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広告プラットフォームの風雲児・楽天が切り開く独自の広告サービスとは[インタビュー]

国内ECモールの草分けである楽天市場に加えて、携帯キャリア、デジタルバンク、ポイントプログラム、旅行予約サイトなど今や70以上のサービスを展開する楽天グループ。これらの実業を束ねるグループ企業だからこそ成し得る広告サービスとは何か。同質化が進行するオンライン広告業界で独自路線を打ち出す同社のアド&メディアカンパニー マーケティングパートナー事業 ディレクター 田中 利昌 氏に話を聞いた。

(Sponsored by 楽天グループ)

 

楽天市場の広告≠楽天の広告サービス

 

―自己紹介をお願いします。

 

楽天グループ株式会社の中にあるアド&メディアカンパニーという社内カンパニーにおいて、マーケティングパートナー事業のディレクターを務める田中利昌と申します。博報堂DYホールディングスとの合弁会社である楽天データソリューションズ株式会社と大型ファッションイベント「GirlsAward」を運営する株式会社Awardとの合弁会社MIHA株式会社の代表取締役社長を兼務しています。

 

―事業紹介をお願いします。

 

私が所属するアド&メディアカンパニーは、「楽天エコシステム(経済圏)」の膨大なデータと多様なメディアを活用し、広告主様・広告代理店様に対してマーケティングソリューションを提供しています。

 

楽天と聞くと「楽天市場」の印象が強いと思いますが、「楽天市場」や「楽天トラベル」をはじめとするEC関連サービスの国内EC流通総額が6.3兆円、また楽天モバイルの契約数が1000万回線を突破するなど、楽天エコシステムは急速に拡大を続けています。ユーザーの消費行動分析データを蓄積した上で、「プロダクト」「AI」「データ」「ポイント」という4つの特徴を掛け合わせたマーケティング支援のご提案をさせていただいています。

 

資料提供:楽天グループ株式会社

 

―「楽天市場」内に表示される検索連動型広告が主な広告商品となるのでしょうか。

 

「楽天市場」内の店舗や商品ページへのリンクを促す広告商品は、「楽天市場」の出店店舗様に対して提供させていただいているものですが、私が所属するアド&メディアカンパニーでは、お客様サイト及びサービスの認知から販促までのプロモーションのお手伝いをさせていただいています。相対する担当者様のご所属は広告宣伝部やマーケティング部署などの方であり、各社様のEC事業部などが管轄する「楽天市場」などの広告とは予算の立て方、担当部署、目的が全く異なります。

 

―それではアド&メディアカンパニーが提供する広告サービスはどのような広告主がどのような目的で活用しているのですか。

 

およそ7割は獲得目的、 残りの3割が宣伝・認知目的です。獲得領域では、教育、エステ、不動産、金融業界を始めとして多種多様な業種の広告主様がいらっしゃいます。宣伝目的となるとメーカー企業様が圧倒的に多くなり、中でも自動車、食品、家電などの分野で積極的にご利用いただいています。

 

セグメント設定はもはや不要?

 

―広告の配信面はどこになるのですか。

 

楽天グループ内の各オンラインメディアはもちろん、他の主要な大手広告プラットフォームに加えて、楽天が蓄積する会員情報や消費行動分析データを活用したDM、メール広告、ポイントプログラムを通じたプロモーションなどがあります。

 

宣伝目的では、やはり楽天独自の消費行動分析データを活用した上で、YouTube、TVer、ABEMAなどの動画配信プラットフォームに広告配信を行うことも多いです。

 

―最近ではAI活用を掲げるテック事業者が非常に多いと思いますが、貴社のAI技術の特徴は何ですか

 

当社が蓄積する消費行動分析データとAIを掛け合わせた「未来購買予測」と呼ばれる機能を通じてコンバージョン最適を図ることができる点が最大の特徴になります。例えば学習教材のコンバージョン発生日をゼロとした場合、消費者はその2000日前ないし約6年前にマタニティ商品を買い出して、そこからベビー用品、キッズ用品と消費パターンが推移していく様子をつぶさに把握そして予測することができます。

 

 

具体的事例としては、ヘアケア商品を販売するBOTANIST様にこの未来購買予測をご利用いただきました。同社商品の購入前にメイク道具や他のヘアケア製品を購入する消費者が多くいるというのはある程度想像がつくのですが、AIがこれらの商品に加えて一年以内に日焼け止めやテニスまたはマリンスポーツ関連商品が多く購入されていたことを突き止めて、広告配信の最適化を行いました。

 

恐らく髪のダメージが気になりだしたタイミングでヘアケア商品を購入した人が多くいたのでしょう。ターゲティングを行っていない場合との比較は当然ながら、「ヘアケア・スタイリング購買者」だけに対してターゲティングする場合と比較しても、未来購買予測のCVRは圧倒的に良かったです。

 

資料提供:楽天グループ株式会社

 

もはや「特定のセグメントをつくってターゲティングを行う」という従来の手法ではなく、AIによるターゲティングが今後は主流となっていく未来を感じさせるような事例でした。

 

マーケターの悲願を叶えるために

 

―「楽天ポイント」も独自の取り組みですね。

 

楽天ではこれまで、「楽天ポイント」を累計5兆ポイント以上発行しています。広告だけではなく、SNSのフォロワー増やアプリの休眠復帰などのCRM目的でもご活用いただいております。

 

―サードパーティCookie規制などが強化されたことを受けて購買データへの評価が高まっているとの実感はありますか。

 

正直に申し上げると、サードパーティCookieの代替手段として購買データの活用を検討されている事業者様はそれほど多くないように感じます。それよりも、オムニチャンネル展開を行う事業者様がオンラインとオフラインを越境ないし統合してターゲティングや効果測定を行いたいという課題の解決手段として当社ソリューションをご評価いただいていることが多いです。

 

―今後はどのような事業展開を図っていく予定ですか。

 

世の中にはマーケティングに活用できる購買データを提供されている事業者様が数多くいらっしゃいますが、いずれもオンラインのみまたはオフラインのみのデータを取り扱われている場合が非常に多いと思います。一方で当社が強みとしており、今後さらに強化していこうとしているのがオンオフ統合です。

 

日本のEC化率は1割程度と言われており、見方を変えれば9割はオフライン購入なのですが、例えばコンタクトレンズは今やEC購入の方が高くなっているという調査結果もあります。オンラインとオフラインのどちらかに販売チャネルの重心を置くということが今後ますます難しくなっていくはずです。マーケターの皆様にとっての悲願であるオンオフ統合でのマーケティング施策を実施できる環境を整備することが当社の使命であると思っています。

 

 

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 共同編集長

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。ExchangeWire主催の大型イベントであるATS Tokyoのモデレーターも務めている。