SeenThis・電通デジタル・The Trade Desk対談:品質が高く効率的な動画広告体験を再定義 - リッチクリエイティブ動画が導く新たな可能性[インタビュー]
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ブランディング戦略の要として活用されている動画広告は質の高い視聴体験と高いブランド効果が期待できる。一方、生活者のメディア接触が多様化する中、より幅広い生活者との接点を築くには、複数のタッチポイントを横断したコミュニケーションを設計し、効率的にリーチを広げる視点も欠かせない。本稿では、その選択肢の一つとして注目される「リッチクリエイティブ動画」を軸に、テクノロジー企業2社と広告代理店が、動画広告における質と効率性への打ち手と、具体的な活用事例について議論した。
(Sponsored by SeenThis Japan)
動画広告のプランニングを広告体験とインクリメンタルから考える
― 自己紹介をお願いします。
飯嶋氏:SeenThis Japan株式会社(以下、SeenThis)の営業責任者を務める飯嶋攝子(いいじませつこ)と申します。当社は「オープンウェブにおける動画広告パートナー」として、消費者の動画広告体験を高めるため、従来は静止画が中心だったディスプレイ枠に、動画広告を配信する技術を提供しています。また、キャンペーンの目的に応じたリッチクリエイティブの制作も支援しており、DSPとの連携により動画広告の視聴体験の向上や認知拡大、成果向上を実現しています。
藤澤氏:株式会社電通デジタル(以下、電通デジタル)でアカウントプランナーを務める藤澤千里(ふじさわちさと)です。主に外資系広告主のコミュニケーションおよびメディア設計を担当しています。その中で、広告効果の高いインクリメンタルリーチを増やす認知キャンペーンを取り組んでおり、SeenThisとは日本法人の設立当初からさまざまな取り組みをご一緒しています。
服部氏:The Trade Desk Japan株式会社(以下、TTD)の服部和磨(はっとりかずま)です。TTDは、広告主や広告代理店向けに、透明性と効率性を重視した広告配信プラットフォームを提供しています。私はストラテジックプランナーとして、広告主のマーケティング課題に合わせ、広告戦略の立案や、広告チャネルを横断したキャンペーン設計、インサイトの提供を支援しています。
― 近年、生活者のメディア接触が多様化する中、動画広告の現状と課題、今後のプランニングに必要な視点について、それぞれの立場からお聞かせください。
藤澤氏:認知目的の動画広告を実施する際に、主には動画やSNSなど利用者が多いプラットフォームから予算を当てはめていくことが多いように感じます。しかし、生活者のメディア習慣や接触が多様化した中で、利用者の多いプラットフォームだけを選択することに課題を感じる部分もあります。
株式会社電通デジタル 藤澤千里氏
そこで私自身、よりチャネルを横断して広告アプローチを設計していくことや、動画広告自体の体験も多面的に行うこと、加えて、その中でも効率的にインクリメンタルリーチを増やすことでブランドと生活者の新しい出会いを増やすことを意識してプランニングを行うようになってきています。
服部氏:先ほど藤澤さんがおっしゃったようにデジタル広告投資は一部のプラットフォームに集中する傾向があり、生活者の実際のメディア接触との間にはギャップも見られます。広告主がUGCやSNSも重要な広告接点と捉えていることは深く理解しています。その上で、我々としては、より多様なチャネルを通して生活者へブランドメッセージを届け、広告コミュニケーションを設計し、さらには、チャネルを横断してデータを捉え、得られた知見を次の施策に生かすことも重要だと考えています。
飯嶋氏:SeenThisとしては、生活者の関心に沿ったコンテンツ環境でブランドメッセージを届けることが重要だと考えています。しかし、現状は「オープンウェブ」と呼ばれるニュースやファッションなどの数多くの多岐に渡るメディアが保有する広告枠の可能性が十分に認識されておらず、まだまだ活用の余地があると考えております。オープンウェブ、中でもSeenThisではディスプレイ枠の活用を再定義しており、インクリメンタルが望めるリーチ機会も多く、ブランドと生活者の新たな接点を生み出せる領域だと考えています。
