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MadTech Sketch:アドネットワークが再び隆盛となっている理由

今回のMadTech Sketchでは、アドネットワークモデルが、従来の認識を覆し、再び大きく拡大している理由をキアラン・オケーンが解説する。

 

業界関係者は往々にして、アドネットワークとその価値に否定的な見方をしている。アドネットワークと聞いただけで、不明瞭なアービトラージ(裁定取引)や、法外なテイクレート(手数料)の嫌な思い出が浮かんでくるからだ。だからこそ、プログラマティックが求められたのではないのか?

 

消滅のうわさがあったにもかかわらず、アドネットワークモデルはかつてないほど強力になっている。2022年だけでも、欧州のアドネットワークのM&Aには合計190億ドル(約2兆6400億円)が投じられており、引退して新たにアドネットワークを立ち上げた業界の大物も現れている。

 

アドネットワークとは何かということについて、混乱があるように見えるため、その定義を明確にしておくことは重要だろう。アドネットワークとは、自身のメディアを持たないサードパーティの配信事業者だ。もちろん、ウォールドガーデン企業がサードパーティの在庫で自身のデータを有効化する場合、それもまたアドネットワークだ。また、真のアドネットワークであるためには、受発注機能(IO)または「マネージドサービス」というビジネスモデルが必要だ。

 

アドネットワークは復活し、これから大きな10年を迎えることになるだろう。今回のMadTech Sketchでは、この断片化された新時代に、勝利を収める3種類のアドネットワークを紹介する:

 

  1. テクノロジー特化型アドネットワーク:これを「ポイントソリューション」アドネットワークと表現する人もいるが、やや失礼な呼び名だと思う。シードタグ(SeedTag)、タップタップ(TapTap)、ループミー(LoopMe)、キャプティファイ(Captify)など、多くの企業が独自技術で強力なビジネスを構築している。AIから検索リターゲティング、位置情報まで、IOやテクノロジーを武器とする評価額1億ドル(約139億円)超の企業が次々と生まれている。

 

  1. チャネル特化型アドネットワーク:特定チャネルでのメディアエグゼキューションに特化したアドネットワークが、これからいくつも出てくるだろう。リテールメディア、OOH、TikTok、テレビなどでキャンペーンを行うには、それぞれに特化した測定、ターゲティング、クリエイティブ能力を構築する必要があるからだ。

 

  1.  3. ゼネラリスト(汎用型):マイキュー(MiQ)の評価額が跳ね上がったことからもわかるように、ゼネラリストは規模拡大の可能性を秘めている。ほとんどの場合、このセグメントのアドネットワークは特定の技術に依存することなく、クラス最高のトレーディング能力や分析機能などの重要なアドオンで価値を高めている。

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本記事は、ExchangeWire.comに掲載された記事の中から日本の読者向けにCARTA HOLDINGSが翻訳・編集し、ご提供しています。

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2019年にCCIとVOYAGE GROUPの経営統合により設立。インターネット広告領域において自社プラットフォームを中心に幅広く事業を展開。電通グループとの協業によりテレビCMのデジタル化など新しい領域にも積極的に事業領域を拡大している。