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CARTA HOLDINGSとunerryが「リテールメディアカオスマップ2024年版」を公開[ニュース]

株式会社CARTA HOLDINGSと株式会社unerryは、小売/広告/アドテクノロジーの各業界最前線に従事する主要24社とプロジェクトを組成し、主要プレイヤーの洗い出しやカテゴリー検討などの業界分析を重ねて作成した、「リテールメディアカオスマップ2024年版」を公開した。

 

 

 

■カオスマップ作成の背景

米国での発展をきっかけに、日本市場も急速に成長したリテールメディア(*1)は、CARTA HOLDINGS/デジタルインファクトの調査によると2024年には4,688億円、2027年には9,332億円に達する見込みだという。
市場の発展により、関連サービスを提供する企業が増加してきたが、その一方で、業界の構造や主要プレイヤーが不明瞭という課題もあった。
そこで、株式会社CARTA HOLDINGSと株式会社unerryは、メーカー・小売事業者がリテールメディアを健全に発展・利用する際の参考にできる「リテールメディアカオスマップ2024年版」を作成した。

このカオスマップをメーカー・事業者が参考にすることで、リテールメディア市場が、より一層活性化すると期待されている。

 

 

(*1)店舗を持つ小売事業者およびEC専業小売事業者が運営するメディア(Webサイト・モバイルアプリ・デジタルサイネージなど)、小売が保有するアセット(データ・コンテンツなど)を活用して配信される広告や購買者の調査・分析サービスの総称。

 

 

■「リテールメディアカオスマップ 2024年版」5つの特徴

株式会社CARTA HOLDINGSと株式会社unerryが作成したカオスマップは、広告主としてのメーカー(左側)、小売事業者(中央)、消費者(右側)に大別されている。小売事業者が自社だけでは実現できないリテールメディア機能を、多くの企業が支援することで、エコシステムが形成される。

上記の事象を基に、「リテールメディアカオスマップ 2024年版」では、リテールメディアの5つの特徴を紹介している。

 

1.小売大手のオウンドメディア整備が急速に進展
大手小売事業者はWebサイト・モバイルアプリ・デジタルサイネージ・公式SNS・ショッピングカートへの投資を強化し、顕著なユーザ基盤の拡大を実現した。その結果、消費者の購買接点に最も近いメディアとして活用が進んでいる。さらに、小売事業者横断で提供するデジタルサイネージ・広告ネットワーク事業者やリテールアプリ広告ネットワーク事業者が新たに誕生し、単体では利用者数が少ない小売事業者でもリテールメディアに参入できるようになった。このことにより、一定の市場規模が形成された。

 

2.総合サービスを提供する企業として広告会社・総合商社が台頭
メーカーは従来、マスメディアに多額の広告費を投じて来たが、効果の測定には課題があった。リテールメディアでは、デジタル広告技術の進化により、購買効果の計測が可能になり、投資対効果の最適化を行うことができるようになった。これにともない、広告費をリテールメディアへ配分する割合を増やすメーカーが増え、広告会社や総合商社が、リテールメディアを総合サービスとして提供する重要な役割を果たしている。

 

3.消費者データの利活用と効果計測を推進する企業の集約
リテールメディアは、小売事業者が消費者に提供する告知や商品販売時に生成されるデータを最大限に活用し、情報配信と効果測定を最適化する。広告効果を最大化するツールとして、POSデータ、レシート、店頭AIカメラ、位置情報/ビーコンなどが主に使用されている。これらはかつて多くのプレイヤーによって分散されていたが、現在では一部の企業に集約され、規模化とリテールメディアでの活用が進んでいる。

 

4.広告メディアとしてのテレビ・プラットフォーマーと決済・ポイント事業者の存在感
リテールメディアの広告配信においては、小売事業者のオウンドメディアに加え、テレビ、コネクテッドTV、プラットフォーマー(Google、ソーシャルメディア)、レシピ・チラシ・動画アプリ、クーポンアプリ、決済・クーポンプラットフォームが中心的な役割を担っている。特にテレビとプラットフォーマーが配信先として主流だが、決済・ポイントプラットフォームもリテールメディア施策においてポイント付与の訴求により重要性を増している。

 

5.完成度が高まったソリューションの多様化
小売事業者が自力で構築することが難しい機能については、データ整備企業(Google Cloudなど)、コンテンツ・クリエイティブ制作会社、顧客接点を提供するUX支援事業者(アプリ/LINE、サイネージ/カート、ネットスーパー含むEC)、効果計測事業者、配信事業者が支援を提供している。特にUX支援では、多くのスタートアップ企業や外資系企業が参入し、多様なソリューションを提供している。効果計測の事業者は数社に集約され、リテールメディアのインフラとしての利用が進んでいる。配信事業者は各小売事業者のオウンドメディアや広告メディアとの連携を進め、総合的な配信ソリューションを実現している。

 

 

【調査概要】
調査主体:株式会社CARTA HOLDINGS、株式会社unerry
調査時期:2024年1月から2024年4月
協力企業:株式会社アドインテ、株式会社CARTA HOLDINGS、CRITEO株式会社、株式会社サイバーエージェント、株式会社DearOne、株式会社デジクル、株式会社電通リテールマーケティング、株式会社エブリー、株式会社フェズ、株式会社fluct、グランドデザイン株式会社、株式会社博報堂、株式会社MADS、株式会社NTTドコモ、リテイルメディア株式会社、株式会社SalesPlus、株式会社トライアルカンパニー、株式会社unerry、株式会社10X、他小売事業者等5社

【カオスマップへの掲載基準】
小売事業者:売上上位からリテールメディアの取り組みが公開情報または直接確認できる事業者。売上上位ではないが、リテールメディアの先駆けや特筆すべき取り組みを行う企業も記載。
小売事業者以外:リテールメディアの取り組みが公開情報または直接確認できた主要事業者(リテールDXに留まらず、メーカー向けのメディア・サービスとしての活用が見込まれている企業が対象)。

 

「リテールメディアカオスマップ 2024年版」
問い合わせ先

株式会社CARTA HOLDINGS 広報担当
https://cartaholdings.co.jp/contact/?category=pr

株式会社unerry 広報 内山、柳田
information@unerry.co.jp

ABOUT 町田 貢輝

町田貢輝

ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学法学部法律学科卒業。編集プロダクション、出版社でエンタメ、健康、IT関連の雑誌と書籍の編集・進行管理に従事。2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。DX領域のメディア運営全般ならびに、調査研究を担当する。