藤澤氏:主要なディスプレイネットワークが提供する従来型のディスプレイ広告は、低CPCでウェブサイトへ誘導する、いわゆるダイレクトよりのイメージで語られることが多いです。一方、SeenThisが提供するようなリッチクリエイティブ動画を活用できると、生活者へ新たな広告体験を与え、ブランドメッセージを深く伝えることに役立つことに繋がります。現状は、その配信面や活用方法はまだ十分に知られていないため、より理解が広がれば、広告目的に応じて、より柔軟なプランニングや広告配信が可能になると思います。
服部氏:TTDでは、オーバーザトップ(OTT)/コネクテッドテレビ、オーディオ、屋外広告(DOOH)、ディスプレイなど、複数チャネルを横断的に配信・管理・評価できる広告プラットフォームを提供しています。広告体験を設計する上では、それぞれのチャネルの役割や特性を踏まえ、生活者がどの接点でブランドと出会うかを考えながら、横断的に広告を配信することが重要です。その中で、ディスプレイ枠も重要なチャネルの一つです。SeenThisのような1インプレッションの価値を高めるパートナーと共にリッチクリエイティブ動画を魅力的に伝えられることは、生活者とのより豊かな接点を生み出せます。
― 「リッチクリエイティブ動画」とは実際にどのような広告なのでしょうか。
飯嶋氏:動画素材は他の動画広告と同じものを利用しますが、リッチクリエイティブでは動画広告と静止画を組み合わせたり、ギミックを追加するなど、インタラクティブな要素を加えることで、既存の動画素材を活かしながら表現の幅を広げることができる広告です。また、動画の周囲に企業ロゴや商品情報を継続的に表示することで、ブランドやメッセージをより明確に伝えることも可能です。既存の動画素材を元に表現の幅を広げ、ブランド想起や生活者のアクションにつながる接点を設計できる点が特徴です。
SeenThisクリエイティブ画像例
![]() ハイブリッド | ![]() カルーセル |
(上記はイメージです。SeenThis のクリエイティブ詳細はこちらをご覧ください)
― 表現力に加えて、配信やコストの面ではどのような特徴がありますか。
飯嶋氏:一般的な動画広告は、各プラットフォームが提供する動画広告枠に配信されます。一方、SeenThisでは、オープンウェブ上に広がるディスプレイ広告枠も動画の配信機会として活用できます。配信可能な広告在庫が広がることで、動画の表現力を生かしながら、リーチ規模とコスト効率を両立しやすくなります。
服部氏:質の高い動画広告を活用されたい一方で、コスト面も重視される広告主も多くいらっしゃいます。SeenThisのリッチクリエイティブ動画をTTDを通じて配信・最適化することで、幅広い配信面を活用しつつ、効率的にリーチを拡大することができます。
―リッチクリエイティブ広告フォーマットを提供する事業者が複数ある中で、SeenThisならではの強みはどのような点にありますか。
飯嶋氏:リッチクリエイティブは以前から活用されている広告フォーマットですが、表現を豊かにするほどデータ容量が大きくなり、通信環境によっては読み込みに時間がかかる場合があります。
SeenThisは独自の「アダプティブストリーミング技術」により、通信環境に応じて動画データを最適に配信します。これにより、ページの動作やコンテンツの閲覧を妨げにくく、生活者のメディア体験を保ちながら、動画広告を素早く滑らかに表示できます。こうした仕組みを通じて、ビューアビリティ、再生率、視聴完了率などの向上を支援します。
SeenThis Japan株式会社 飯嶋攝子氏
また、SeenThis では、専任のクリエイティブ制作チームがおり、クライアントから提供いただく素材を活用して、キャンペーンの目的、KPIに最適なクリエイティブをご提案しています。配信技術と質の高いクリエイティブの両面から、キャンペーン成果の向上を支援できる点がSeenThisの特徴です。
リッチクリエイティブ動画を掛け合わせ、広告接点を拡張
―3社が共同して取り組んだというキャンペーン概要をお聞かせください。
