調査結果から読み解く:動画広告が態度変容にもたらす効果と、TVCMとの相乗効果 |WireColumn

DAC Mr.Saito WireColumn

こんにちは、DAC齋藤司です。前回までは、動画広告の広告フォーマットについてアイトラッキング調査結果を中心にお話ししました。「見せる」ことに非常に優れたフォーマットであるということが、お分かりいただけたかと思います。今回は更に一歩踏み込んで、動画広告(プレロール広告)は広告認知だけでなく、態度変容までも起こすことができるのか?といった可能性や、TVCMと一緒に出稿した際の効果について調査結果をまじえてお話しできればと思います。


 

 

 

今回の調査は、TVCMと同一素材で実施するYouTube InStream動画キャンペーンにおいて、クロスメディア広告効果と、動画広告単体の広告認知効果や態度変容効果を検証したもので、他の動画サイトを含めた一般的なプレロール広告の効果と考えていただいても良いのではと思います。

 

主なポイントは以下になります。

①   動画広告(プレロール広告)とweb広告、TVCMの認知効果、態度変容効果の比較

② TVCM×動画広告(プレロール広告)といった複数デバイスでのクロスメディア施策での認知効果、態度変容効果

 

<注意点>

※動画広告はスキップボタンなしのInStream動画広告(CPM課金方式)でのケーススタディです。

※当調査はPCのみの調査結果となり、一部、「NAVI PROJECT」のバナー広告のNorm値(基準値)との比較を実施しています。NAVI PROJECTとは、大手ポータルサイトが共同実施するオンライン広告効果調査であり、Norm値は標準データとして国内で広く使用されているものになります。尚、今回の調査はNAVI PROJECTにも参加するビデオリサーチインタラクティブがプロジェクトに準じた仕様にて調査を実施しています。http://www.videoi.co.jp/release/20110922.html

 

<調査スケジュールと調査手法>

2週間の同一期間にTVCM(関東地区)とYouTube InStream動画広告を同時出稿し、その後アンケート調査を行うというものになりますが、ビデオリサーチインタラクティブの実験調査パネルである「IRP」(Incremental Reach Panel)を使用するパネル全体約60,000人のうち、本調査ではアンケート回答が得られた30,301人のデータを使用しています。その中で、TVCMや動画広告のリーチ&フリークエンシーを測定し、アンケート結果と重ねて広告認知効果、態度変容効果の検証を行っています。TVCMに関してのリーチ&フリークエンシーはOTS(Opportunity To See)という仕組みを用い、パネルのTV視聴習慣とTVCMの出稿リストを紐づけし、フリークエンシー分布等を抽出しています。

 

◆動画広告の広告認知効果

まずは、YouTube動画広告の広告認知率をみていきたいと思います。(図1)

 

動画広告の認知効果ですが、広告認知率は広告を掲載した人に対し、45.8%となり、一般的なディスプレイ広告の30.8%のおよそ1.5倍の広告認知率となります。NAVI PROJECTでもディスプレイ広告の広告認知、態度変容効果は充分に証明されており、ディスプレイ広告を大きく上回る効果があるということになります。その要因としては、他にない動画広告のアドフォーマットにあると考えています。

 

 ① 音声が基本的にデフォルトONで掲載される広告である。

 ② 大型の広告サイズである。

 ③ 画面上に他のコンテンツが存在せず、時間を占有し、ユーザーに広告だけを見せる環境がある。

 

こういった、広告配信に対し、ユーザーを広告に集中させる環境や、音、サイズを含めたインパクトのあるクリエイティブ展開が可能な点が、通常のディスプレイ広告枠にはない価値と言えると思います。

 

図1_

 

◆フリークエンシー毎の広告認知率

また、フリークエンシー毎の広告認知率に関しては、下記(図2)をご参考にしていただければと思います。

フリークエンシーを加える程に広告認知率が上がっていくのは、ディスプレイ、動画広告共に同じなのですが、動画広告は急激に上がっていくということがあり、1回の広告価値も高いということが言えるかと思います。

 

図2_

 

◆動画広告の態度変容効果

動画広告は広告認知に対しては非常に効果を発揮するアドフォーマットであると言えるかと思いますが、態度変容効果まで効果を上げることが出来るのか?という疑問に答えたのが、下の図3になります。ディスプレイ広告にも商品認知・興味関心・商品好意・購入利用意向といった態度変容効果があるということはNAVI PROJECTでも謳われていたかと思いますが、動画広告はディスプレイ広告以上にフリークエンシーを加えていくとUPしていくということが言えるかと思います。どれ位のフリークエンシーが最適値なのかといった点は今後の課題になるかと思いますが、先ほども述べた①音、②大型サイズ、③時間専有といった他のweb広告にはない特徴をもつ動画広告(プレロール広告)は非常に強いアドフォーマットと言えると思います。

 

図3_

 

