RTB House、日本オフィス開設8周年記念パーティーを開催。日本が主要市場へ成長、AIとLLMで進化するアドテクノロジー
by on 2026年8月07日 in ニュース

独自のディープラーニング技術を活用し、高精度なデジタル広告ソリューションを提供するRTB Houseは、日本オフィス開設8周年を記念したパーティーを開催した。同社キーパーソン3名による発表では、日本市場における歩みと飛躍が続いている現状、組織体制の強化、さらにRTB Houseが開発を進める最新の次世代マーケティングテクノロジーが明らかになった。
(Sponsored by RTB House)
日本の顧客数はRTB Houseグローバル全体で最大へと成長
イベントの幕開けとして登壇したのは、同社の北アジア地域新規事業開発を統括するヴェロニカ・クレク氏。冒頭、会場に集まった数多くのクライアントやパートナー企業に対し、日頃の支援への深い感謝の意を表明した。

ポーランド発祥のグローバルアドテク企業であるRTB Houseにとって、8年前の日本市場への進出は大きな挑戦だったという。「遠く離れた日本市場への第一歩でしたが、振り返れば間違いなく正しい決断でした」とヴェロニカ氏は語る。
同氏が示したデータによると、現在日本オフィスは同社グローバル全体において、売上規模でアメリカ、ドイツ、本社を置くポーランドに次ぐ世界第4位へ成長。さらに、顧客数においてはグローバル最大の市場へと飛躍を遂げたとのことである。
今後の展望として、ヴェロニカ氏は「今後18ヶ月以内に日本市場におけるリーダーになること」という野心的な目標を掲げ、グローバルの技術知見とローカル市場への深い理解を融合させることで、十分に実現可能であるとの強い自信を示して挨拶を締めくくった。
今後の成長を支える組織再編
続いて登壇したRTB House Japanカントリーマネージャーの奥内 鉄治氏は、日本国内における具体的な事業成長の推移と、今後の成長を支えるための組織の再編について発表を行った。

同社の事業推移データによると、日本市場におけるアカウント数と売上高は右肩上がりの成長となっている。特に2025年後半以降、ベースラインが大きく引き上がっている点に触れ、大型クライアントにおける新規導入・運用が開始したことに起因しているとした。日本国内でのディープラーニング広告への信頼感が強まっていることを物語っている。
さらに、急増する需要への対応を進めるため、奥内氏は組織の再編を発表した。これまで一つのAPACリージョンだった組織を、日本と韓国を「ノースアジアリージョン」、その他の国を「グレーターアジアリージョン」の2つに分割し、各リージョンに責任者を配置。各国のマーケットに対し、より迅速かつきめ細かい対応が期待される。
奥内氏は、「日本の体制は現在53名となり、ノースアジアのコアとして機能しています。新体制のもと、既存のお客様への運用支援と新規セールス、テックサポート、パブリッシャー対応の各チームが一丸となり、更なる価値提供を目指します」と今後の意気込みを語った。
AIとLLM時代のリターゲティング
最後に登壇したのは、RTB House VP, Global Product Commercializationのジェイセン・グレスピー氏。「改善(KAIZEN)」のプリンシパルと合致した、継続的改善できるような取り組みをエンジニアリングチームの核に据えているとし、RTB Houseの全製品を支えるAI・ディープラーニング・大規模言語モデル(LLM)の進化についてプレゼンテーションを行った。

ジェイセン氏はまず、アメリカのデータを参照し、OpenAIのChatGPT経由でのEC流入が現時点でまだ約0.3%程度にとどまっているものの、AIがユーザーに対して新しいブランドや商品を紹介することで購買の選択肢が増えており、広告主にとっては多くのユーザーの目に触れる機会が増えていることに触れた。一方で、選択肢の増加により、ユーザーが購買に至るまでの比較・検討時間が長くなっている点を指摘。低価格から高価格商品まで、消費者は複数回サイトを訪問して慎重に購入を決定する傾向が強まっているとのことである。
また、従来の機械学習やコンテキストターゲティングの問題点として、文脈認識のミスを挙げた。キーワードマッチングにおいては、例えば「犬」について書かれたウェブページに、企業が「犬用のセーター」の広告を配信したとする。しかし、そのページが実際には犬に関わる事件や事故といったネガティブな内容であった場合、そこへの広告配信は明らかに不適切となる。
こういったコンテキストターゲティングのミスを防ぐため、非構造化データを自然に処理できるディープラーニングと大規模言語モデル(LLM)こそが鍵になると論じた。
RTB Houseが提供する「Semantic Intelligence」は、LLMを活用してウェブページ上の文章や文脈、パブリッシャーのファーストパーティデータ、ユーザーの行動履歴を高度に理解し、広告配信に活用する。インターネット上の数億のURLの内容を精緻に分析し、商品カタログと最適なマッチングが行われる。たとえば、乗馬用ヘルメットに関する記事を読んでいるユーザーに対して、関連する乗馬に必要な器具をレコメンドするといった、従来のアプローチでは難しかった、深いコンテキストの紐付けが可能となる。
最後に、ジェイセン氏は「Semantic Intelligence」を支えるAI基盤のコア技術「Transformerモデル」の進化に触れた。
従来の機械学習が「過去に購入履歴がある」「14ページ閲覧した」といった集計データのみを扱っていたのに対し、Transformerを組み合わせることで、より細かい粒度のデータを見ることができる。「購入された正確な日時」「購入した商品」「正確なSKU」といった詳細なデータにより、ユーザーの未来の行動を精密に予測することが可能になるという。このディープラーニングにTransformerを組み合わせる技術は現在テスト段階であるが、RTB Houseは実用化に向けて、大きな期待を寄せている。
「これらの技術開発は「改善(KAIZEN)」の一環であり、この仕組みはあらゆる言語で機能し、広告キャンペーンにも自動的に適用される予定です。ECには商品詳細、カート追加、ウィッシュリストといった独自の言語が存在します。Transformerによって、私たちは初めてコマースの言語をネイティブのように話せるようになるのです」と結び、熱のこもったプレゼンテーションを締めくくった。

イベントの後半は、株式会社ベルーナ EC事業本部Eマーケティング部 部長代理の蓮沼 光紀氏による乾杯の挨拶に始まり、Top Agency Awardsの表彰、豪華景品が当たるクイズ形式でのゲームが催され、ゲストを楽しませた。

閉会の挨拶には、同社北アジア地域マネージングディレクターのヤコブ・ラタイチャック氏が登壇し、来場者への感謝と引き続きの支援・協力を呼びかけた。RTB Houseの日本市場におけるめざましい発展が印象的であり、またゲストへの温かい心遣いが感じられる8周年記念パーティーとなった。
ABOUT 角田 知香
ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。