藤澤氏:担当する広告主様から、認知系のキャンペーンのご依頼を継続的に受けており、1年目は大手動画広告プラットフォーム、2年目にオーディオ広告を追加、そして3年目となる今年からディスプレイ枠を活用したリッチクリエイティブ動画を新たに組み込みました。
その広告主様では、市場が大きく拡大するOTTをはじめとするプレミアムな動画媒体への出稿を強化しながら、同時に、より幅広い生活者との接点をつくっていきたいというニーズがありました。そこで、特定のチャネルに置き換えるのではなく、それぞれのメディアの強みを生かしながら、キャンペーン全体としてリーチと広告体験を広げていくことを考えました。
その中で、既存の動画広告を補完し、新たな接点を加える選択肢として、オープンウェブの幅広い配信面を活用できるSeenThisのリッチクリエイティブ動画をご提案し、採用いただきました。
服部氏:今回は幅広い生活者を対象としていたため、TTDを経由してSeenThisを含む複数のチャネルを横断して配信し、継続的にブランドメッセージを届けつつ、チャネルを横断して広告効果を評価できる設計としました。また、データ活用の文脈では、広告主様のファーストパーティデータを活用し、広告クリエイティブと広告配信データの効果検証なども行いました。
―キャンペーンの配信結果をお聞かせください。
藤澤氏:配信結果を見ると、各チャネルがそれぞれ異なる役割を果たしていることが確認できました。SeenThisは、オープンウェブの幅広い配信面を活用することで、効率的なリーチ獲得と高いコスト効率を示しました。
SeenThis を基準とした場合のCPM単価比較
一方で、OTTや音声広告もそれぞれの接触環境や広告体験を生かし、ブランド効果の面で良好な結果が確認されました。加えて、SeenThis単体でも非接触者と比較して広告認知のブランドリフトが確認され、クリエイティブによっては特に高い効果が見られるなど、ブランド効果への貢献も確認できました。
ブランドリフト調査 – 広告認知
服部氏:また、OTTのみに接触した層と、SeenThisとOTTの両方に接触した層を比較したところ、両方に接触した層で、より高いブランドリフトが確認されました。この結果から、SeenThisとOTTは二者択一ではなく、組み合わせることで相互に効果を補完し、ブランド効果をさらに高められる可能性があると考えています。
複数チャネル接触によるブランド認知効果
―SeenThis の運用サポートについてはどう評価していますか。
藤澤氏:SeenThisには、キャンペーンの目的に合わせて、遊び心を取り入れた多様なクリエイティブをご提案いただきました。制作まで一貫して支援いただけるため、運用負担を抑えながら、新しい表現に挑戦できた点を高く評価しています。
服部氏:施策の目的や概要を共有すると、短期間で具体的なクリエイティブに落とし込んでいただけます。企画意図を的確に捉え、リッチクリエイティブとして形にする提案力とスピードは、SeenThisの大きな強みだと感じていますし、会社としてホスピタリティの高さを感じています。
いつもの広告配信に新たな選択肢を追加
― 今回の取り組みについて広告主はどのように評価していますか。
藤澤氏:配信結果にご満足いただいたほか、新たなチャネルへチャレンジしていくことの具体的な重要性を理解いただく機会にもなりました。データ活用への関心も高まり、現在ではキャンペーンの設計段階から、チャネルの組み合わせや活用方法について意見交換する機会が増えています。
今回の3社共同の取り組みでは、SeenThisとTTDの強みを生かし、幅広い生活者に質の高いクリエイティブを効率的に届けることができました。プレミアム動画とその他の動画広告を二者択一で捉えるのではなく、それぞれの役割や強みを生かして組み合わせることが重要です。SeenThisは、コスト効率とブランド効果の両立を支援する選択肢の一つとして、まずは既存キャンペーンの一部に組み込み、効果を検証いただくのがよいと思います。
服部氏:前年度の実績を生かして広告配信を継続することは重要ですが、生活者のメディア接触は常に変化しています。定期的に配信結果を見直し、複数のチャネルを横断して成果を捉えることで、それぞれの役割や生活者の反応をより具体的に把握できます。こうした分析結果やインサイトを、次のキャンペーン設計や配信改善につなげることが重要です。
