店舗送客へのラストワンマイルにDOOHを。丸亀製麺・電通・LIVE BOARDによる効率的な広告プロモーション戦略とは【インタビュー】
by on 2026年4月22日 in ニュース

丸亀製麺では2025年5月、全店舗で無料の薬味とトッピングに「わかめ」と「しび辛ラー油」の2種類が追加され、計8種類に増えた。8月からリマインドの目的で再度広告キャンペーンを展開。その際にLIVE BOARDマーケットプレイス(※1)に接続している媒体(DOOH)を活用し丸亀製麺の店舗周辺のスクリーンのみに限定した広告配信を実施した結果、同時期に広告配信をしたテレビ・デジタルなどの他のメディアと比較しても、来店効率において最も効率的な結果を残すことができた。
丸亀製麺と、広告プランニングを担当した株式会社電通、DOOHを運用・管理している株式会社 LIVE BOARDの担当者に、今回の取り組みを聞いた。
(Sponsored by LIVE BOARD)
※インタビュー出席者の名前・所属等は写真の右から次のとおり。
吉岡俊祐氏:株式会社 電通 第3マーケティング局 コネクションプランニング部 シニア・マーケティングディレクター
江田壮寿氏:株式会社 丸亀製麺 執行役員 兼 マーケティング本部長
間部徹氏:株式会社 丸亀製麺 マーケティング本部 エクスペリエンスデザイン部 部長
真能広大氏:株式会社 LIVE BOARD インサイト部 ディレクター
KPIにリーチの最大化と来店効率を設定
―自己紹介をお願いします。
江田氏:丸亀製麺のマス・デジタルなどのマーケティングコミュニケーション活動全体の実行・統括をしている江田と申します。
間部氏:私は丸亀製麺のマーケティングの中でも、顧客体験や接点といった、エクスペリエンスデザインを主軸に担当しています。また、データサイエンスなどの分析周りの担当もしております。
吉岡氏:電通でメディアプランニングを中心に担当しています。キャンペーン設計のほか、どのメディアの効率が良かったのかなど、分析も含めて全て請け負っています。丸亀製麺様とは、広告効果が良かった広告配信を活用していくと同時に、新しい展開にもチャレンジをしながら並走させていただいています。
真能氏:LIVE BOARDでインサイト部のディレクターをしている真能と申します。LIVE BOARDではNTTドコモの位置情報等のデータを活用しながら、クライアントの課題に対して、どのようなソリューションを提案できるかの検討や、効果検証の高度化に日々取り組んでいます。
―今回の3社での取り組み概要(キャンペーン内容)について教えてください。
江田氏:丸亀製麺では2025年5月9日から、無料の薬味とトッピングにわかめとしび辛ラー油の2種を新たに追加しました。5月のリリース時にも大きなキャンペーンは実施していましたが、今回の取り組みはその3か月後となる8月に、消費者の方々へのリマインドとして、無料トッピングについての再キャンペーンをしたものとなります。
間部氏:メディア展開として、テレビCMは、2025年8月1日・2日の2日間で活用し、初動の認知を一気に立ち上げ、デジタルでは、リマインド告知の意味合いも含めリーチ拡大を狙った出稿を実施しました。
LIVE BOARDは特に、店舗周辺での来店直前リマインドを目的に出稿しました。掲出期間は2025年8月1日〜8月17日で、クリエイティブはTV素材をベースに、共通素材で展開しました。LIVE BOARDに関しては、音声がない状況でも訴求できるように、L字で字幕を入れ込んだクリエイティブと、通常字幕のクリエイティブの2パターンにチャレンジしています。
江田氏:なお、当社が定めるKPIとしては大きく2つあり、1つ目はリーチの最大化で、2つ目が実際にどのくらいの来店に寄与したかを示す来店効率です。これはアナログ・デジタルを問わず、広告配信をした全てのメディアに対して確認しております。

