「任せる広告運用」から「自走する体制」へ。駅探とジーニーが実現したCPM前年比大幅改善への取り組み[インタビュー]
by on 2026年9月02日 in ニュース
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乗換案内や時刻表、運行情報など、移動に関する情報を提供する「駅探(えきたん)」。Webサイトとアプリを合わせ、全国で1,000万人以上に利用されている同サービスにとって、広告収益の向上は重要なテーマの一つだ。一方で、必要な情報を短時間で取得したいユーザーが多いからこそ、広告を増やすことで利便性を損なうことは避けなければならない。
「広告収益を伸ばしたい。でも広告枠はむやみに増やしたくない」
この課題に対し、駅探が選んだのが、ジーニーが提供するプログラマティック広告のコンサルティング支援1だ。既存の広告配信環境を見直した結果、広告枠を増やすことなく、メディア全体のCPMは前年比を大幅に改善。さらに、運用のノウハウや改善方法のアドバイスを通じて、担当者自身が改善サイクルを回せる体制づくりも実現した。
本記事では、駅探の広告運用が抱えていた課題やジーニーを選んだ理由、成果につながった施策、そして両社の間に築かれた信頼関係について、駅探の前田幸子(まえださちこ)氏とジーニーの谷本楓(たにもとかえで)氏に話を聞いた。
1 ジーニーでは、インハウス化支援のコンサルティングだけではなく、日々の運用やマネタイズに係る業務全般の代行サービス等、幅広く支援。
(Sponsored by 株式会社ジーニー)
膨大な広告ユニットを管理。広告運用の高度化に向けた課題に直面していた
駅探でWebサイトとアプリのプログラマティック広告運用を担当する前田氏は、広告枠の設計や配信の最適化、広告品質の管理、パートナー企業との調整など、幅広い業務を担っている。長年にわたりサービス提供をしてきた駅探では、運用を重ねる中で広告ユニット数が増え、広告運用の構造も複雑化していた。広告ユニット数が増加する中、前田氏が中心となり管理を担っていた。
「広告ユニットの整理や枠の調整など、日々できる改善には取り組んでいました。ただ、どこを改善すれば収益につながるのか、何を優先すべきなのか、手探りの状態でした」
広告運用を引き継いだ当初、前田氏には広告市場や配信技術の進化に対応するため、さらなる専門的な知見の蓄積が求められていた。
「広告市場や配信技術が大きく変化する中で、数値が良いのか悪いのか、どこまで伸びれば正解なのか判断が難しく、施策を実施しても、期待した成果につながらない。次に何から手を付ければいいのか分からず、判断するための時間をたくさん使っていました。また、迷ったときに気軽に相談できる相手もいなかったので、判断に迷う場面も多くありました」
国内有数の規模を持つ情報サービスの広告運用を担当する中で、前田氏はさまざまなデータや市場動向を踏まえながら改善に取り組んでいた。しかし、広告市場や配信技術が日々変化する中、外部の専門的な知見も活用していく必要性も感じていたという。
日頃のやり取りから生まれたジーニーへの信頼
「自社で広告収益の改善を進めるには、知見もリソースも十分とは言えませんでした。広告運用そのものを一度、外部の専門家に見てもらおうと考えたのです。自分たちだけでは気づけない改善の余地もあるのではないか、という思いがありました」
駅探にとって広告収益は事業を支える重要な収益源の一つだ。一方で、収益拡大のために広告枠を増やせば、サービスの利便性やユーザー体験を損なう可能性もある。実際、より視認性の高い広告フォーマットや、動画視聴を条件に報酬を提供するリワード広告の導入を提案される機会も多かったという。
しかし駅探が求めていたのは、広告枠を増やすことではなく、既存の広告運用環境そのものを見直すことで収益を改善する方法だった。
そうした課題を解決するため、駅探が選んだのがジーニーのプログラマティック広告のコンサルティング支援だった。
「ジーニーさんとはこれまでもご一緒している取り組みがあり、駅探のサービス特性や広告運用方針をよく把握してくださっていました。また、社内で支援の導入を検討する際、上長からさまざまな質問を受けたのですが、谷本さんへ相談するとすぐに返答をくださいました。単に回答するだけではなく、必要に応じて追加で調査し、データや根拠とともに丁寧に答えていただきました」
前田氏がジーニーへの依頼を決める上で後押しとなったのが、これまでのやり取りを通じて築かれた信頼関係だった。
「ジーニーさんとは以前から、市況について情報を共有いただいたり、広告運用について相談したりする機会がありました。駅探のことを理解してくださっているという安心感があり、今回の支援についても相談させていただきました」
やり取りを重ねるうちに、ジーニーは単なる外部の広告事業者ではなく、悩みや疑問を率直に相談できる相手になっていった。
