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Twitter広告のターゲティングを高度化-Legolissと提携のSocialdatabaseが日本進出[インタビュー]

オランダ生まれのテクノロジー企業であるSocialdatabase社が、Twitter広告に特化したターゲティング最適化プロダクトを手に日本進出を果たした。Twitter社のお墨付きを得た上で、三井物産傘下のLegoliss社が窓口を務めるという。なぜTwitter広告限定なのか。この活動的な体制はいかに構築されたのか。様々な疑問に3社がそろって答えてくれた。
(Sponsored By Legoliss)

 

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興味関心ターゲティングに強いTwitter

 

―自己紹介をお願いします。

 

OKJ氏:Twitter社にて日本及びアジア太平洋地域のHead of Partnerships Ads APIとして、当社の広告APIを通じたエコシステムの拡大と整備を担当する岡本純一です。シンガポールのオフィスに勤務しており、日本人以外の同僚からは「Junichi」という名前が発音しづらいということで普段は氏名を略して「OKJ」と呼ばれています。

 

デューコ氏:オランダのアムステルダムに本社を構えるSocialdatabase社のデューコ・ヤンセンです。Twitter広告での効率的なターゲティングを可能とする技術を開発したSocialdatabase社に参画してから約9年、現在は最高執行責任者(COO)を務めています。

 

裕梨氏:同じくSocialdatabase社でBusiness Development Managerを務める上田裕梨です。1年ほど前にオランダに移住し、当社が日本市場への進出を本格化させる時期と前後して入社しました。現在は、Twitter社やパートナー企業と密に連携しながら日本及びアジア太平洋地域の事業開発と営業を担当しています。

 

ケニー氏:Legoliss社の執行役員兼プロダクトソリューション事業部長を務める中嶋ケニー賢です。三井物産を親会社とする当社では、最先端の海外デジタルマーケティング関連ソリューションを国内に展開する事業を運営しています。

 

―改めてTwitter広告の主な特徴をお聞かせください。

 

OKJ氏:通常のツイートと同様にタイムラインや検索画面にユーザーの興味関心に沿った広告が表示される「プロモツイート」や、タイムラインや検索タブの上部に広告を独占的に表示する予約型の「テイクオーバー広告」を始めとする広告商品をご用意しています。

 

 

他の大手プラットフォームが例えば「20代の女性」といったようなデモグラフィック情報を売りにしているのとは対照的に、Twitterでは興味関心と様々なコミュニティに基づくターゲティングに強みを持っています。

 

興味関心及びコミュニティに基づくターゲティングは他のプラットフォームもありますが、これらのプラットフォームは画像や動画を主に扱っているのに対して、Twitterは画像と動画も投稿できますが、テキストがメインとなります。

 

デューコ氏:パートナー企業の観点から申し上げると、まずTwitterが広告関係者やパートナー企業向けに広くデータを公開していることが特徴的だと感じています。他の大手プラットフォームと比較して、APIを通じたデータ取得環境がきちんと整備されているという印象です。その結果として、ユーザーのプライバシーを十分に保護した上でオーディエンスデータを扱うことができる点は大きいです。

 

裕梨氏:どんなにニッチな分野であっても、Twitter上ではコミュニティが形成されています。ありとあらゆる興味関心を持つユーザーと出会うことができるプラットフォームだと思います。

 

―Socialdatabase社はTwitter広告に特化したターゲティング最適化機能を持つ「SuperAudiences」を提供しています。なぜTwitterに注目したのでしょうか。

 

デューコ氏:Twitterは情報取得に加えて、仕事上の人脈構築または共通の趣味を持つコミュニティとのコミュニケーション手段など、様々な目的で利用されているという特徴を持っています。つまりTwitterには独特のオンライン行動様式があるので、それらの行動を適切に分析すれば、精緻なオーディエンスデータが構築できると考えたからです。

 

 

学生時代から、このTwitterデータがもたらす無限の可能性に着目していたのが、現CEOのトーマス・スラバース(Thomas Slabbers)です。彼の研究論文がきっかけで当社の創業に至り、そこから10年以上にわたり、Twitterデータの分析を行なっております。