アナログ・デジタル問わず全ての広告効果を横並びで確認
―丸亀製麺からの発注を受けて、電通やLIVE BOARDでは、どのようなことを考えていましたか。
吉岡氏:8月のキャンペーンはリマインドのため、5月のリリース時と比較すれば小さい予算で展開をしていましたので、本キャンペーンは効率的に伝えていくことは我々としても意識していました。
そのなかで、丸亀製麺様からは「新しい広告にもチャレンジをしていきましょう」とお声かけもいただいたので、当時はテレビ・デジタル以外にも様々なメニューにチャレンジをしていたのですが、そのなかでも5月の時には配信をしていなかった、LIVE BOARD Network(※2)を活用した配信で、とても良い結果が出ました。
真能氏:「丸亀製麺様の店舗から約500m圏内のDOOHをピックアップした配信が最後の一押しとなることで、店舗に立ち寄っていただきやすくなるだろう」と、我々の役割のイメージはとてもしやすかったかと思います。
LIVE BOARD側の経験としても、このような来店を促すキャンペーンは訴求する内容やクリエイティブにも大きな影響を受けると感じていたところでしたが、今回の丸亀製麺様の無料の薬味とトッピングの追加については、プランニング時から高い効果が得られそうだと感じていた記憶があります。


実際に配信されたクリエイティブの一例
中長期的に継続して出稿できるメディアを重視
―本プロモーションで特に重視されていたことは。
江田氏:冒頭にお話しをした2軸のKPIはありながらも、中長期的に継続して出稿できるかどうかという目線で、PDCAを回せることを重視していました。
我々としても人流データでトラッキングができるメディアには高いプライオリティを置いていますが、LIVE BOARDは効果が可視化できるため、それを見て今後につなげることが可能となっています。当社の需要にもマッチしており、テレビ・デジタル・DOOHといったトータルスクリーンの観点でも非常に面白い取り組みになるかと思いながら、会話させていただきました。
吉岡氏:リーチ計測においては、テレビとデジタルのリーチを、各媒体の到達をそれぞれ測定できるパネルデータを活用し、広告がターゲットにどれだけ到達しているかを電通のツール「MIERO Digi×TV」(ミエロ・デジテレ)を活用して正確に把握しようとしています。
来店計測においては、電通のオンオフ統合マーケティング基盤「STADIA360」も活用し、データクリーンルームと連携させて、各メディアの接触とその後の来店の増加を検証しています。他にも、今回は「unerry」 の位置情報のログデータを使い、①何時何分にDOOHで広告が流れたか②何時何分にDOOHの前を通ったか、の2つを掛け合わせることによって広告接触を追いました。
配信・分析などの対応が可能な配信プランをLIVE BOARD様としてもご用意いただいたうえで、我々に対しても、他のメディアとも横並びで比較可能になるようにデータを整理・加工いただくなどの協力もいただけたので、その点は私達としては非常に心強いですし、ありがたいと思いましたね。

―来店の効果測定をするときに、LIVE BOARDとしてはどのように対応することが多いのでしょうか。
真能氏:1つ目はLIVE BOARDの内部だけで効果検証させていただくケースで、2つ目は今回のように代理店様と一緒に効果検証させていただくケースになります。
前者ではNTTドコモのデータ等を活用しながら、Wi-Fiやd払いのログなどを見ていくことで計測をしますが、LIVE BOARD単独では「他のメディアと比較してどうだったか」まで、対応しきれていないケースもございます。
今回は代理店様がお持ちの知見やリソースを活用いただきましたが、トータルスクリーン・プランニングに注力をしていくLIVE BOARDとしては、横並びで効果を可視化したうえで非常に良い結果が出せたことの意味は大きいと思っています。
DOOHが最も良い配信効率を生み出し来客数も増加
―改めて、効果計測の設計と結果についてお話をお願いします。
吉岡氏:基本的には広告接触をすることで来店の純増がどれだけ増えたかどうか、という分析をしています。また、その人たちがもし広告にあたっていなかったらどれぐらいの確率で来店していたかを類推で出すこともしています。
この比較はテレビもデジタルもDOOHも同じやり方・目線で計測させていただいていますが、LIVE BOARD様の広告効果が、本キャンペーンで活用したメディアの中でも1番良かったです。言い換えれば、インプ単価的にも非常に安価で態度変容の効率も良い結果となったので、非常に面白いし驚きもありましたね。
真能氏:吉岡様に同意する形とはなりますが、今回の結果は我々が今までやってきたキャンペーンと比較しても、とても良い結果が出ました。これは丸亀製麺様が元々持っていたブランドの強さと訴求内容を我々が更に引き出すことが出来たのではないかと振り返っています。
間部氏:丸亀製麺の実店舗で計測している来店データを見ても、LIVE BOARD様の広告配信により、来客数がしっかり上がっていることを確認出来ました。実店舗の約500m圏内に絞って配信をしていただくことで、LIVE BOARD様のDOOH広告が最後の一押しとして、効果的に機能したと見ています。

