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先週のアドテクシーン:日本オラクルが買収したBlueKaiのDMPを含むクラウドサービスを発表、cciがインストリーム広告アドネットワークの提供を開始

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

 

 

 

DSP「Logicad」が「Microsoft Advertising Exchange」と接続

ソネット・メディア・ネットワークスは、同社が運営するディスプレイ広告の配信最適化を実現するDSP「Logicad」を通じて、日本マイクロソフトが運営するアドエクスチェンジ「Microsoft Advertising Exchange」へRTBに対応した広告配信を開始した。Microsoft Advertising Exchangeは、MSN・Skype・Outlookなどの独自在庫が強みだが、国内ではFreakOut・MarketOneなどが既に接続をしている。今回Logicadも加わることで、徐々に接続先が充実してきていることが分かる。

 

DSP「FreakOut」にはてな共同開発のアドベリフィケーション機能が搭載

フリークアウトは、はてなと共同でアドベリフィケーション機能「BrandSafe はてな」を開発し、フリークアウトが開発・提供するDSP「FreakOut」に搭載、「BrandSafe はてな for FreakOut」としてサービス提供を開始したと発表した

はてなの持つサイト判定アルゴリズムを応用することで、不適切なサイトへの配信を抑制し、取り扱い枠の透明性を向上させる。FreakOutをブラックボックス型のDSPだと指摘する声もある中で、透明性確保に向けての一歩であると言える。

 

日本オラクルが買収したBlueKaiのDMPを含むクラウドサービスを発表

日本オラクルは、同社がこれまで提供してきたデジタルマーケティングソリューションを束ねた最新のクラウド型マーケティング・プラットフォーム「Oracle Marketing Cloud」を発表した。このプラットフォームには、同社が直近で買収したBlueKaiのDMPが含まれる。アドビシステムズが提供する「Adobe Marketing Cloud」が競合にあたる。

 

ログリーが媒体社向けネイティブ広告支援システムを提供

ログリーは、媒体社向けネイティブ広告支援システム「logly lift for Publisher」の提供を開始したと発表した。logly lift for Publisherは、記事広告・タイアップ企画などと、ネイティブ広告としての誘導枠を媒体社が自ら価格設定し販売できるようになるシステム。ネイティブ広告という言葉や内容は徐々に浸透してきており、今後さらに盛り上がることが予想される。

 

ガリバーがインハウスのデジタルマーケティング子会社を設立

ガリバーインターナショナル(ガリバー)は、Yahoo! JAPAN子会社であるQubitalデータサイエンスとの取り組みの第一弾として、ガリバーのウェブマーケティング業務を専属で行うインハウスエージェンシーのスマートコネクトを設立した。ガリバー内に豊富に存在するオーディエンスデータをスマートコネクトとQubitalデータサイエンスと共同で分析し、さまざまなマーケティングに活用する。インハウス化の流れが米国にもある中、国内では先進的な取り組みだ。

 

cciがインストリーム広告アドネットワークの提供を開始

サイバー・コミュニケーションズ(cci)は、プレミアム・インストリーム・アドネットワーク「ADJUSTVideo」の提供を10月より開始する。これまで、cciが運営するプレミアム・アドネットワーク「ADJUST」はオンラインビデオ広告のニーズに対してインバナー広告の提供を行ってきた。今後は、さらなる需要が見込まれるビデオコンテンツの前後や中間にビデオ素材を掲載するインストリーム広告も提供していく。

 

「AdStir」がCriteoのデジタルパフォーマンス広告とRTB接続を開始

ユナイテッドとCriteoは、ユナイテッドの提供するスマートフォン媒体社向けのSSP「AdStir」が、Criteoのデジタルパフォーマンス広告とRTB接続したと発表した。今回の接続により、「AdStir」経由で広告を配信しているメディアは国内外12のDSPおよび広告事業者から入札を受けることが可能となる。結果として入札競争が活発化し、収益の向上が期待できるという。Criteoは、AdStirを国内最初の接続先としてスマートフォンアプリ内広告の配信を開始することになる。
 

(編集: 三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。