 

Twitterのターゲティングの課題とは

 

―SuperAudiencesではどのように独自のオーディエンスデータを構築しているのですか。

 

デューコ氏:DAU2億2900万(2022年1-3月期公表)のTwitterのユーザーと23兆を超えるデータポイントを抱える、Twitter上のファーストパーティデータを全方位に取得しています。そしてツイートやリツイートなどのエンゲージメントやフォローやフォロワーといったつながりをベースとしたうえで、それぞれのユーザーの相関性を機械学習で探し出すという仕組みです。

 

―「Twitter上のファーストパーティデータ」とは具体的にどのような情報ですか。

 

OKJ氏:同社にお使いいただいているのはTwitter APIから取得できるデータで、これに基づいて興味関心を分析されています。最も単純な例を挙げると、「大谷翔平がホームラン打ったー」とツイートしているから「野球好き」と推定するというもので、Eメールアドレスのような個人を特定し得る情報や、ほかにどのようなウェブサイトを参照しているかといったプライバシーにかかわる情報は扱っていません。

 

デューコ氏:繰り返しになりますが、当社が利用するのはTwitter社のオープンなデータのみです。CookieやIDFAなどのデータは一切参照しないので、昨今話題となっているそれらの利用制限の影響は全く受けません。

 

―Twitter社も独自のターゲティング機能を提供していますよね。

 

OKJ氏:Twitterでも興味関心やキーワードターゲティングなどの独自機能を提供し、会話やユーザーのフォロー傾向をもとに広告配信を実現していますが、日々移り変わるトレンド、会話、そして新たに形成されるコミュニティなどに対しては全て対応しきれないところがございます。Socialdatabase社のようなパートナー企業が精緻なデータを提供してくれるのは非常に心強いです。

 

上述の特定のアカウントのフォロワーとそれらに近しいユーザーを対象としたフォロワーターゲティングですが、Socialdatabase社では各フォロワーがほかにどのようなフォローをしているか、または過去にどんなツイートをしていたかまで多角的に分析します。

 

デューコ氏:Twitter上には膨大なユーザーが存在しており、また旬な話題に基づくターゲティングも非常に効果的な一方で、例えば役職に基づくターゲティングを行うのはちょっとした工夫が必要となります。例えば全国の「最高財務責任者」にターゲティングするにしても、すべての最高財務責任者がTwitter上のプロフィール欄にその旨を記しているわけではありません。そこで、ツイートやいいねといったエンゲージメントとフォロワーなど他のユーザーとのつながりに関する情報を分析する必要が出てきます。

 

ケニー氏:Twitter社独自のターゲティングは直線的で、SuperAudiencesは複合的であると表現しても良いかもしれません。

 

なぜ日本に進出したのか

 

―日本市場進出に至った経緯をお聞かせください。

 

デューコ氏:Socialdatabaseはまず母国であるオランダで試験的にサービス提供を開始しました。ご存じの通り、オランダは人口1800万人弱の小さな国です。サービスが軌道に乗ると、すぐにその他の欧州地域や中東へと事業を拡大しました。そして、Twitterの第2の市場である日本への進出に備えてプロダクト研鑽を重ねてきたのです。日本市場におけるユーザー情報についても10年前より分析を開始しています。

 

ただし、言語も文化も全く異なる日本市場への進出は一筋縄ではいかないのではないかとの懸念もありました。その点について思い悩んでいると、既にグローバル規模ではパートナー契約を締結していたTwitter様からLegoliss様をご紹介いただき、満を持して日本進出を果たしたのです。加えてゆり氏を始めとする日本市場に特化したチームを結成し、万全の体制を構築することができたと思います。

 

―本提携における商流及び各社の役割分担についてお聞かせください。

 

ケニー氏:広告主様及び広告代理店様には、Twitter社に対しては広告出稿料を、そしてSocialdatabase社にはLegoliss社を通じてデータ利用料をお支払いいただくという形式となっています。広告主様のご要望に応じてオーダーメイドのオーディエンスをTwitterの管理画面にプッシュする必要があるので、一連の運用サポートやデータ接続作業などはLegoliss社が窓口となり、Socialdatabase社と連携しながら進めてまいります。

