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消費者庁が偽通信販売サイトへ注意喚起―オンライン広告が導線に

消費者庁は10月21日、実在の通信販売サイトをかたった偽サイトなどに関する注意喚起を行った。家電や家具などの製造や販売を行う大手事業者のオンライン販売サイトを模倣したサイトを通じた被害が多発しているという。(Sponsored by Geoedge International)

 

 

大手事業者の正規サイトを模倣

同庁によると、問題が顕在化したのは今年の夏。「家電製品、家具、生活雑貨などの通信販売サイトで商品を注文し代金を支払ったものの、商品が届かない」などの相談が、各地の消費生活センター等に数多く寄せられている。

 

掃除機などの家電製品の販売業を営むダイソン株式会社のオンライン販売サイトも模倣された。公式サイトからロゴや商品の画像を盗用し、文章についても会社概要を含めて記載されている。

 

一般的には、詐欺サイトの多くには不自然な日本語表記があったり、デザイン性が著しく劣っていたりする場合があり、比較的容易に見分けることができると考えられてきた。しかし、模倣サイトは正規サイトとの違いがほぼなく、一見しただけでは偽サイトであると気付くことが困難であると消費者庁は指摘している。

 

これらの偽サイトでは、人気製品を「78%引き」「85%オフ」など大幅な割引料金で提供。クレジットカード情報を入力すると、海外からタオルなどの全く異なる商品が届く場合があるという。

 

消費者庁は、偽サイトを見分けるためにURLを確認することを推奨している。こうした偽サイトは、ダイソン社の公式サイトとは異なるURLを使用。ただし、酷似したURLを用いる場合もあることから注意が必要とされる。

 

リスティングやSNS広告が導線に

これらの偽サイトに辿り着くまでの導線は主に2種類。一つはリスティング広告であり、消費者がGoogleなどの検索サイトを通じて購入を検討している商品を検索した際に偽サイトへのリンクが表示される。

 

もう一つは、InstagramなどのSNS広告。普段利用しているSNS内に表示された広告をクリックすると、偽サイトへと遷移する設計となっている。ただし、こうした偽サイトへの導線となるオンライン広告は、あらゆる形態のウェブサイトやアプリ内に表示される可能性がある。

 

これら詐欺サイトへの導線となる広告を掲載したパブリッシャーは「詐欺に加担している」と見なされかねない。しかし、とりわけプログラマティック取引を通じて広告在庫を販売し、ユーザーごとに広告を出し分けているパブリッシャーにとって、人的な対策を取るのは容易ではない。

 

パブリッシャー向けの対策が必要

イスラエルを拠点とするアドセキュリティベンダーのGeoEdge社は、こうした悪質広告を機械的にモニタリング及び調査し、リアルタイムでブロックするソリューションを開発。海外ではフィナンシャル・タイムズやハースト、国内では朝日新聞や産経新聞といったパブリッシャーに提供している。

 

 

同社によると、従来のいわゆるアドフラウド対策は、例えば「誰も目にすることのない配信面に広告表示することで、広告主の広告費をかすめ取ろうとする悪徳事業者を排除する」ことを主な目的として行われてきた。しかし、偽通信販売サイトへと導くオンライン広告は、適切な広告費が支払われた上で、適切な配信面に適切に表示されている場合がある。また正規サイトを模倣していることから、広告内容から詐欺性を判断することは極めて難しい。つまり、パブリッシャーを保護するためには、広告主向けとは異なる独自のアドベリフィケーション対策が必要となる。

 

日本市場ではこれまで2年以上にわたり、悪質な広告からパブリッシャーを保護するためのソリューションを提供してきたという同社のAPAC担当ディレクターのエラン・ナボン氏は、「過去数カ月でダイソン社の模倣サイトが多数発見された。これらの模倣サイトは、当社のシステムを通じてブロックすることが可能」と指摘。「日本の消費者庁が注意喚起した例は氷山の一角に過ぎない。パブリッシャーとユーザーの双方がこれら模倣サイトの危険性を認識し、不審な広告を見かけた際には必要に応じて然るべき機関に報告する必要がある」と述べている。

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長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。