「何かあれば、まず谷本さんに相談したいと思える存在。難易度の高い相談にも丁寧に対応していただきました」
駅探が求めていたのは、短期的な収益向上だけではなかった。運用の知見を社内に蓄積し、最終的には自社でも改善サイクルを回せる体制を構築することだった。
「自分たちでも判断できる運用体制を作るために、専門的な視点で伴走をしていただける点に魅力を感じ、ジーニーさんへお願いすることを決めました」
前田氏は、こうした対応は谷本氏個人だけのものではないと感じている。谷本氏の前任担当者も同様に、迅速かつ真摯な対応を続けてきたからだ。
「担当者個人というより、ジーニーという会社そのものに、メディアに寄り添う文化があるのだと思います」
谷本氏は、駅探と同じく乗換案内をはじめとする情報検索系のメディアを担当した経験があり、そうしたサービス特有のユーザー行動や課題を熟知していた。
「自分がユーザーだったとしても、乗換情報を調べている最中に操作を妨げる広告が出たら不便だと感じます。駅探様が積極的に広告枠を増やさない方針であることは、最初から理解していました」
広告枠を増やさず、配信の仕組みを見直す
駅探の広告運用環境を確認して、最初に着目したのは、管理構造の複雑さだった。
駅探は長年の運用で広告ユニット数が増え、管理対象も大規模化していた。前田氏は日々の運用と改善を推進しながら、広告価値の最大化に取り組んでいた。
「駅探では数多くの広告ユニットを運用しており、前田氏が中心となって運用されていました。まずは管理環境を整理し、改善に取り組みやすい運用基盤を整える必要があると感じました」と谷本氏は話す。
既存枠の配信環境や競争構造を見直す中で、特に大きな成果につながった施策の一つが、ジーニーのHeader Bidding Wrapperへの切り替えだった。
Header Biddingは、複数の広告事業者を同時に競争させることで、より高単価の広告配信につなげる仕組みだ。Wrapperはその接続を管理する基盤を指す。
駅探はもともと自社でWrapperを構築していたが、広告配信環境の拡大に伴い、設定や保守の対応範囲も広がっていた。新たな広告事業者を追加する際にも、開発対応が必要となるため、運用効率のさらなる向上が課題となっていたという。
そこでジーニーのWrapperへ切り替え、より多くの広告需要を効率的に競争させられる環境を構築したところ、広告枠そのものを増やすことなく、高単価の広告配信の機会を拡大することができた。その結果、Header Bidding経由の売上構成比は、それまでの10倍ほど上昇したのだ。
前田氏にとって、「広告枠を増やさなくても収益を改善できる」という考え方そのものが新鮮だった。
「これまでは、収益を上げるには広告枠を増やすか、より目立つ広告を導入するしかないと思っていました。既存枠の中でも、配信競争や運用環境を見直せば改善できるという発想は、まさに目から鱗でした」
施策は一度にすべて実施するのではなく、優先順位を整理しながら段階的に進めた。
広告配信設定や管理構造の見直し、運用ルールの整備についても、一つずつ改善を重ねていった。
「何を、なぜ実施するのかが明確でした。データと根拠をもとに一つずつ進めていくため、納得感があり、社内でも説明しやすかったです」
導入直後から数値が上昇。CPMは前年比で大幅に改善
前田氏は、日々確認していた広告収益の数値が、ジーニーのWrapper導入直後から大きく伸びたことを覚えている。
「導入後の数値を確認する中で、谷本さんから『改善傾向が見えています』とすぐに共有をいただきました。デイリーの数値が明らかに上がり、CPMも改善し始めました」
あまりに早く成果が出たため、前田氏はすぐには社内へ報告しなかったという。
「ここまで数値が伸びたのは初めてだったため、本当に正しい数字なのか半信半疑でした。すぐに共有し、その後、数値が下がってしまう可能性も考慮し、しばらく様子を見ていました」
改善傾向が継続して確認できた段階で上長をはじめ社内メンバーへ成果の報告をしたところ、「施策でこれだけ数値が上がったのか」と想定以上の伸びに驚きの声が寄せられた。
「これまで広告レポートを見ることは、正直、楽しい作業ではありませんでした。でも、数値が上がってからは、毎日レポートを見ることが楽しみになりました」
複数の施策を積み重ねた結果、駅探の全体CPMは前年を大きく上回る水準まで改善した。広告枠を増やすことなく、既存の広告枠の価値を高めることで実現した成果だ。
一方で前田氏は、収益やCPMの改善と同じくらい大きな成果として「日々の運用における判断がしやすくなったこと」を挙げる。
ジーニーとの取り組みを通じて、確認すべき指標や改善の優先順位が整理され、施策の検討から実行までを効率的に進められるようになったからだ。
「何から手を付けるべきか分からない状態から、次に何をすべきかが見えるようになりました。日々の運用を計画的に進められるようになったことは、数値と同じくらい大きな成果です」
