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「パフォーマンスマーケティングはTwitterの最優先事項」-Twitterが新プロダクトの最新事例を公開

Twitter Japan株式会社は4月12日、「Twitterパフォーマンス広告の進化と最新アップデート」と題したメディアブリーフィングを開催した。

 

「成果計測」、「ROAS」、「スケール」、「省力」にフォーカス

冒頭、同社広告事業本部長 黒川 佳則氏はTwitterの概況を説明。Twitterでは2019年から2020年にかけ、パフォーマンス広告を含むプロダクトコードの全面的な見直しが行われた。創業から15年目を迎え、今や数百万行にも達した関連ソースコードを再点検し、より保守性や可読性が高いものへと書き換えることで、新規広告商品の開発スピードを速めている。黒川氏はパフォーマンス広告を「シンプルに言えば、アプリのインストール広告やWebサイトに遷移させる広告である。」とした上で、「パフォーマンスマーケティングは依然としてTwitterの最優先事項である。」と強調した。

 

今年のフォーカスとして、「成果計測」、「ROAS」、「スケール」、「省力」の4つが挙げられた。黒川氏は、「より正確でロスの少ない成果計測を実現すべく、引き続き新技術を投入していく。これは単にレポーティングを改良するという話ではなく、最適化や機械学習のための重要なシグナルをより正確に取得していくということを意味している。」と述べた。続けて広告主にとって最重要指標であるROASの重要性も強調。広告費用に見合う成果をアプリ広告、ウェブサイト広告ともに実現すべく開発を進めていくとした。また、ROASを高く実現しながら並行してイベントの数を最大化し、スケールさせていく。さらに、Twitter広告を運用している広告主、代理店の手間の軽減を目指していく。この流れを大きな目標の1つとして掲げた。

 

3つの新プロダクトをローンチ

同社は2022年に入り、①サイト訪問数最適化、②集約測定、③イベントマネージャーの3つの新機能をリリースした。

 

①はWebサイトを訪問する可能性が最も高いオーディエンスに向けて広告を配信する、新しいウェブサイトトラフィック商品である。広告クリックだけをしてWebページを読まない人ではなく、確かに広告主のWebサイトを読むであろう人に向けて広告を配信していくものとなる。黒川氏は、インプレッション課金による配信量の安定も寄与し、より低い単価で質の高いインプレッションを現在獲得できているとした。また、β時点でのグローバル15社によるテスト結果の平均値では、既存のコンバージョン最適化プロダクトと比較してサイト訪問あたりの単価を31%削減。リンククリック最適化と比較すると67%削減という成果を残した。

 

②は今回標準提供された、新たなウェブサイトコンバージョンの計測ソリューション。アプリによるATT導入後は、Twitter広告マネージャーの管理画面では、トラッキングをオプトアウトした利用者のコンバージョン数の計測はできていなかった。集約測定により、ATTオプトアウト利用者に関するコンバージョン情報を、個人に紐づく情報を全て削除した上で再び加算し、より正確なコンバージョン数を把握することが可能となった。

 

③は、これまでコンバージョントラッキングツールとして提供していたものをシンプルにリニューアルしたものとなる。それに伴い、インターフェースが刷新され、更新される情報もリアルタイムのものとなっている。黒川氏は、イベントマネージャーは現在のものが最終形ではなく、今後も進化、拡張を続けていく予定だとした。

 

ライブショッピングプロダクトでツイート数が4倍に

併せて、同社からはライブショッピングプロダクトも先日テストローンチされた。これはライブ視聴中にツイートで口コミを確認しながら商品の購入が可能なプロダクトである。ショッピングサイトQoo10で先月実施されたライブでは約33万人が視聴。さらに、ライブで告知をした商品がQoo10の総合ランキングの1位となるという結果となった。これに対し黒川氏は、「これほどまでに効果が出たのは、会話の影響力が1つあると考えている。」と述べ、続けて「このライブによりツイート数が普段の平均の4倍まで引き上げられた。話題化が売上に寄与するということが非常に分かりやすく表れた事例である。」と強調した。

 

サイト訪問数最適化も顕著な効果を発揮

終盤では新プロダクトの導入事例が紹介された。ヤフーでは、Yahoo!ショッピングで新規顧客獲得を目的としたインタラクティブな「くじ」のキャンペーンを実施。そこで、前述の①サイト訪問数最適化のプロダクトを導入し、「くじ」ができるサイトへTwitterから誘導、集客するといった取り組みを行った。

 

Twitterでは検証としてキャンペーンを3つ用意し、既存のリンククリック数最適化、コンバージョン数最適化、そして今回のサイト訪問数最適化でのテストが実施された。結果として新プロダクトは顕著な効果を発揮した。サイト訪問あたりの単価では、リンククリック数最適化と比較してマイナス17%、コンバージョン数最適化との比較ではマイナス15%というパフォーマンスに。また、コンバージョンあたりの単価でも、新プロダクトは従来のコンバージョン数最適化キャンペーンと比較してマイナス14%という数値を達成。CPA指標においても従来の入札方式よりも獲得単価が改善されたという事例となった。

ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当 立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。 その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。