ブランドを伝えるアイデアは異業種から得る-Magnite Doris Sun氏
by on 2026年8月05日 in ニュース

デジタル広告業界で働く広報・マーケティング担当者は、専門性が高く難解な業界用語と向き合いながら、形として見えにくい自社プロダクトやサービスを、日々顧客をはじめとする様々なステークホルダーに、ストーリー性をもって分かりやすく伝え、自社のブランド価値を高めていくことが求められる。
そんなミッションをもつ広報・マーケティング担当者は日々何を考え、どんなことに向き合っているのだろうか。デジタル広告業界の広報・マーケティングのプロフェッショナルにインタビューを行い、彼らのリアルに迫る。第9回は、MagniteのDoris Sun氏にお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWire JAPAN 角田 知香)
【インタビュー対象者】
Doris Sun(ドリス・サン)氏
Magnite シニアマーケティングマネージャー
シンガポールで複数の企業で消費者向けのマーケティング担当を経験し、SSPのSpotXに入社。Magniteの買収後、同社のAPACマーケティングチームに所属する。シンガポールオフィスで勤務ののち東京オフィスに配属となり、現在は日本市場向けのマーケティングを担当する。
【インタビュー対象企業】
Magnite
デジタル広告取引を支えるグローバルアドテクノロジー企業。主にSSP(Supply-Side Platform)を提供し、メディア企業やCTV/動画配信事業者の広告収益最大化を支援している。広告主・DSP・パブリッシャーをつなぐプログラマティック広告取引基盤を運営し、オープンインターネットにおける効率的で透明性の高い広告取引を推進している。
-現在ご担当されている業務領域を教えてください。
サン氏: 主な業務は、イベントの企画運営、リサーチやインサイトの収集、ケーススタディの作成、営業担当者への支援業務です。APACを管轄するマーケティングチームに所属しており、私の担当は日本です。オーストラリアの上司、グローバルでのマーケティングチームやレベニューチーム、プロダクトチームなど多くの人と協業します。
マーケティングから広がる世界
-これまで様々な場所でマーケターを務められていたのですね。
サン氏:シンガポールでは、BtoC企業のマーケター、またアフィリエイトマーケティング企業などで働きました。テクノロジー業界に深く関わるようになったのはMagniteからです。以前のBtoCの仕事に比べると、アドテク業界は毎年すごいスピードで変化していきます。少し混沌としているときもありますが、停滞することのないこの業界は楽しいです。
3年前にMagniteのシンガポールオフィスから東京に移ってきました。BtoC・BtoB両方のマーケターとして経験を積んできましたが、「会社のメッセージを外部にどのように伝えるか」をクリエイティブに考えることは共通しており、マーケティングの汎用性に楽しさを見出しています。世界中の人々と仕事ができ、それぞれの専門性に触れることができる点もとても面白いです。
-主な顧客層を教えてください。
サン氏:Magniteはデジタルエコシステムの中心にいる存在なので、SSPとして媒体社、バイサイドではDSPや広告主、代理店などとも関わります。また計測を行うデータベンダーなどのサードパーティベンダーとも関わります。主に営業チームが顧客と直接向き合い、私は間接的に顧客が必要とするものを把握します。

-会社全体の雰囲気はいかがですか。
サン氏:東京オフィスは20人に満たないメンバーで、皆とても協力的で社員同士の結びつきが強く、楽しい職場環境です。全員と英語でコミュニケーションをとることができます。 20・30代の社員が多く、カラオケなどの社内イベントがあったりと、仕事以外の場でもメンバー同士の関係は良好です。
Magniteにはコラボレーションや助け合いといったカルチャーがあり、それは世界各国のオフィスに共通しています。社員一人ひとりのウェルビーイングを大切にし、それぞれが最大限の力を発揮できる環境づくりに力をいれています。
その一環として、Magniteでは年間を通じてグローバル全体や各チーム単位でさまざまなイベントを開催しており、社員が学びやコラボレーション、知識の共有を目的に集まる機会があります。こうしたイベントは、全員が共通の目標を再確認するとともに、グローバルで一つのチームとしてのつながりを深める大切な場となっています。
