×

グローバルビジョンとローカル戦略をつなぐ、フルファネル型マーケティング-Unity 青山 佳那子氏

デジタル広告業界で働く広報・マーケティング担当者は、専門性が高く難解な業界用語と向き合いながら、形として見えにくい自社プロダクトやサービスを、日々顧客をはじめとする様々なステイクホルダーに、ストーリー性をもって分かりやすく伝え、自社のブランド価値を高めていくことが求められる。

そんなミッションをもつ広報・マーケティング担当者は日々何を考え、どんなことに向き合っているのだろうか。デジタル広告業界の広報・マーケティングのプロフェッショナルにインタビューを行い、彼らのリアルに迫る。第4回は、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社の青山 佳那子氏にお話を伺った。

(聞き手:ExchangeWire JAPAN 角田 知香)

 

 

【インタビュー対象者】

青山 佳那子氏

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 シニアマーケティング・マネージャー

新卒で入社した企業で、純広告やアドネットワークの営業を担当し、タイ・バンコクにおける駐在事務所の立ち上げにも参画する。その後SSPであるAd Generationの立ち上げメンバーとして約8年間勤務。外資企業に興味を持ち、アドテク業界の先輩から「マーケティングに向いているよ」と後押しを受け、Unityのマーケティング職に転職する。現在は広告ソリューション群であるUnity Growの日本市場向けマーケティングを担当。

 

【インタビュー対象企業】

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社

アメリカに本社を構えるUnityの日本法人。ゲームやインタラクティブな体験の構築と成長のためのプラットフォーム「Unity」の日本国内における販売・サポートを行う。その中のUnity Growでは、モバイルゲームおよびアプリ開発者の収益化、ユーザー獲得、ビジネス拡大を支援する包括的なソリューションを提供。メディエーションや広告ネットワーク、オファーウォール、パブリッシング、オンデバイス広告など、アプリをビジネスとして成功させるためのあらゆる段階をサポートしている。

 

-現在ご担当されている業務領域を教えてください。
APACのマーケティングチームに所属し、海外メンバーと連携しながら、日本におけるマーケティング戦略の策定・実行が業務となります。
私が担当しているのはGrowと呼ばれる、モバイルゲームおよびアプリの成長と収益化を支援するUnityの広告ソリューション群の日本市場におけるマーケティングで、日本国内でのイベント企画、ニュースレターやブログ、営業資料のローカライズやメディア対応、ケーススタディの制作などを行います。

 

自分で進める楽しさ

 

-アドテク業界内で、日本企業の営業から外資企業のマーケティング職に転職されています。想像と違ったことはありましたか。

マーケティング自体はとても楽しく取り組んでいます。始める前は、マーケティングといえばアウトプットの部分、たとえばイベントや記事といった目に見える成果物を想像していましたが、実際にはそのアウトプットに向けた企画立案や準備といった前段階の業務に多くの時間を使うことが多く、想像以上でした。

また、入社当初は日本市場向けのマーケティング担当が私一人だったため、中国や韓国にいるAPACのメンバーに教えてもらいながら仕事を進めていました。ただ、性格的に自分で裁量を持って物事を決めて進めていくスタイルが合っていると感じているので、国内でのポジションが一人であっても特に辛く感じたことはありませんでした。

 

-海外メンバーとはどのようにコミュニケーションを取っていますか。
マーケティングチームであるAPACメンバーとは、オンラインで英語でやり取りします。入社して2〜3か月のころは、対面でのコミュニケーションがないこともあり、不安を感じることもありましたが、今ではAPACのメンバーとも気軽に質問し合える関係性を築いています。また、APACだけでなく、アメリカやイスラエルのメンバーと連携して施策を進める機会も多く、共有資料はすべて英語で作成しています。ミーティングも8割ほどは海外のメンバーとのもので、業務全体で英語を使う割合はかなり高いです。

 

グローバルチームとの共有・同業者とのつながりを大切に

 

-主な顧客層を教えてください。
アプリパブリッシャー、広告主、広告代理店の方々が中心です。Unityというとゲームの印象が強いかと思いますが、Unity Growでは、モバイルゲームおよびアプリの企画・パブリッシングからユーザー獲得、収益化に至るまで、アプリ開発者のライフサイクル全体を支援する多様なソリューションと専門知識を提供しており、非ゲームのお客様にも幅広く活用されています。 

 

-どのような業務に時間を割くことが多いですか。
Growにおけるイベントの企画・運営に最も時間を割いています。カンファレンス、ワークショップ、ウェビナーなどを定期的に開催しており、年間の戦略立案から実行までを一貫して担当しています。GTM(Go-To-Market)の観点では、グローバルとローカルの双方の期待値を調整し、各施策が日本でのビジネスにインパクトをもたらすよう注力しています。イベントごとに扱うソリューションや目的は異なるため、ローカルのビジネスチームと密に連携しながら効果的な企画を進めています。

イベントの準備は大変なこともありますが、「どうすれば面白いと思ってもらえるか」「どうすれば驚きを提供できるか」と思索する時間は好きです。リアルイベントではお客様の生の反応を見ることができるため、大きなやりがいを感じます。
また、アドテク業界は横のつながりが強く、会場では同業他社の方とお話しするのも楽しみの一つです。競合であっても気軽にフィードバックをくれたり、悩みを共有できたりと、心強い存在です。

 

-業務で注力していることは何ですか。
チームとの日頃の情報共有を大切にしています。私が所属するGrowのマーケティングチームのメンバーは世界各国にいるため、日本チームの現状や課題が見えにくいことがあります。以前、Unity本社のセールス担当者が「Issue(課題)がTrouble(問題)になる前に共有することが重要だ」と話していたのですが、これはグローバルチームで働くうえで特に重要だと感じています。日本チームでうまくいっていることも、いっていないことも含めて、意識的にチームと共有するよう心がけています。

 

-いま最もPRしたいことを教えてください。

Unityでは、モバイルゲームおよびアプリの開発・ローンチ・スケール・収益化に至るまで、開発者の皆さまがアイデアをビジネスとして成功させるための包括的なソリューションを提供しています。一過性の成功ではなく、長期的にグローバル市場でビジネスとして成功するためのノウハウと実績がありますので、アプリに関するお悩みや課題があれば、ぜひUnityにご相談ください。

https://unity.com/ja/grow

ABOUT 角田 知香

角田 知香

ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。