プログラマティックDOOH取引の「ヘルシー化」がもたらす変革。アドエラとLIVE BOARDが実現する、信頼されるプラットフォームの条件【インタビュー後編】
by on 2026年2月27日 in ニュース

【前編(URL)】では、インプレッションベースのOOH広告取引の現状や、プログラマティック取引を活性化させていくための「ヘルシー化」などについて話を聞いた。後編では具体的な取引事例や、OOH広告市場の現状や今後の展望を掘り下げていく。
(Sponsored by LIVE BOARD)
純広告では接点の少なかった広告主層にもリーチ
―アドエラが現在もLIVE BOARDマーケットプレイスと連携を継続している理由、SSP導入に加えて、アドサーバも導入した理由について教えてください。
宮本氏:最大の理由は、新規案件の獲得へ継続的につながっている点にあります。これはアドサーバ導入についても同様で、取り扱える出稿の幅が広がったことが大きなメリットです。
売上連動型の手数料モデルを適用いただいているためリスクも小さく、自社商品においては最低出稿金額のハードル低下など、料金設定に柔軟性が生まれ、よりターゲットを明確にした商品設定ができるようになりました。その結果、全国規模の案件創出が期待できる 「DSP経由でのプログラマティック取引(SSP商流)」と、大阪エリアにおける多様なプロモーション需要に応えられる「自社主導のインプレッション販売(アドサーバ商流)」という形で、両チャネルの役割分担を明確にできたと考えています。
また、アドサーバ導入に際しては、LIVE BOARD様から多くのご支援をいただきました。操作方法や運用ポイントをまとめたマニュアルの提供をはじめ、導入プロセス全体をLIVE BOARD様に丁寧かつ迅速にサポートいただきました。現在も、何かあればすぐに相談できる体制をご用意いただいており、安心して運用できる環境が整っています。
―アドサーバを導入されてから、もうすぐ1年が経過しますが、実際にご利用いただく中で、活用のポイントや工夫された点、苦労された点、使いやすいと感じている点などがあれば教えていただけますか?
宮本氏:システムが直感的で操作しやすく、運用負荷を最小限に抑えるUI/UXになっている点は大きな魅力だと感じています。例えば、複数クリエイティブの期間内での出し分けや、曜日×時間帯の細かい設定も簡単に行えるため、純広告とは異なる商品設計や販売戦略につなげやすくなっています。
一方で、こうした柔軟な機能を最大限活かすためには、システム外での業務効率化も重要だと考えています。特に、流動的な在庫管理を媒体社側で担う必要があるため、商品仕様を複雑にしすぎると、受注可否の判断や純広告とのバランス判断などの負荷が増えかねませんので、販売機会を最大化するためにも、管理作業はできるだけシンプルに保つことに重きを置いています。
そこで当社では、システムから出力されるレポートを活用し、在庫把握・配信スケジュール管理・レポート作成・請求管理といった一連の業務を自動化できる仕組みを独自に構築しています。これにより、管理面の手間を抑えつつ、商品設計の自由度と運用効率の両立を実現しています。

宮本氏
SSP商流で海外の広告主からも評価
―SSP商流についてもお伺いします。近年ではプログラマティックDOOH(pDOOH)プラットフォーム事業への参入も増えてきましたが、LIVE BOARDでは国内外の多くのDSPと接続しています。稼働率向上や販路拡大につながった具体的な事例などお伺いできますか。
宮本氏:新しい商流としては、オムニチャネルDSPを介した配信や、日本国外のOut-in案件が年々増加している点が印象的です。2025年は万博イヤーでしたが、既存のお取引が無かった海外クライアントなど、これまでにない新規案件も獲得いただきました。
また当社としましては、常時連携枠を設定して在庫の安定供給を確保しつつ、販売状況に応じて提供枠数を調整するなど、広告主の機会損失を減らし、媒体としての稼働率/収益機会を最大化できるよう、純広告を管理・運用する部署とも調整のうえ、協力させていただいています。
アハメド氏: LIVE BOARDでは、エクスクルーシブパートナーであるPerion(旧Hivestack)と、LIVE BOARDのグローバルチームが連携し、アジア~北米~中東に至るまで幅広い、海外からのOut-in案件を手掛けてきました。その高いアクセス性と使いやすさにより、海外の広告主様からも高く評価されています。
日本は市場として注目されていながらも、物理的距離だけでなく言語の壁もあり、またOOH取引ともなれば、信用調査や支払条件や時期の確認など、契約・請求に進むためのやり取りも煩雑でした。
そこを現在は、複数のスクリーンを一括で配信できる柔軟さや、出稿からレポートまでのプロセスも「整備」され、海外の広告主からも“出しやすい媒体”として評価されるようになりました。
