NEWS: 「一般社団法人データサイエンティスト協会」発足 〜市場の需要に対応して人材育成のガイドラインを明示化
by on 2013年7月17日 in ニュース

(ライター:岡 徳之)
新たな高度IT人材として注目を集めている「データサイエンティスト(分析人材)」を支援する団体として、一般社団法人データサイエンティスト協会(英文名:The Japan DataScientist Society、以下データサイエンティスト協会)が発足された。
代表理事にブレインパッド代表取締役社長の草野隆史氏、顧問に大学共同利用機関法人情報・システム研究機構理事の樋口知之氏、事務局長にブレインパッド経営企画室長の宍倉剛氏らが就任した。
データサイエンティスト協会は、新しい職種である「データサイエンティスト」に必要となるスキル・知識を定義し、育成のカリキュラム作成、評価制度の構築など、高度IT人材の育成と業界の健全な発展への貢献、啓蒙活動を行っていく。
同協会が定義する「データサイエンティスト」の対応領域は、データサイエンス / 分析、IT/エンジニアリング、ビジネス/問題解決(コミュニケーション)の3つ。また、データサイエンティストを雇用する側の教育も課題として認識しており、シンポジウム、プレス発表等を通して啓蒙していくという。
■協会の活動とロードマップ
2013年~
・データサイエンティストに関する人材像・スキルの定義
・エントリレベル(注1)のカリキュラムの策定
・研究成果の公開
・データサイエンティスト同士の交流、意見集約を行う場として、シンポジウム等の開催
2014年~
・ミドルレベル(注2)のカリキュラムの提供開始
・スキル標準と他関連資格との連携マップの作成
注1 上位者の指示の下、要求された作業を担当できるレベル。個人としての評価。
注2 タスクを独力で遂行可能。応用や指導も可能なレベル。組織の一員としての評価。
■設立の背景
昨今、センサー・通信機器の発達、ネットサービスの普及などにより、収集・蓄積が可能なデータの種類と量が急激に増大している。そして、これらの膨大なデータ(ビッグデータ)から、ビジネスに活用する知見を引き出す中核人材として「データサイエンティスト」に注目が集まっている。
この流れを受けて、企業では当該人材の獲得・育成に力を入れようとしているが、実際には新しい職業である「データサイエンティスト」には明確な定義がなく、対応領域も広いことから、さまざまな課題も生まれている。
特に、人材の期待役割とスキルセットのミスマッチにより、データ分析から想定した成果が得られない、あるいは経験や能力を職場で十分に活かすことができないといった状況が頻発している。このような状況を放置していては、今後、いわゆるビッグデータ関連市場の健全な発展にも影を落とすことになるという問題意識から、2012年11月末より、有志による協会設立に向けた準備活動を開始した。
■新団体の概要
名 称:一般社団法人データサイエンティスト協会
The Japan DataScientist Society
所在地:東京都品川区東五反田5-2-5 KN五反田ビル 6F
<団体人事>
・代表理事 :草野 隆史(株式会社ブレインパッド 代表取締役社長)
・顧問 :樋口 知之(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 理事、統計数理研究所長、総合研究大学院大学統計科学専攻 教授)
・スキル定義委員長:分析系企業、もしくはユーザ系企業の方に依頼予定
・教育・育成委員長:教育機関の方に依頼予定
・評価・認定委員長:文教系企業の方に依頼予定
・企画委員長 :分析系企業、もしくはユーザ系企業の方に依頼予定
・事務局長 :宍倉 剛 (株式会社ブレインパッド 経営企画室長)
■ 関連リンク
一般社団法人データサイエンティスト協会公式ウェブサイト
(左から)事務局長の宍倉剛氏、代表理事の草野隆史氏、顧問の樋口知之氏
データサイエンティスト協会の全体像
ABOUT 大山 忍
ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。