The Trade Desk 服部和磨氏
飯嶋氏:新しい媒体を試すことで、特に広告代理店の業務負担が増えることは理解しています。当社はTTDの配信技術と提携することで広告主・広告代理店の追加負担を相当程度に軽減しているので、ぜひお気軽にご利用いただけたらと思います。またTTDとの提携を通じて、視聴完了率といった動画自体のデータに留まらず、その他の統合的なデータを活用することで仮説検証が行えることも利点となっています。
服部氏:SeenThisとTTDのデータを掛け合わせることで、エンゲージメントしたオーディエンスの反応や接触状況に応じて、クリエイティブや配信設計を最適化することなどができます。また、広告主様が持つファーストパーティデータやTTDの広告ログデータと掛け合わせれば、ユーザー属性ごとの傾向を見出すこともできます。
TTDは現在、エージェントAIの活用を推進しており、2026年8月には、TTDのKokaiプラットフォームの大幅なアップグレード「ZUMA」の一環として「Koa Agents」を発表しました。また、広告代理店や広告主が自社のエージェントAIシステムをKoa Agentsに接続できる「Open Agentic Kit」も今後導入する予定です。これにより、広告代理店や広告主が利用する幅広いテクノロジーエコシステム全体で、ワークフローをよりシームレスにつなげることが可能になります。今後はこうした取り組みを通じて、複数のチャネルから得られる豊富なデータやインサイトをキャンペーン改善により迅速に活用できる環境の構築にも取り組んでいきます。
― では最後に、飯嶋さんから読者へメッセージをお願いします。
飯嶋氏:SeenThis Japan設立からまもなく2年を迎えようとしています。しかしながら、まだまだ当社と当社のケイパビリティをご存じない方は多くいらっしゃると思うので、より多くの広告主様にご興味を持っていただきたいです。当社のテクノロジーを使えば、動画広告に関する指標はほぼ確実に改善します。限りある広告予算を少しでも効率よくご活用いただき、オープンウェブ上の1インプレッションの価値を上げるための手段としてぜひご活用いただけたと思います。
SeenThis Japan株式会社
オープンウェブ上には、まだ十分に活用されていない膨大な広告ポテンシャルが存在しています。多くの広告主が大手主要プラットフォームでのリーチを追い求める一方で、ユーザーはプレミアムパブリッシャーやその他様々なコンテンツ上で多くのオンライン時間を過ごしています。しかし、これまでオープンウェブ上での動画広告は、その力を十分に発揮できていませんでした。SeenThisは、こうした状況に変革を起こします。SeenThis はみなさまの動画広告パートナーとして、オープンウェブでも確かな成果が出ることを証明し、パブリッシャーの収益性を維持しながら、コスト効率の高い動画広告によって、より多くのアテンションと卓越した成果を実現します。2017年の創業以来、SeenThisは50カ国以上・5,000を超えるブランドに対し、数十億回規模のストリーミング配信を提供してきました。ブランドには、オーディエンスがいるすべての場所でリーチする権利があり、パブリッシャーには、持続可能な収益を得る権利があり、そしてインターネットは、オープンであり続けるべきである、と考えています。
・会社名:SeenThis Japan株式会社
・マネージングディレクター:今村 幸彦
・所在地:東京都港区麻布十番2-20-7
・URL:https://seenthis.co/ja/
・LinkedIn : https://jp.linkedin.com/company/seen-this-japan
・お問い合わせ:info@seenthis.jp
ABOUT 長野 雅俊
ExchangeWireJAPAN 共同編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。ExchangeWire主催の大型イベントであるATS Tokyoのモデレーターも務めている。













