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ビッグデータからカルチュラル・キャピタルへ:なぜブランドエクイティがAI時代における最も強力 なシグナルとなり得るのか

10年前、個人データはデジタル広告において最も価値のある資産の一つでした。AIパーソナルアシスタントやエージェントが普及するこれからの世界では、その価値は商品レビューやニュースの見出し、あるいは話題を生むスーパーボウル広告へと移る可能性があります。

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AIの大規模言語モデル(LLM)やエージェントが商品発見や選択において重要な役割を担う中、これらに影響を与えるシグナルは個人の行動データから、共有された文化的文脈へと移行しています。

AIボットが購買プロセスの最終段階、あるいは初期選定を担う状況では、その推薦を形作るシグナルは、メディア報道、レビュー、クリエイティブキャンペーン、インフルエンサーの支持、そしてコミュニティやクリエイタープラットフォーム上の公開された会話から生まれるようになります。言い換えれば、AI時代においてブランドエクイティは機械可読なシグナルとなり、マーケティング投資や決定論的データ・個人データへの依存のあり方を再定義していきます。

 

「すべてを収集する」発想の終焉

これまでデジタルマーケティングは、「より多くのデータ(特に決定論的データ)を収集するほど広告効果が高まる」という前提のもとで展開されてきました。しかし、そのモデルは限界に達しています。社会的な要請やプライバシー規制により、企業は収集するデータとその活用方法をより慎重に選ぶ必要に迫られています。同時に、チャットボットやAIアシスタントの普及により、影響力が生まれる場所そのものも変化しています。

 

AIが「シグナル」の定義を書き換える

大規模言語モデルは、ニュース、レビュー、ソーシャル上の会話、動画などの公開情報を取り込む「文化的アグリゲーター」として機能します。その結果、ブランドが文化や公共の会話の中で十分な存在感を持たなければ、AIによる推薦に表示される可能性は低くなります。

 

クリエイティビティがシグナルを生み出す

文化の一部となるためには、ブランドは創造性を発揮する必要があります。調査によると、クリエイティビティはキャンペーン成果の約半分を占めるとされています。クリエイティブなキャンペーンや公共の会話は、推薦を形成する重要なインプットとなります。

 

エージェント時代の到来

AIエージェントは中間プロセスの排除をさらに加速させる可能性があります。消費者は意思決定を自動化されたアシスタントに委ねるようになるかもしれません。ブランドが消費者と直接接点を持つ機会は減少していくでしょう。

 

マーケティングの原点へ

ブランドは依然として、オーディエンスを理解し、信頼を獲得し、共感を生むアイデアを創出する必要があります。最も価値のあるデータは、もはや消費者から収集するものではないかもしれません。
それはブランド自身が生み出すカルチュラル・キャピタルなのです。

 

コラム執筆者

 

松本 亮

Ogury Japan, Country Manager

L’Oréal、BMW、Johnson&Johnsonなどでブランドマーケティングやカスタマーマーケティングに従事。2014年からCriteoでアジア太平洋担当のマーケティング・マネージャーとして事業拡大に貢献したのち、GumGumの日本ローンチを担当し、クッキーレス広告市場の創出と拡大をけん引した。2022年4月より現職。

 

 

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