 

―日本市場特有の課題はありますか。

 

OKJ氏:プロフィール情報の内容またはTwitterの利用方法が他の国と比べて異なると思います。日本ではハンドル名に本名を使わず、プロフィール画像にもアイコンや推しのキャラクターを利用する人が少なくありません。一方で英語圏ではFacebookと同じように本名だけでなく勤務先や役職までを公開することが多いです。

 

言い換えれば、日本市場では例えば経営層にターゲティングするといった場合により高度な分析が必要になると思います。Socialdatabase社は日本市場に対応した分析を行う必要がありますね。

 

デューコ氏:ただすべての国で共通するのは、経営者であれば経営に必要な情報に対してアクションを示し、経営者同士でフォローし合うということです。プロフィール情報以外にも、ツイートやいいねといったユーザー行動から推定できることはたくさんあります。

 

広告代理店の負担を軽減

 

―どのような広告主がツイッターのターゲティング最適化機能を有効活用できると思いますか。

 

ケニー氏:Twitterに限らず、日本のデジタルマーケティング全般の課題なのですが、BtoBマーケティングで必要となる職種や役職でのターゲティング機能が非常に乏しいです。現時点ではLinkedInとタクシーサイネージぐらいしか有効な手段が存在しないのではないでしょうか。既にジャンセン氏が例示したように、SuperAudiencesがあれば、Twitter上で職種や役職に基づく精緻なターゲティングを行うことが可能なので、BtoBマーケティングに有効活用できるでしょう。

 

またBtoC商材であっても、Twitterユーザーを深堀りしたいという需要をお持ちの広告主様のご要望にはお応えできると思います。例えば消費財メーカー様であれば、同じ「主婦」でも、子どもがいない夫婦と子だくさんの夫婦では伝えたい内容が異なるはずです。SuperAudiencesであれば両者を区別することができます。

 

さらにSuperAudiencesでは、専用のオーディエンスセグメントに加えて、通常のTwitter広告におけるターゲティングに利用できるハンドル名やキーワードのリストの抽出が可能です。

 

裕梨氏:広告代理店の皆様は、このハンドル名やキーワードの設定作業に大変苦労されています。当社であれば、特定のセグメント内で最も関連度の高いアカウントとキーワードを抽出することができます。広告代理店様の作業を軽減できるだけでなく、きちんとデータに基づいたリストを抽出できる点が大きいです。

 

 

OKJ氏:確かに新規キャンペーン実施時にターゲティングの選択で悩んでいる広告代理店様は多く、それがデジタルマーケティングを推進する上での課題になっているとさえ思います。しっかりとしたデータに裏付けされたリストが予め用意されているのであれば、参入障壁はぐんと下がるはずです。

 

ケニー氏:さらに付け加えるならば、オーディエンスを拡張できる点もSuperAudiencesの強みです。どの広告主様及び広告代理店様も明確なターゲットを想定していると思いますが、広告ではやはりボリュームも必要。オーディエンスの拡張機能はかなり有用だと思います。こうした機能が評価されて、SuperAudiencesを活用した継続出稿率は70%に上ります。

 

 

―事業目標をお聞かせください。

 

ケニー氏:Twitter広告をご利用になる広告主様の1割程度にはSuperAudiencesをご活用いただきたいと思っています。Twitter社の顧客支援担当の方が一緒になって普及に努めてくれているので非常に心強く、この目標はすぐに達成できるでしょう。日本市場で成功事例をたくさんつくり、ゆくゆくは東南アジアやオーストラリアといった他のアジア太平洋地域にも展開していきたいです。

 

ローンチ記念イベント情報

Twitter広告向けソリューション『SuperAudiences』初上陸!

〜目的に応じたオーダーメイドなターゲティングを実現〜


日時

7月8日(金)12:00-13:00


登壇者

・岡本純一(OKJ)氏(Twitter)

・上田裕梨氏(Socialdatabase)

・中嶋ケニー賢氏(Legoliss)


 

Socialdatabaseについての詳細はこちらをご確認ください。

 

 

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。