ABCash Technologies、2024年の金融情報サービス・金融教育サービス市場は計3,315億円、2030年には4,052億円に達すると予測[ニュース]
お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する株式会社ABCash Technologiesは、株式会社デジタルインファクトと共同で、金融情報サービス・金融教育サービス市場に関する調査を実施した。投資が「一部の人のもの」から「誰もが学び活用するもの」へと広がる中、金融教育・金融情報サービス市場は2024年に3,315億円へと拡大し、今後もさらなる成長が期待されている。
本調査では、金融に関する最新の市場動向やニュースを提供する「金融情報サービス」、金融に関する知識やスキルを長期的に身に着けていくことを目的に提供する「金融教育サービス」、これらの制作ならびに消費者や企業への提供に際し、企業や個人が対価として受け取る金額(※1)を「金融情報サービス市場」および「金融教育サービス市場」と定義し、市場規模の推計・予測を行った。
※1 金融情報サービスおよび金融教育サービスの提供にあたり、提供者が受け取る広告収入、課金収入や、コンテンツ制作にあたり制作者が受け取る費用も市場に含む。金融投資商品・生命保険商品の売買で生じる代理店への契約手数料等は含まれない
■金融情報・金融教育サービス市場の現状
日本における金融情報は、これまで主に新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスメディアを通じて、株価や為替の動向などのニュースとして投資家層に向けて発信されてきた。
2014年には、政府が家計の安定的な資産形成と成長資金の供給拡大を目的に、「少額投資非課税制度(NISA)」を導入。その後も、2018年の「つみたてNISA」、2024年の制度改正による年間投資枠の拡大など、制度は段階的に拡充されてきた。これらの後押しにより、2024年12月時点のNISA口座数は2,560万口座に達し、国民の5人に1人以上が利用する身近な仕組みへと定着している。
さらに、トランプ大統領が打ち出した一連の政策により、世界経済の先行きは一層不透明さを増しており、市場の変動リスクも高まっている。政策の不確実性に加え、各国政府の発言も市場に大きな影響を及ぼし、株価の乱高下を招く要因となっている。その影響は日本の投資家にも及んでおり、経済リスクへの備えとして、投資判断を他人任せにせず自ら学び備える「金融リテラシー」の重要性が、社会全体で改めて認識されつつある。
こうした背景のもと、投資家の知識習得ニーズに応える形で、インターネットを通じた金融情報の提供や、金融教育コンテンツの拡充が進んでいる。従来のマスメディアに加え、金融機関によるオンラインセミナーやリアルイベントの開催、アプリを活用した金融教育サービスの展開など、多様なチャネルでの情報提供が活発化している。
このような市場動向を踏まえ、2024年における国内の金融情報サービス市場は2,250億円、金融教育サービス市場は1,065億円、両者を合わせた市場規模は3,315億円と推計される。
■市場拡大の見通しと将来の成長要因
今後も国民全体の投資活動が拡大を続ける中で、これらを支える金融情報・金融教育サービスの需要は持続的な成長が見込まれる。
金融情報サービス市場は、投資人口の増加に伴い堅調な拡大が期待され、金融教育サービス市場についても、2022年度に高校家庭科で義務化された金融経済教育をはじめとする取り組みなどの社会的動きが後押しとなり、高水準の成長が続くと見られる。
また、体系的なカリキュラムを提供する有料Web・アプリサービス、YouTubeなどを通じた動画コンテンツ、新聞・雑誌などの従来型メディアによる情報発信など、複数のチャネルを通じた多角的なサービス提供も継続的に拡大していくと考えられる。
これらの動向を踏まえ、2030年には金融情報サービス市場が2,389億円(2024年比 約1.06倍)、金融教育サービス市場が1,663億円(同 約1.56倍)に達し、両市場を合算した規模は4,052億円に達する見通しとなった。
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