―トータルスクリーン・プランニングについてはどのように捉えていますか。
江田氏:結論として、テレビ・デジタル・DOOH、3つのメディアに当たった方の来店効率が1番高かったデータが出ています。
テレビとデジタルで広告を見て、まずは認知や想起につながったうえで、最後に外へ出た時にLIVE BOARD様の広告に接触をすることで、ラストワンマイルの後押しとなり、そのまま来店に繋がることが出来たと見ています。
間部氏:一般的なトータルスクリーンの考え方としては、テレビでもデジタルでもDOOHでも知ってもらう、という認知が大きな目的になるかと思います。しかし、丸亀製麺の場合は既にブランド名を知っていただいている方が多いので、来店に向けた最後の後押しとして、LIVE BOARD様の今までの事例とは少々異なる点もあったかもしれません。
今回、非常に良い結果が得られたということで、今後も様々なキャンペーンで取り組みを作っていければと考えています。
真能氏:これまでのOOHは効果が見えにくいことから、広告出稿をする上で認知目的なのか、来店促進なのかなど、具体的な役割(KPI)を決めることが難しいという状況がありました。そのため、DOOHを使ってみたいと思っているけれど、出稿に踏み切れないといったこともあったかと考えています。そのような中で、今回の丸亀製麺様のキャンペーンはDOOHの役割が明確で、今後あらゆるプランニングに活かすことができる好事例となりました。
LIVE BOARDはクライアント様や代理店様から求められる役割を果たすべく、引き続きデータ分析の高度化や配信面の増加などに取り組むことで、テレビ、デジタルと並びDOOHをプランニングに取り入れていただけるよう価値を磨き続けていきます。

今後はフェア商品や時間帯別の出し分けにも期待
―最後に改めて、皆様から次の展開やプロモーションの在り方についてお願いします。
江田氏:我々は外食サービスですので、外に居るタイミングでのモーメントは逃すことのないよう、新たなタッチポイントの開発にチャレンジしてきたいと思います。
今回はその過程で電通様・LIVE BOARD様と良い結果も出ましたが、例えば通常のフェア商品や新しいカテゴリーの商品などのキャンペーンへの横展開なども検討していければと思います。
間部氏:私もDOOHの良いところは、タッチポイントが来店にとても近いところだと思います。また、丸亀製麺は暑い・寒いと言った外的環境にも左右されやすいので、例えば寒いときに限定して店舗の近くで、からだが温まるフェア(期間限定)商品の広告を流すなどすれば、来店への最後の一押しにもなってくれるのではないかと期待しています。
そのうえで、最終的にはお客様の数がどのように増えたかはビジネスとして重要なファクトなので、電通様の協力もいただきながら、しっかりと押さえていければと思います。
吉岡氏:時間帯別の配信効率も配信結果として出していましたが、時間帯別のクリエイティブ配信も面白そうですね。昼に合うクリエイティブ、夜に合うクリエイティブがそれぞれあるはずなので、そのような未来も見据えていければと思います。
真能氏:先ほど申し上げた通り、我々の求められる役割を果たしていくためのソリューションの深化や効果を可視化できる体制を整えていくことがベースとしてあります。
そのうえでLIVE BOARDとしては、広告を見た視聴者の方にも楽しんでいただきたく、よりアテンションを引き出していきたいですね。テレビやデジタルにはない、DOOHだからこそ出来るクリエイティブや訴求の方法があるはずなので、その未来を目指していきたいと思います。
※1 SSP(Supply Side Platform)およびDSP(Demand Side Platform)などの機能を含む、LIVE BOARDが運営する広告プラットフォームの全体を指す。
※2 LIVE BOARDの広告商品の総称
ABOUT 柏 海
ExchangeWireJAPAN 副編集長
日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。





