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先週のアドテクシーン:BitStar、ファッションD2Cブランドを手がける2社を買収

 

 

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

【トップニュース】

 

BitStar、ファッションD2Cブランドを手がける2社を買収

BitStarは、YouTuberをはじめとするクリエイタープロダクション事業・コンテンツ制作事業・インフルエンサーマーケティング事業に加え、新たにD2Cブランド事業「BitStar D2C」を本格展開する

「BitStar D2C」の新設にあたり、ファッションD2Cブランド「FASHIRU」(ファシル)「JISTORY」(ジストーリー)を展開する株式会社Funと、「stk.」(エスティーケー)を展開する株式会社JOINT LABELの2社と株式譲渡契約を締結し子会社化した。

 

【新サービス・新機能】

 

Magnite、シンガポールの新データセンターに投資

Magniteは、シンガポールに最新かつ最先端なデータセンターの設置をすることを発表した

新データセンターは、アジア太平洋地域(APAC)の中心に置き、Magniteが扱う全種類のメディアの拠点が統合される。今回の投資は、APACのデジタル広告サービスの急速な成長を支援するとともに、コネクテッドTV (CTV) やオムニチャネル分野におけるデジタル広告でのMagniteの世界的リーダーシップ強化を目指すものとなる。

 

 

競合企業やアフィリエイター等による、地域を限定したリスティング広告の不正出稿を検知する新機能をリリース

メカニズムは、リスティング広告の不正出稿検知ツール「チェックメイト」に「地方検知機能」をリリースした

チェックメイトは、リスティング広告における競合サービス・アフィリエイターの商標キーワードによる不正な出稿を検知するマーケティングツール支援ツール。

不正出稿者達は、アフィリエイトの広告出稿主に発覚されて摘発をされないように、地域を絞ってリスティング広告を出稿する。例えば、東京に本社を構える企業の広告を不正に出稿する場合は、1都3県の地域に配信しなかったりするなどして、アフィリエイト広告出稿主の監視の目から逃れるようにリスティング広告を出稿する。

地方検知機能では、地方を限定してリスティング広告を出稿しているランディングページを検知。チェックメイト利用企業の広告予算の損失をより軽減させる。

不正出稿を検知し、対策を講じることで自社のリスティング広告の広告予算を下げる。また、商標キーワードで出稿しているアフィリエイターを排除することで、不当に支払っていた広告予算を削減し、SEO(自然流入)経由でのコンバージョンを増やすことができる。

 

 

集英社が、MAQUIA ONLINEほか主要Web媒体に、安全で信頼性の高い広告配信のためのアドベリフィケーション対応を開始

集英社は、MAQUIA ONLINE、SPUR.JP、Daily MOREなど、ファッション系を含む主要な14のWeb媒体を対象に、全ディスプレイ広告メニューに IAS のパブリッシャーソリューションを対応させ、アドフラウドとブランドセーフティに関して安全基準を満たしたインプレッションのみを配信対象とする新しい施策を2021年4月より開始する

全ディスプレイ広告で第三者(IAS)によるアドベリフィケーション対策実施済みの広告在庫を常時提供する試みは、日本国内でも先進的な取り組みとなる。あらかじめアドベリフィケーション対策済みの在庫のみが販売されるため、広告主や広告会社は、現状から追加の手続きや設定作業は必要ないとのこと。

 

 

オリコム、Oricom Programmatic Distributionをリリース

オリコムは、新しい広告配信と効果検証を実現するソリューションとして、Oricom Programmatic Distributionをリリースした

拡大を続けるプログラマティック広告に対し、提案・運用・検証それぞれの高度化を目指し、専任のオペレーターによる完全内製化を推進する。主として扱うツールは、配信:ディスプレイ&ビデオ360(DV360)、検証:キャンペーンマネージャー 360(CM360)、さらに3rdPartyData(OricomDMP)、1stPartyData(顧客からの提供により、顧客独自のターゲティングを実現する。

