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Sensor Towerがマーケットインテリジェンスのdata.aiを買収

モバイルアプリ/ゲームを中心とした、デジタル経済に関するデータを提供するリーディング企業のSensor Towerは、data.aiを買収したことを発表した。今回の買収によって、Sensor Towerはマーケティングインテリジェンスにおける業界標準のソリューションをさらに拡大・創出する方針を示している。

 

data.aiの買収は、同社のモバイルアプリインテリジェンスツールを利用している主要ブランドのMicrosoft、Sky、Bandai Namcoなどを含む顧客基盤の拡大を意味し、Sensor Towerにとって重要な進化。すでにトップブランド、代理店、ゲームパブリッシャー、投資家から信頼を寄せられているSensor Towerにとって、APACでのプレゼンスを大幅に拡大し、さらにFortune500の企業と協力するという戦略的な動きでもある。Sensor Towerとdata.aiの統合によって、データの正確性、グローバルなカバレッジ、そして2,000社以上の企業顧客に提供する製品の幅が大きく拡大することになる。

 

Sensor Towerの最高経営責任者(CEO)であるOliver Yehは、「Sensor Towerだけでなく、デジタルマーケティングとモバイルアプリインテリジェンス業界にとって、新しくエキサイティングな章の始まりとなるこの日を祝したいと思います。Sensor Towerは、data.aiの優れた製品と質の高いチームを長い間賞賛してきました。この買収によって、Sensor Towerはユーザーを拡大し、デジタル経済に参加するあらゆる企業へクラス最高のサービスを提供できるようになり、企業と消費者の橋渡しをすることができます」と述べている。

 

現在、世界中の人たちは数多くのデジタルチャネルで交流し、遊び、視聴し、ショッピングをする時間が増えている。2023年には、世界の消費者はIAP(アプリ内課金)に1,300億ドルを費やした。Google、Meta、TikTok、Instagram、Snapなどの主要プラットフォームは、ユーザー獲得、維持、収益化に多額の投資を行っており、デジタル経済におけるこうしたトレンドはさらに高まることが予想される。

 

Sensor Towerによるdata.aiの買収は、同社の急成長と2021年のPathmaticsの買収成功に続くもの。Pathmaticsでは、広範なデジタル環境におけるブランド活動と広告費の可視性を高めることで、同社のバイヤーペルソナと顧客基盤を拡大した。Sensor Towerのデジタルインテリジェンススイートは、独自の差別化されたファーストパーティパネルデータを基盤としており、インサイトは年間サブスクリプションモデルで提供されている。

 

data.aiのCEOであるTed Krantzは、「2010年以来、data.aiは世界中の優れたブランドやパブリッシャーのモバイルパフォーマンスの最適化を支援してきました。このたびの進化は、イノベーション、より多くのチャネルにおけるより多くのインサイト、そして最終的にはクライアントが得るより多くの価値への最良の道を提供します」。

 

プラットフォームと顧客の統合にとどまらず、Sensor Towerのリーダーシップチームはそのまま継続して統合後の会社をマネージします。Oliver Yehは、「SensorTowerとdata.aiを統合するにあたり、新しいチームメンバーを迎え入れたいと考えています。統合にはチーム構造の最適化も必要と考えています。私たちは、この移行期間中に退社する同僚への支援とリソースを提供することを約束します」と述べている。

 

Riverwood Capitalの共同創業者兼マネージングパートナーであり、Sensor Tower取締役会メンバーであるJeff Parksは、「私たちが、2020年にOliverとそのチームの後ろ盾として投資できたことは光栄です。そして、戦略的な意思決定を行うために必要なインテリジェンスソリューションの未来を形作るSensor Towerに感銘を受け続けています。統合された会社がデジタル経済をよりよく理解し、デジタル経済に参加しようとするお客様に、データがどのような価値を提供できるかの標準的な基準となることを信じています」。

 

Riverwood CapitalのパートナーでSensor Towerの取締役会メンバーであるRamesh Venugopalは、「企業が消費者のデジタルフットプリントの全体的な理解を積極的に追求する動向は、Sensor Towerのチームと最初から共有してきたビジョンです。より多くの企業が洗練されたマルチチャネルのマーケットインテリジェンスアプローチを採用するにつれ、このパターンが現れ続けているのを目の当たりにして、うれしく思っています」。

 

Bain Capital Creditが資金調達を主導し、Riverwood Capitalがそれに続き、Paramark Venturesgが新たに投資した。

 

ソウルを拠点とするクロスボーダー投資を専門とするベンチャーキャピタルParamark VenturesのマネージングパートナーであるChunsoo Kimは、「今回の統合は、Sensor Towerのグローバルなプレゼンスを拡大するためだけのものではなく、マーケティング業界全体がデジタル経済を測定する能力に与える影響を増幅するものです。この2つの事業体が組み合わさることで、より深いインサイトと製品体験の向上が可能になりました。デジタル経済が活況を呈しているダイナミックなAPAC市場をより深く掘り下げていくチームをサポートできることを特にうれしく思います」。

 

Bain Capital CreditのディレクターであるDavid Healeyは、「RiverwoodとSensor Towerのチームはユニークな技術で優れたビジネスを構築しており、買収と同社の次の成長段階をサポートするために彼らと提携できることをうれしく思います」。

 

William Blair & Company, LLCが財務アドバイザーを務め、Simpson Thacher & Bartlett LLPがこの取引でSensor Towerの法律顧問を務めた。

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。