◆広告効果をTVCMと比較する

次のテーマは、TVCMと比較した動画広告の広告効果です。

音、大型サイズ、時間専有という3つのポイントは、実はTVCMにもあります。TVは最近では50型を越えるような大型サイズのものもありますし、音も大きく出せるというのもありますし、1対Nといった複数人で見ているといったこともあるでしょう。そういった面では動画広告を一歩リードしていると言えるかもしれません。ただ、動画広告は、自ら選んだコンテンツを見る際に出てきている広告という事もあり、1対1で「前のめり」状態での訴求ができるという点では動画広告に分があるのかなと思っています。そのあたりが少しでも分かればと思って調査をしましたので結果をご覧ください。(図4.5)

図4の広告認知率では、TVCM43.1%に対し、動画広告45.8%とほぼ同じ結果となりました。どちらも非常に高い広告認知率となっています。また、図5のフリークエンシー別の広告認知率でもどちらもフリークエンシーを加えれば加えるほどに広告認知率は上がっていきます。動画広告の方が1フリークエンシー毎の広告認知率のUP率が高い結果となっており、前のめりの視聴環境、ユーザーと広告の距離感の近さでそうなったのかどうかは不明ですが、TVCMよりも高いフリークエンシーによる広告認知効率といった結果が出ています。

 

図4_

 

図5_

 

態度変容効果をTVCMと動画広告を比較したのが下記図6です。

1フリークエンシー毎の広告認知が高かったこともあり、商品認知・興味関心・好意・関与以降・購入利用意向

といった態度変容効果に関しても若干ではありますが、TVCMより少ないフリークエンシーで到達できるということも分かりました。ただ、これに関しては、1広告主での結果ですし、全体のリーチ数は当然TVの方が多いといった事実もあり、今後どのようにTVと動画広告を組み合わせていくといったことは課題になってくるかと思います。

 

図6_

 

TVCMと動画広告の組み合わせ

最後のテーマ、TVCMと動画広告を組み合わせた際の効果ということですが、今回の調査ではTVCMと動画広告にあたった重複ユーザーが、TVCMだけ、動画広告だけといった単体接触のユーザーよりどう効果が違うのかを見ています。(図7、8)

この図7はフリークエンシー毎の広告認知率を①TVCMのみでフリークエンシーを重ねていった場合と、②TVCMと動画広告を織り交ぜて重ねていった場合を示しています。結果的にはTVCMと動画広告をハイブリットで行った方が良いという結果になりました。

この結果は、今後のマスチスクリーン時代示唆を示している結果だと思っています。これからメディア環境はどんどん多デバイス化、マルチスクリーン化していくと言われています。CM素材、動画素材が掲載可能な環境もTV、PC、スマホ、デジタルサイネージ等々どんどん増えていきます。ユーザーのメディアへの接し方も多様化しています。そういった環境で広告効果をあげていくにはやはり、多デバイスへ掲載していかないと効果を上げていく事はできないといった示唆ではないかと思っています。今回の調査は、TV画面とPCのYouTubeという2スクリーンの調査ではありますが、今後はスマホ、タブレットへも掲載していった方が良いという結果になっていくのではと考えます。さまざまなデバイスに接している可能性のあるユーザーには、あらゆるデバイスでアプローチしていかねばならないということになっていくかと思います。もちろんTVCMと動画広告を合わせる事が重要であり、ハイブリット掲載が広告認知だけでなく、態度変容においても効果を更にUPさせていくことが可能(図8)という結果も出ています。

 

動画広告はweb広告ではありますが、基本的にweb上での獲得を目的に行うものではなく、TVCMと同様の指標、広告認知、購買意向のUPを狙うものだと考えています。

動画広告を検討されている広告会社様、広告主様には来年以降是非、動画広告をTVを含めた全体広告予算の中に動画広告を加えていく取組も行っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

図7_

 

図8_

 

今回の調査結果を以下のようにまとめました。

① 動画広告(プレロール広告)は、音、広告サイズ、時間専有のポイントを押さえており、非常に高い広告認知から態度変容まで起こすことが可能な、優れたアドフォーマットである。

② 動画広告はTVCMのフォーマットと同様のレベルで広告認知から態度変容まで起こすことが可能である。

③ 動画広告とTVCMの重複ユーザーは広告認知から態度変容まで各指標で効果がUPする。

更に詳しいお話しをご希望でしたら、DACのメディア本部動画チームまで問い合わせください。

 

次回は、この非常に優れたアドフォーマットである動画広告が、更に進化した「動画DSP」についてお話しできればと考えています。

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ABOUT 齋藤 司.

齋藤 司

株式会社トーチライト マーケティング ディレクター ラジオ、TVの放送作家を経て 2000年、雑誌をメインとした、広告代理店に入社。 アパレル、衛生機器メーカー等を担当し、2003年11月DACに入社。 メディア開発部等を経て2004年関西支社へ転勤。 広告会社に常駐し、インターネット広告の啓蒙、販売を行う。 2008年DAC本社にて開発・業推部マネージャー等を経て、 現在は第3メディア部マネージャーとして、ソーシャルメディア、動画を担当。 2013年10月より株式会社トーチライト出向によりマーケティングマネージャーとしてソーシャルメディアの啓蒙活動も行っている。 ※2014年2月時点 趣味は、落語、演劇鑑賞、ゴルフ等々