普段は違う国で働く同僚と、イベントで実際に会う機会があることは、非常に大きな価値があります。マーケティング部門は常に、営業、プロダクト、リサーチ、グローバルマーケティングなど、多くの部門と密接に連携しながら業務を進めているので、直接顔を合わせることで、部署を超えた連携がスムーズになり、より強い信頼関係を築くことができます。また、共通の目的意識を持つことは、日々の業務にも良い影響があると思います。
アイデアやインスピレーションは消費者向けコンテンツから
-どのような業務に時間を割くことが多いですか。
サン氏:時期によりますが、最近は特定の顧客向けのイベントを開催したので、その運営に時間を割くことが多かったです。こういったイベントは媒体社向け、バイサイド向けなど様々な顧客に向けて行い、また、外部イベントへの出展もあります。以前は東南アジアのイベントも多く担当していたので、ほぼ毎月違う国に行っていましたが、今は人手が増えたこともあり、基本的には日本だけを担当しています。
グローバルのリサーチチームと連携して、リサーチやインサイトの作成にも取り組みます。アジアの市場ではデータやインサイトが重視され、アメリカでは数字よりもストーリーが重視される傾向があります。日本向けにはオムニチャネル、ほかの国ではストリーミング、と国によって焦点を変えたリサーチを作り発表しています。
いつも複数の業務が同時並行で進んでいるので、最も大きな課題のひとつは、適切に優先順位をつけることです。ひとつひとつの締切を考えながら、すべてのプロジェクトにそれぞれ必要な時間を確保しなければなりません。
特にイベントなどの大規模でチームを横断して進めるプロジェクトでは、時間の配分がとても重要だと思います。プロジェクトの成功は私だけでなく、営業、マーケティングなどのさまざまなチームメンバーと時間や優先順位を調整しながら進められるかどうかにも左右されるためです。明確なコミュニケーション、綿密な計画、そして早い段階で優先順位を設定することが、プロジェクトを円滑に進めると同時に、関係者全員の時間を有効に使ううえで欠かせないと考えています。
-業務で注力していることは何ですか。
サン氏: 常に「私たちのマーケティング施策が、チームの事業目標をサポートできているか」を確認することです。Magniteブランドをより魅力的に見せる方法もいつも考えています。
Magniteのブランドがマーケットで適切に表現され、明確なメッセージを発することができているか。技術的な内容を分かりやすく伝えるために、最近は動画やアニメーションにも挑戦しています。
新しいアイデアはマーケティングチームと一緒に考えますが、その過程はとてもクリエイティブで楽しいです。ブランディングは、アドテク以外の業界の企業からインスピレーションを得ることが多いです。BtoC、消費者向けマーケティングはクールで独創的なアイデアにあふれているので、同業者やBtoBから離れて、様々なアイデアを応用したいと考えています。イベントもやりがいがありますが、こういったプロセスには新しいものを実験する楽しさがあります。
-いま最もPRしたいことを教えてください。
Magniteは、日本においてより信頼性が高く、高品質でAIを活用したプログラマティック広告エコシステムの構築を推進しています。近年では、デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の認証を取得し、広告主・媒体社双方に対する透明性と品質への取り組みをさらに強化しました。また、AIエージェント同士の連携を可能にする新たなコーディネーションレイヤー「Magnite Orchestration」を発表し、プレミアム広告在庫の価値を最大化しながら、広告取引の自動化と効率化を支援しています。
Magniteは、日本を代表する独立系セルサイド広告プラットフォームとして、CTV、ストリーミング、デジタル動画、モバイル、デジタル音声広告、プレミアムデジタルパブリッシャーなど国内有数のメディア企業と連携し、媒体社の収益最大化と、広告主による信頼性の高いメディア環境での広告配信を支えています。
ぜひ最新情報をご覧ください。
[ https://www.exchangewire.jp/2026/07/14/news-magnite-jicdaq/]
[ https://www.exchangewire.jp/2026/06/19/news-magnite-magnite-orchestration/]
ABOUT 角田 知香
ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。





