルタイムの位置情報があれば、そうした状況を変えるのはたやすいことだろう。

 

グーグル、フェイスブックなどの高額なウォールドガーデンから広告費を引き揚げたいと考えるバイヤーも増えているため、これはウーバーにとって大きなチャンスかもしれない。

 

ただし、DOOHのウォールドガーデンを構築するためには広告スタックが必要だ。1回目のMadTech Sketchでは、ウーバーのDOOHプラットフォームに必要な主要な構成要素を大まかに示している。問題は、ウーバーは提携するのか、買収するのか、それとも、自ら広告スタックを構築するのかということだ。

 

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本記事は、ExchangeWire.comに掲載された記事の中から日本の読者向けにCARTA HOLDINGSが翻訳・編集し、ご提供しています。

株式会社CARTA HOLDINGS
2019年にCCIとVOYAGE GROUPの経営統合により設立。インターネット広告領域において自社プラットフォームを中心に幅広く事業を展開。電通グループとの協業によりテレビCMのデジタル化など新しい領域にも積極的に事業領域を拡大している。