Pacvue、業界初の「Agentic Commerce Grid」を実現する新プラットフォーム「Pacvue Prism」を提供開始
by on 2026年7月03日 in ニュース

Pacvueは2026年6月22日(発表地:フランス・カンヌ)、コマース特化型プラットフォーム「Pacvue Prism」の提供開始を発表した。ブランドごとにあらゆるチャネルを一つにつなぐ「Agentic Commerce Grid」を構築し、成果に紐づくメディアのプランニング・実行・計測を可能にする。
予測不能になった購買行動という課題
Pacvue(CEO:Rahul Choraria)が今回のプラットフォームで解決を目指すのは、複雑化した顧客の購買行動である。同社によれば、顧客はもはや予測可能な一本道をたどらない。ソーシャル上で商品を発見し、従来型の検索やLLMを通じて情報を調べ、ストリーミングで関心を深め、リテーラーやソーシャルショップで購入する——こうした一連の行動が、しばしば同一セッション内で起きているという。
一方で既存のマーケティングツールは、認知・比較検討・コンバージョンがそれぞれ別の段階であり、別々のチームが担当する世界を前提に作られてきた。その結果、計測は分断され、予算はサイロ化し、「この支出は実際に何を生んでいるのか」というすべてのCMOが抱く問いに答えられない状況が生じている、と同社は指摘する。
「Agentic Commerce Grid」を実現するPacvue Prism
Pacvue Prismは、ブランドごとの「Agentic Commerce Grid」を構築するコマースネイティブなプラットフォームである。Agentic Commerce Gridとは、顧客が接触するあらゆるチャネルを一つにつないだ単一のビューであり、ブランドにとって重要な成果に対して説明責任を果たすものと位置づけられている。
具体的には、すべてのチャネルを基盤となるコマースシグナルと結び付け、検証可能なアウトカム指標に紐づけた、メディアパフォーマンスの統合ビューだという。ブランド自身のデータをもとに構築され、そのチャネル構成に合わせて設定され、事業目標に向けて最適化される。Pacvue Prismは、これを動かすために専用設計されたプラットフォームである。
Pacvue Prismによって、エンタープライズブランドは以下を実現できるとしている。
- ブランドのAgentic Commerce Gridを、自社のコマースシグナル・チャネル構成・重要な成果に合わせて設定し、ブランド資産として構築・運用する。
- あらゆるチャネルを横断してプランニングする統合的なエージェンティック基盤を展開し、事業目標に向けて最適化しながら、成果が出るごとに継続的に改善する。
- 信頼性の高い回帰モデルを基盤とする独自のhalo(ハロー)計測に加え、カスタムアトリビューションやピクセルトラッキングを通じて、各メディア投資を測定可能で関連性のある成果に結び付け、メディアに説明責任を持たせる。
- データレイクやデータウェアハウス、CDP、CRM、MCP経由のカスタムAIエージェントといった独自の技術スタックと接続し、新たなシグナルがシステムにフィードバックされて将来の意思決定を研ぎ澄ますことで、時間とともに成果を積み上げる。
- 検索・プログラマティック・ソーシャル、および会話型(conversational)やショッパブル(shoppable)といった新領域フォーマットに対し、エージェンティックな体験を備えた統合プラットフォームからシームレスに配信する。
拡大する連携先とアルファ版の初期成果
Pacvue Prismは、ChatGPTやThe Trade Deskを含む既存および直近で発表された連携を拡張するとともに、アルファ版のローンチにあたりPinterest、tvScientific by Pinterest、Firework、Shopsense AIとの新たな連携を追加する。さらに、Yahoo DSPをはじめとする追加の連携も進行中であり、これらを通じて業界初のAgentic Commerce Gridを実現するとしている。
新領域フォーマットの例として、Fireworkとの連携ではLowe'sがブランドをショッパブル動画の在庫につなぎ、これらのフォーマットをリテールの商品詳細ページ(PDP)に直接ひも付けている。
アルファ版の参加企業はすでにPacvue Prismを検証しており、有望な初期成果が出ているという。特に、従来はリーチやインプレッションのみを最適化してきたCTV、ソーシャル、ブランドキャンペーンといった投資において、インプレッション+34%、CPM−23%、総売上+12%、ブランド新規購入者(new-to-brand)の伸び+24%という結果が得られたとしている。
関係者のコメント
Horizon CommerceでExecutive Vice President of Commerce Mediaを務めるJason Colon氏は、次のように述べている。
「Pacvue Prismについて私たちが期待しているのは、メディアとコマースの間により大きな接続性と俊敏性をもたらすというビジョンだ。ブランドはかつてないほど多くのチャネル、シグナル、複雑性を扱っており、より優れたオーケストレーション、より速い意思決定、より俊敏な実行を可能にするテクノロジーを必要としている」
PetIQのDirector of Mediaを務めるNic Jones氏は、次のようにコメントしている。
「Pacvue Prismを見て、改めて興奮している。多くの組織は予算をチャネル単位で割り当てているが、長期的には、これがそのプロセスをなくす可能性があるからだ。もはやチャネル単位の予算を扱うのではなく、『これらの費用の目的は何か』を扱うことになる。それ自体が本当に強力だ」
PacvueのCEOであるRahul Choraria氏は、次のように述べている。
「コマースメディアは、チャネルの最適化からコマースの説明責任へと移行しつつある。これから勝つブランドは、グリッドのレベルで運用するだろう。あらゆるタッチポイントがつながり、あらゆる支出が説明責任を負う。Pacvue Prismが動かすAgentic Commerce Gridは、すべてのCMOが自社のビジネスを評価する際のレンズになるだろう」
Pacvueの共同創業者兼社長(Co-Founder and President)であるMelissa Burdick氏は、次のように締めくくっている。
「長年にわたり、マーケターはチャネルを管理してきた。次の時代は、アウトカムを管理することが主題になる。ディスカバリーがソーシャル、リテールメディア、ストリーミング、AIへと分散するなかで、ブランドはあらゆるタッチポイントをコマースに結び付けるインテリジェンス層を必要としている。Pacvue Prismは、まさにそのために作られた」
今後の展望
Pacvue Prismは、エンタープライズブランドおよび代理店に向けて、本日より提供が開始されている。Pacvueは、Yahoo DSPをはじめとする追加連携の整備を進めており、より多くのチャネルとフォーマットをAgentic Commerce Gridに取り込んでいく方針である。
■プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000156601.html
ABOUT 町田貢輝
ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学法学部法律学科卒業。編集プロダクション、出版社でエンタメ、健康、IT関連の雑誌と書籍の編集・進行管理に従事。2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。DX領域のメディア運営全般ならびに、調査研究を担当する。