 

 

サイバー・バズ、企業・ブランド向け「オリジナルキャラクター制作×SNSアカウント運用」サービスの提供開始

サイバー・バズは2021年4月より、株式会社wwwaapと連携し、企業・ブランド向けに「オリジナルキャラクター制作×SNSアカウント運用」サービスを提供開始した

SNSで人気のクリエイターが企業・ブランドのコンセプトに合わせて1から制作するオリジナルキャラクターを活用し、漫画やアニメ等も新たに投稿コンテンツとして盛り込むことで、アカウント運用のさらなる効果向上に貢献する。

 

 

fluct、すべてのアプリデベロッパーに対し、iOS14に伴う広告収益の低下防止対策を無償でフルサポート

CARTA HOLDINGSのグループ会社、fluctは、2021年春に予定されているiOS14による広告収益の低下や、必須対応項目などに対し、不安や疑問を抱くすべてのアプリデベロッパー向けに「無料iOS14対応相談」の提供を開始する

iOS14では、IDFA取得のオプトイン(事前許諾)方式が必須になり、広告単価の下落やアプリデベロッパーの広告収益低下、また対応しない場合には、広告収益のみならず、アプリ運営自体にも大きな影響があると予想される。

すでにfluctでは、提携するアプリデベロッパーに対し、iOS14対応を無償でサポートしてきたが、今回、すべてのアプリデベロッパーに対し、無償でのフルサポートを開始する。「無料iOS14対応相談」では、アプリデベロッパーとして、対応しなければならない必須項目のチェックリストの提供や、広告メディエーション設計の最適化アドバイスなどによって、iOS14.5以降もアプリデベロッパーの広告収益低下を防ぎ、収益最大化を支援する。

 

【サービス連携・業務提携】

 

DAC、米国Loop Now Technologiesの戦略パートナーとして「Firework」の日本市場への本格参入を支援

DACは、米国発ウェブストーリーマネジメントプラットフォーム「Firework(ファイヤーワーク)」を提供するLoop Now Technologies Inc.の戦略パートナーとして日本へ本格参入に関する業務提携を締結し、「Firework」の提供を開始した

Fireworkは、縦型・短尺動画をあらゆるウェブサイト(デジタルメディア・ECサイト・企業サイトなど)に簡単に搭載することができるウェブストーリーマネジメントプラットフォーム。自社で運営するウェブサイトにFireworkの短尺動画を導入することで、ウェブサイト上でエンゲージメントを高め、顧客満足度・購入意欲・LTVの向上を図り、利益率の高いビジネスモデルの構築に寄与できる点が特徴となる。

 

 

博報堂、noteと業務提携し、企業・ブランドのパーパスを発信・可視化するサービス“new branding with note”の提供を開始

博報堂は、ブランド・トランスフォーメーションによる企業支援の一環として、note株式会社(東京都港区、代表取締役社長:加藤貞顕)と共同で、パーパスを起点とした企業・ブランドの情報発信を行うため、業務提携契約を締結した

あわせて、両社による企業向けサービス「new branding with note」を本日より提供開始する。

 

 

【新会社・新組織】

 

博報堂、博報堂DYメディアパートナーズ、DACの3社横断戦略組織  マーケティングDXとメディアDXを一体で推進する「HAKUHODO DX_UNITED」を発足

博報堂と博報堂DYメディアパートナーズ、DACの3社は、クライアント企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を、マーケティングDXとメディアDXの両輪で統合的に推進する3社横断の戦略組織「HAKUHODO DX_UNITED」を発足した

企業のマーケティング活動の変化に対応するために、ブランディング・CRM・EC/D2C・オウンドメディア・店舗等の領域におけるマーケティングDXと、マスメディア・デジタルメディア横断でのメディア投資効果の最大化を図るメディアDXを一体のものとして、両輪で統合的に価値創造型のDXを推進していく。

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長   慶応義塾大学経済学部卒。 外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。 2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。 2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。