【Relic調査】2024年の新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場は149億円、2029年には363億円と予測
by ニュース
on 2025年2月04日 in
日本企業の新規事業開発やイノベーション創出を支援する事業共創カンパニーである株式会社Relicは、株式会社デジタルインファクトと共同で、新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場に関する調査を実施した(URL)。
本調査では、企業が新しい事業・ビジネスモデルの立ち上げや商品・サービスの開発を行う活動に対して第三者の立場からコンサルティング・支援をする、ブティックコンサルティング企業(※)へ支払われる年間投資・支出額の総額を「新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場」と定義し、市場規模の推計・予測を行なった。
(※)ブティックコンサルティング企業とは、特定領域・専門領域に特化したコンサルティング企業を指す。
技術革新や消費者ニーズの多様化、既存事業における市場のシュリンクなどを背景として、企業においては新たなサービスやビジネスを提供することが求められる経営環境となり、新規事業開発への投資意欲が高まってきている。また、コロナ禍によるビジネス環境の大きな変化も、企業の新規事業開発への意欲を押し上げるきっかけの一つとなり、政府や自治体も補助金・助成金を通じて、企業の新規事業開発を支援している。新規事業開発にはM&Aやジョイントベンチャーの設立など、様々な選択が取られているが、新規事業開発に特化した社内の人材育成や組織開発の観点から、コンサルティング企業などの第三者への依頼も増えている。
これらの新規事業開発への投資は大企業を中心として推進されてきたが、近年は経営環境の変化や政府・自治体の支援により、中小企業においても新規事業開発への投資が推進されるようになってきた。その結果、サービス提供を行うコンサルティング企業においても、特定領域・専門領域に特化した様々なプレイヤー、「ブティックコンサルティング企業」が市場へ積極的に参入し、短期間・低単価によるサービス提供も増えている。
一方で、社内で生まれた新規事業は実証実験などを通じて早期に事業化を進めていくことが求められるが、特に大企業においては、コーポレートガバナンス(企業統治)に基づいた厳格なプロセスを通すことが新規事業開発の壁となり、また事業化を進めることで、既存事業では無かったレピュテーションリスクなど、新たな課題も生まれている。それらの課題を解決するため、コンサルティング会社が顧客企業と協働し、新規事業開発およびサービスリリースの主体者となったうえで、ビジネスを拡大させていく「共同開発モデル」の需要が大企業を中心に高まってきている。
この共同開発モデルは企業におけるカーブアウトや出向起業制度への理解が進んだことからも、選択肢の一つとして着目されるようになってきた。共同開発モデルは、新規事業開発に壁がある大企業を中心に利用されているが、コンサルティング会社と1つの会社・チームとなった事業開発やその支援を受けることが可能となり、人材や組織の成長や育成にも大きく寄与している。
これらを背景に、2024年の新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場規模は、前年比約1. 2倍の149億円と推測される。そのうち、「共同開発モデル」の割合は約20%を占めている。
また、今後も新規事業開発への啓発やノウハウの普及が進むことで、長期的な視点での投資意欲が高まり、事業の収益化段階(アーリーステージ)での更なる投資も進むことで、市場が更に拡大していくことに期待されている。共同開発モデルについてもカーブアウトと合わせ、既存の企業とは別の企業体やチームで新規事業開発を進めていく機運が高まっていくことにより、継続的な市場成長が見込まれる。
同社はこのような背景から、2029年の新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場は2024年比約2.4倍の363億円に達すると予測している。
ABOUT 柏 海
.jpg)
ExchangeWireJAPAN 編集担当
日本大学芸術学部文芸学科卒業。
在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。