OOH広告が“運用型の選択肢”と再定義される市場へ
―DOOHのプログラマティック配信は今後どのように発展していくとお考えでしょうか。
宮本氏:pDOOHやSSPという仕組みは、インプレッションという共通言語を通じて、媒体の価値をより適切に評価される市場をつくる基盤だと思います。媒体社目線から見ても、純広告では苦戦をしていた枠であっても、別の視点から魅力や意味を持たせられるという意味で、非常にありがたい部分がございます。
アドサーバ活用の目線では、これまでの純広告のOOHに対して抱かれてきた「価格が高い」「効果が見えにくい」という印象を払拭し、プロモーション提案の新たなフックになる点に価値を感じています。
こうした動きがより広がれば、OOH広告は従来のマスメディア的な位置づけから、デジタル広告と同様に“運用型の選択肢”として再定義され、広告主様のチャネルミックスの中でもより戦略的に組み込まれる存在になると期待しています。
媒体社としての使命は、顧客がこうした価値を十分に享受できる環境を整え、コンバージョン指標の計測・把握も含めた、成功体験を最大化することにあると認識しており、その実現に向けた取り組みを引き続き進めています。
福永氏:近年、動画広告を中心としたインターネット広告費の拡大に伴い、デジタルメディアの存在感が急速に高まっています。この流れはOOH市場にも波及し、「OOHのデジタル化」、さらに「pDOOH」市場の拡大が一気に加速しています。
そのような変化の中で、私たちLIVE BOARDとアドエラ様との取り組みは、まさに業界の最前線に位置づけられ、リードをしていける部分だと考えていますが、宮本様に挙げていただいた通り、他媒体との連携やコンバージョンの課題を解決するため、今後の市場発展において重要になるのが、私たちが掲げる「ヘルシー化」です。
インベントリ(広告在庫)の安定供給やアドリクエストの高頻度化を進めることで、バイヤーが安心して買い付けできる、信頼性の高い取引環境を整えることができます。アドエラ様とは、引き続きこの「ヘルシー化」を共通のテーマとして推進し、pDOOH市場のさらなる健全な拡大をリードしていきたいと考えています。
アハメド氏:プログラマティック取引を広めていくには、クライアントにLIVE BOARDやpDOOHの魅力をしっかり伝えていくことが大切です。そのために、広告主様や広告代理店様、DSP事業者様とのリレーション構築を丁寧に行うのはもちろん、広告効果の可視化や新しい配信ロジックの開発など、営業力の強化を目指していきます。
こうした取り組みは「ヘルシー化」とも深く関わっています。バイヤーが安心してDOOHをプランニングに組み込めるよう、マーケットに対して広告在庫を安定的に供給し、1アドリクエスト1放映される環境を整えることで、バイヤー側が安心して広告配信を行うことができます。
その結果、プログラマティック取引が活性化し、媒体社様、バイヤー、そしてプラットフォームにとっても、健全で持続可能なpDOOH市場を実現できると考えています。
(写真左から)福永氏とアハメド氏
より透明性の高い指標整備や商品改善を進める
―改めて、今後の両者間でのパートナーシップや活動の展望について、一言ずついただければ幸いです。
宮本氏:今後も、SSP商流・アドサーバ商流・純広告という複数のチャネルを柔軟に活用しながら、広告主の皆さまの目的に応じた最適な提案ができるよう取り組んでいきたいと思います。特に、pDOOHの拡大により、OOH広告に求められる需要も変化しつつありますので、媒体社としても、より透明性の高い指標整備や商品改善を進め、市場の発展に貢献していきたいと思っています。
LIVE BOARD様とはこれまでも多くの取り組みをご一緒してきましたが、在庫拡大だけでなく、新しい価値創出につながる取り組みについても引き続き連携を深めながら、OOHの可能性を広げていければと考えています。
福永氏:今後もアドエラ様とのパートナーシップをさらに強化し、pDOOH市場の健全な拡大に取り組んでいきたいと考えています。
一昨年からアドサーバを導入いただいておりますが、導入から1年が経過し、新たな課題も見えてきていると伺っています。例えば、SSP商流ではNTTドコモのビッグデータ等を活用したプランニングが可能ですが、アドサーバ商流ではまだ同様のプランニングには対応できていない、という課題があります。
これを踏まえ、今後はアドサーバ商流についても、プランニング段階からアドエラ様と一緒に取り組める仕組みづくりを検討していきたいと考えています。
また、SSP商流については、海外案件や大型キャンペーンへの対応を引き続き強化し、運用面でのサポート体制を整えながら、媒体社様とともに市場の発展をリードしていきたいと思います。
ABOUT 柏 海
ExchangeWireJAPAN 副編集長
日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。






