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マイクロアド上場会見―データを活用した広告以外の新たなプロダクトを展開

マイクロアドは2022年6月29日、東京証券取引所グロース市場に上場した。同日、東京・日本橋の日本取引所グループにて記者会見が開かれ、マイクロアドが主軸としているデータソリューションサービスの現状や新たに展開される金融業界向けデータプロダクトなどについて、同社代表取締役社長の渡辺健太郎氏(写真・右)と取締役の榎原良樹氏(写真・左)が見解を述べた。

 

今期中に金融業界向けデータプロダクトをリリース予定

マイクロアドは「データソリューションサービス」「デジタルサイネージサービス」「海外コンサルティングサービス」の3つのサービスを展開している。

 

そのなかでも、主軸としているのは「データソリューションサービス」であり、マイクロアドではデータと独自の分析技術により、マーケティングデータプラットフォーム「UNIVERSE(URL)」においては、約211のパートナーからオンライン・オフラインの消費購買データを収集し、業界・業種に特化した全17業種のマーケティングプロダクトを提供している。

 

BtoB広告(企業の決裁者向け)なら「シラレル(URL)」、自動車広告なら「IGNITION(URL)」といったマーケティングプロダクトを展開してきたマイクロアドだが、今後は金融業界向けデータプロダクトとして、保有するビックデータを独自に解析し、投資判断に活用できる分析データ群「オルタナティブデータ」を今期中にリリース予定となっている。

 

なお、6月29日付の新規上場に伴う公募による株式の発行により、親会社であったサイバーエージェントはその他関係会社(主要株主および筆頭株主は継続)となり、ソフトバンクはその他の関係会社および主要株主に該当しなくなった。

 

グローバルに向けた展開を進める

渡辺氏は「当社は2004年にサイバーエージェントの社内事業としてアドテクのサービスを提供し始め、2007年に独立をして今に至っている」とマイクロアドの歴史を振り返りながら「当時はアドテクの会社だったが、2016年の「UNIVERSE」の提供をきっかけにアドテクからデータビジネスへ大きく舵を切り、今は完全にデータの会社となっているが、今後は広告に留まらず様々なプロダクトを提供していきたい」と展望を話す。

 

現在、サービスの主軸となっているデータプロダクトは、2022年9月期第2四半期累計(2021年10月~2022年3月)においては、売上総利益に占めるシェアも52%まで拡大するに至った。

 

記者会見では今後の展望について多くの質問があがり、ログリー社とマイクロアドの事業提携の現状については、ログリー社とマイクロアド台湾が2022年4月にジョイントベンチャーを台湾で立ち上げ、事業提携を強化したことを報告。榎原氏は「ログリーが国内で展開してきたネイティブアドプラットフォームをアジアで展開していきたい。マイクロアド(台湾)は現地で顧客を抱えているので、一緒にプロダクトを作るとともに、彼らにも展開していければ」と語った。

 

今期中にリリース予定の投資判断に活用できる分析データ群「オルタナティブデータ」については、6領域・150以上の銘柄が分析可能となっている。この6領域について渡辺氏は「マーケティングとしてデータプロダクトを提供している全17業種が銘柄分析として必ず使えるものではないので、6領域の銘柄になっている」と説明したうえで「銘柄数は多ければ多いほど投資リスクは減らせるので、パフォーマンスを担保したうえで、今後も増やしていきたい」とした。

 

また、渡辺氏はオルタナティブデータ市場がグローバルで17億ドル(2020年時点)に達している予測を示しながら「投資マーケットはグローバルが対象となるので、日本のマーケットが小さくてもネガティブには見ていない。オルタナティブデータの販売先についても、国内・海外で分けておらず、海外へのヘッジファンドとも話をしている」と伝えた。

ABOUT 柏 海

柏 海

ExchangeWireJAPAN 編集担当
日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。