社内を見つめることで生まれるPR施策を目指して-ニューステクノロジー 林 優里氏
by ニュース
on 2025年6月25日 in
デジタル広告業界で働く広報・マーケティング担当者は、専門性が高く難解な業界用語と向き合いながら、形として見えにくい自社プロダクトやサービスを、日々顧客をはじめとする様々なステークホルダーに、ストーリー性をもって分かりやすく伝え、自社のブランド価値を高めていくことが求められる。
そんなミッションをもつ広報・マーケティング担当者は日々何を考え、どんなことに向き合っているのだろうか。デジタル広告業界の広報・マーケティングのプロフェッショナルにインタビューを行い、彼らのリアルに迫る。第1回は、DOOHメディア業界をけん引し、タクシーサイネージメディアを筆頭に複数のメディア事業を運営する株式会社ニューステクノロジー の林 優里氏にお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWire JAPAN 角田 知香)
【インタビュー対象者】
林 優里氏
株式会社ニューステクノロジー 広報マネージャー
新卒で航空会社に入社し客室乗務員として数年勤務した後、20代のうちに色々なことを経験したいという想いから、もともと興味があったPRの仕事が出来るベクトルグループのニューステクノロジーに転職し、広報部門に配属される。
【インタビュー対象企業】
株式会社ニューステクノロジー
国内最大手のPR会社であるベクトルのグループ企業として、モビリティプラットフォームや動画マーケティングを中心に事業を展開。都内最大級のタクシーサイネージメディア「GROWTH」、日本初のモビリティ車窓メディア「Canvas」など、移動空間を活用した新たなメディア開発に注力。さらにYouTubeを主軸とするカルチャー動画メディア「McGuffin」や、喫煙所サイネージメディア「BREAK」など、オンラインからオフラインまで多様なメディアを展開している。
-現在ご担当されている業務領域を教えてください。
林氏:ニューステクノロジーでは、サイネージを起点としたメディア事業やYouTube・映像制作、モビリティ領域で高級ハイヤーサービスも手掛けています。それぞれの広報戦略の立案から、戦略に紐づくPR企画の進行、プレスリリース作成、メディアリレーションの構築、イベント企画などを行っています。採用広報を目的とし、オウンドメディアを運営したり、各サービスのSNSを活用した企画のディレクションも一部担当しています。さらに社内広報として、定期的な社内イベントの運営や最近は社内のサイネージを活用したコンテンツ作りや企画も手掛けています。
すべてのサイネージにクリエイティビティを
-社内向けの広報とはどういったものでしょうか。
林氏:デジタルサイネージを手掛ける企業ということもあり、社内のいたるところにサイネージが設置してあります。そこで社内に対して何を発信していくのかというコンテンツ作りや社内イベントの運営などがあります。
代表がPR会社出身であるということもあり、アウトプットには目的に対して、クリエイティブかつスタイリッシュな表現が求められます。代表の方針に加えて「広報ならではの視点で、社員にどんな情報を届けたいか」ということを意識してコンテンツ作りをしています。
-社外向けのイベントなども多くありますか。
林氏:最近ですとカルチャー動画メディア「McGuffin」で、メンバーシップ向けのイベントを企画提案しました。その他、クライアントや広告代理店向けにデジタルサイネージ事業のメディア勉強会を企画することもあります。自社開催以外にも、代表や営業メンバーが広告やメディア関連のカンファレンスに登壇することもあるので、ニューステクノロジーとしてどういったターゲットに、どのようなメッセージを発信していくべくなのかということを代表や事業部とすり合わせながら全体の構成を考えていきます。
-会社の雰囲気はいかがですか。
林氏:中途採用での社員が多く、メディア・広告業界以外から異業種転職してきている社員も多くいます。私もその一人ですが、それぞれのスキルを活かしつつ、チームで補いあっている空気があります。一人一人の裁量が大きく、若手であっても頑張り次第で評価される職場です。
-主な顧客層を教えてください。
林氏:広告主や広告代理店が主な顧客となりますが、ステークホルダーは多岐にわたります。タクシーのサイネージから、映像制作やモビリティなど各事業部によって向きあう顧客は変わってきます。広報として各事業部とコミュニケーションを取り、こちらから積極的に提案するときと、意見を聞きながら進めていくときと、事業の進捗や事業部の空気感によって、手段を使い分けながら進めています。
地道なインプットと社内コミュニケーションを日々積み上げていく
-どのような業務に時間を割くことが多いですか。
林氏:メディアリレーションの構築には、常に一定の時間を割いています。私が入社したときはそもそもメディアとの関わりがなかったので、メディアの方に会いに行って、プロフィール資料を持ち込んで代表や会社・サービスの取材をお願いするというようなことが多かったです。そのころと比べると企画やイベント運営、コンテンツ作りなどに割く時間が増えてきましたが、今でもメディアとのお付き合いはとても大切にしています。こまめに対面でお会いし、コミュニケーションを取ってトレンドや読者の興味・関心を把握しておかないと、広報として時流を汲み取った提案もでてこないと思います。常に生の声から情報収集をしてインプットをし、自分の意見や思考をもって提案できるように日々勉強しています。
-業務で注力していることは何ですか。
林氏:事業部ごとでステークホルダーや課題が異なるので、短期・中長期での戦略や施策の立て方もさまざまです。絶えず状況も変化する中で、コミュニケーションを通してそれぞれのサービスの進捗把握をしておくことには注力しています。そうしないと、意図を持った再現性の高いPR施策はできてないと感じているからです。広報部門としては、良かれと思い一定のコストや労力をかけてPR施策を実施しても、振り返った時に会社やサービス単位で、どういった意味やインパクトがあったのか説明できないという状態は一番避けるべきだと思います。
代表からは、「社内の状況や課題感をきちんと把握・理解していることが事業成長に繋がるPRを生む」とよく言われます。時には、社内でのちょっとした出来事や声がPRのネタやヒントになり、企画やメディアへの露出に繋がることもあります。それが結果、事業成長や課題解決に繋がるアウトプットになることもあると思います。最近では、セールスチームにPRの視点を交えて、企画の切り口などを提案をすることもあり、良い形での社内連携ができていると思います。
-いま最もPRしたいことを教えてください。
タクシーサイネージメディア「GROWTH」を筆頭に、喫煙所サイネージメディア「BREAK」やカルチャー動画メディア「McGuffin」など、オフラインからオンラインまで複数のメディアを運営しています。社内に映像制作の事業部「HOLONIX」もあり、作るところから届けるところまで一気通貫したプランニングが可能です。興味のある方は是非お気軽に会社HPよりご連絡いただけますと幸いです。
https://newstech.co.jp/contact/
ABOUT 角田 知香

ExchangeWireJAPAN 編集担当。イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。