プログラマティック広告運用のインハウス化
駅探が目指したのは、広告運用を任せ続けることではない。社内にもノウハウを蓄積し、必要な改善を自ら判断できる体制を整えることだった。
そのためジーニーは、運用を代行するのではなく、継続的に改善が実行できるよう、運用方法のレクチャーやマニュアル整備まで支援した。運用チームのメンバーが実際のGAMの管理画面を共有しながら、どの項目を確認し、どのように設定を変更し、どのような結果が出れば改善と判断できるのかを説明する。担当者の異動があった場合でも知見を引き継げるよう、運用ノウハウの言語化にも取り組んだ。
「単に『ここを変更しました』と報告するだけではなく、なぜ変更するのか、変更後にどの数字を見るのかまで教えていただきました」と前田氏。
一方で、企業によって求める支援の形は当然ながら異なる。
谷本氏は「駅探様の場合は、自社でも運用できるようになることがゴールだと伺っていたので、施策の判断基準や進め方をレクチャーし、運用方法がマニュアルとして残る形で支援しました。逆に、すべて任せたいという企業には、運用工数をかけていただかなくても済むようにジーニーが主体となり収益最大化まで対応します」と話す。
企業によって目指すゴールは異なる。ジーニーでは、それぞれの目的や体制に応じて支援内容を設計している。
技術と人の両輪で支える、ジーニーの運用支援
駅探の事例では、Wrapperの導入が収益改善に大きく寄与した。その背景にあるジーニーの強みについて、谷本氏は「開発力と運用支援体制の組み合わせ」だと説明する。
パブリッシャー支援を行う部署では、約半数をエンジニアが占めており、Wrapperについても、収益性向上につながるロジックや機能改善を日々継続しているという。
一方で、広告運用ではテクノロジーだけで完結するものではない。営業、運用、開発など複数のチームが連携し、それぞれの媒体ごとに最適な施策を進めている。
「駅探様との取り組みでも、契約が決まった段階で社内の関係メンバーを集め、スケジュールや目的を共有しました。開発力とサポート体制を掛け合わせていることが、収益向上につながっているのだと思います」
一方、駅探側では、広告専任ではない開発メンバーが、ほかの開発案件と並行してジーニーのWrapperへの切り替えなどの施策に対応する必要があった。「施策期間が期末・期初と重なり、複数の開発案件と並行しながら施策を推進しました」と前田氏は振り返る。
こうした状況を踏まえ、谷本氏は駅探の開発状況に合わせてタスクの優先順位を整理し、ジーニー内の複数チームが共通認識を持って動けるよう調整を行った。駅探側の事情を踏まえ、社内外の関係者を巻き込んで施策を推進したことが、今回の成果を支える重要な要素となった。
ユーザー体験を守りながら、収益を伸ばし続ける取り組み
今後も広告収益の最大化に取り組んでいく上で、前提になるのは駅探らしい使いやすさを守ることだ。
前田氏は「駅探は長年利用してくださっているユーザーも多いため、その期待を裏切るような広告体験にはしたくありません」と語る。
収益だけを追及するのではなく、安心して使い続けられるサービスであることを大切にする。ジーニーは既存の広告枠の価値を高める提案を続けている。
谷本氏は今後について、次のように話した。
「広告枠を増やす提案は、駅探様の考えとは合いません。今ある枠の価値をどう高めていくかという部分で、今後もパートナーとしてご一緒したいと考えています」
広告市場や配信技術は、常に変化している。そうした環境の中で、自社だけで最新情報を追いながら、複雑な広告環境を最適化し続けることは容易ではない。だからこそ、前田氏は、技術や運用ノウハウだけではなく、自社の方針を理解し、伴走してくれる存在の重要性を感じているという。
「日々広告運用の改善に取り組む中で、ジーニーさんと出会えたことは、本当に大きかったと思います。駅探の方針を理解し、ユーザー体験を大切にしながら、一緒により良い運用を考えていただけることを心強く感じています」
広告枠を増やすことなく、CPMの改善を含む収益改善を実現した駅探。
その成果は収益向上だけではない。ジーニーはノウハウの共有を通じて、継続的な改善を支える運用体制づくりも支援してきた。
ユーザー体験と収益性の両立というテーマに向き合いながら、両社の取り組みは今後も続いていく。
ABOUT 加納 奈穂
ExchangeWireJAPAN 編集担当
武蔵野美術大学卒業後、出版社に入社。WEBサイトや広告の運営に従事。その後コスメ情報サイトのコンテンツマネージャーを経て出版社での通販事業において販売促進業務を担当する。通販会社にてSNS運用に携わったのち、2022年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。現職に至る。







