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アドネットワーク業界、宮益坂に集う[ニュース]

 

2023年1月12日 木曜日の夜、渋谷宮益坂のいたって平凡な、だが収容力はずば抜けた縦に長い居酒屋で、アドテク業界関係者が集まる大規模な宴が催された。

この宴を主催したのは「アドネットワークの会」。話は少し外れるが、一時はDSPやSSPといった新業態の勢いにも押されたこともあったであろうが、その名称を、例えば「RTBの会」などと変えることなくかたくなに受け継いできたことに、まずは敬意を表したい。

 

 

店内に入ると、すでに人があふれかえっている。そこに幹事の威勢のよい怒号。そして理由は不明だが、小学校の体育の時間に先生が吹いていたのと同じ笛の音が、紫煙の匂いと居酒屋独特の少しこってりとこもった空気を切り裂く。

 

 

だが、そんなことはお構いなしに、楽しそうに談笑をする5,6人ぐらいで人グループを形成する男女がそこかしこに集まって店内を埋め尽くし、楽しい時を過ごしている。

 

 

アドネットワークの会の開設は2012年。設立者の谷脇 良也氏は、

『10年目でついに参加者が100人を超えました。一時期は参加者4人なんてこともあったので感慨深いです。
アドネットワークの会は、マジメに情報交換するのもよし、ライバルの動向探るもよし、転職先を見つけるもよし、キズを舐め合うのもよし、ただただ飲むのもよし、出会いを求めるのもよし。次回開催の時はもっと多くの方に参加いただき、アドネットワーク業界を裏で支える存在になりたいです』

とコメント。

・・・・アドテク業界ではなく、アドネットワーク業界という言葉を選んだコメントに、思わず設立者の”粋”を感じるのは筆者だけであろうか。

 

 

また、同 池田 寛氏は、

『2012年11月に当時はパブリッシャーのマネタイズ担当だった谷脇氏が出入り業者を集め、「アドネットワークに関係する方々の会です。ご縁を大事にしてます。」という号令のもと発足させたこの会、気付けば丸10年。その言葉通り、参加者それぞれにご縁が生じて、競合が同僚になったり、人生の友を見つけたり、と趣旨を体現できていています。あと50年は続けようと思っています。』

とのことだ。

・・・・さすがに50年続けるのはどうだろうかと少し思ったが、それはまあいいだろう。

 

 

コロナ禍を経て、3年ぶりの開催となった今回は、120名近くのメンバーが一堂に会し、それぞれ旧交を温めた。幹事はメンバーがたくさん集まった感を醸し出したかったのだろうか、ひたすら集合写真を撮りたがっていたが、宮益坂に対してちょうど垂直に、縦に細長く突き出た店内では、さすがに難しかったようだ。

どうやら業界の同志たちによる熱い宴は何度か場所を変えながら、明け方まで続いた模様。日本のアドテク業界の熱量を感じた夜であった。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。