可処分時間を起点に再設計-ニューステクノロジーが考える第三のリーチメディア構想[説明会レポート]
by on 2026年2月02日 in ニュース
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株式会社ニューステクノロジーは、東京・南青山にある同社オフィスにて事業戦略説明会を開催した。
「ニューステクノロジー事業戦略2026〜可処分時間を起点に再設計する、第三のリーチメディア構想〜」と題した本説明会では、三浦純揮 代表取締役がタクシーサイネージをはじめとした同社事業に基づき、広告主の抱える課題やニーズなど、現在の広告市場環境について語った。
「4マス」ではない、新しいメディアを創る
ニューステクノロジーはメディア事業を中心に事業展開をしている。いわゆる「4マス」ではなく、新しいメディアを創っていくことを一つの会社方針としている同社だが、その筆頭として挙げられるのが、タクシーサイネージ「GROWTH」である。
現在、都内を中心に約11,500台のタクシーの後部座席にタブレット型のサイネージを設置している。三浦氏は東京のタクシー市場について「会社経費で頻繁にタクシーを利用する人が多い」としながら「30代~50代の可処分所得が多い層や企業の意思決定層へリーチしやすい」ことを媒体のポイントとして取り上げた。2025年9月には初の海外進出として「GROWTH TAIWAN」を新たに開始 。台湾の大手広告代理店と合弁会社を組んで、既に3,000台規模のネットワークを構築している。
また、2021年から事業を開始した喫煙所サイネージ「BREAK」は、首都圏オフィスビルの喫煙所を中心に設置が拡大し、現在は428施設・530面に展開している。
「大手オフィスビルに狙いを定めて展開しているため、上場企業の社員に向けたリアルなアプローチも可能となっている」と三浦氏は成果を語り、「BREAK」が事業開始以降、過去最高益を更新する見込みであることを報告した。

隙間時間=可処分時間に変える
これらの事業展開に置いて、同社が強く意識しているのが「可処分時間」の存在である。
三浦氏は時代とともに可処分時間の定義が変化し「通勤・移動・休憩など日常的に発生する 『隙間時間』も可処分時間である」と再定義。
家事などを除き自由に使える時間(従来定義の可処分時間)だけではなく、タクシー移動や喫煙所の休憩も可処分時間の一つと捉えたうえで、次のように述べた。
「喫煙所の利用は1回6分程度だが、1日の仕事中に平均5回は行くとされており、そこでは計30分の可処分時間が生まれている。そこをメディアとして抑えたのが、喫煙所サイネージの『BREAK』である。また、我々のビジネスモデルは広告費で売上を立てているので、ターゲット属性が明確な場所・メディアになっていることは1つのポイントとして見ている」(三浦氏)

外資プラットフォームに対する「市場構造の優位性」
三浦氏は同社の強みとして、グローバルにデジタル広告で圧倒的優位性を誇っている企業が、容易に参入できない領域で事業を展開している点を強調した。
サイネージを置いているロケーション(場所)を所有している企業は、交通事業者やビルオーナーなどの日系企業が大半であり、事業形態・特性もロケーションによって異なるため、大手事業者が提供するシステム横断的な事業展開がしづらく、個別最適化が求められる。
そのうえで「我々のビジネスモデルはメディアを作るイニシャルの費用は一切いただかない」と三浦氏は前提を述べ、タクシーであれば、タブレット・通信のSIMカードおよび通信費・その他サイネージの配信の仕組みなどは全てニューステクノロジーが負担したうえで、広告収益の一部はロケーションオーナーに還元もしている。
ローカルに根差した運営を続けながら、ロケーションオーナーにとっては新たな収益源の確保や広告収益を元にしたサービス改善を続けることも可能となっているため、同社の競争優位性が高くなっているという。

「第三のリーチメディア」を創る
前年同期比で同社の売上が128.3%、総利益が143.6%に成長を続けていることを三浦氏は報告し、その背景として「デジタル中心の広告投資は一定の成果を上げたが、(広告主が)頭打ちを感じている」ことを課題の一つに挙げた。また、各企業が提供しているサービス自体も、多くの人に使ってもらうマス向けのサービスではなく、ビジネス層など特定セグメントのみを対象としたサービスが増えている。
これらの課題・ニーズに応えてきたことが同社の成長の背景として振り返りながら、三浦氏は最後に、テレビ・デジタルに次ぐ、「第三のリーチメディア構想」について話した。
「タクシーのGROWTH、喫煙所のBREAK、ニューステクノロジーのYouTubeチャンネル『McGuffin』を合わせると、計1,500万人規模の月間リーチを実現しており、ラジオや雑誌のリーチ規模は超えて来ている。市場としてデジタルが伸びているとは思うが、オフラインもまだまだ増やしがいがあるとは思っているので、可処分時間を軸に新規メディアを作ることは今後も継続しながら、既存メディアのリーチ基盤も継続的に拡張していきたい」(三浦氏)
ABOUT 柏 海
ExchangeWireJAPAN 副編集長
日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。



