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成果が求められる時代、独立した広告効果測定の重要性はこれまで以上に高まっている

広告機能をインハウス化する企業が増える中、CMOにはブランド認知を目的とした施策であっても、ROIを裏付ける成果を示すことがこれまで以上に求められています。

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市場の変化に対応するためには、エージェンシーはメディアエコシステム全体を俯瞰する視点と、長期的な戦略立案力という本来の強みに注力する必要があります。そして、競争が激化する現在においては、あらゆるチャネル・プラットフォームを横断した効果測定とアトリビューションを通じて、その価値を示すことが重要です。

 
 

予算が厳しくなると、あらゆるマーケティング施策がパフォーマンスの視点で評価される

 

広告投資全体は増加傾向にある一方、長引くインフレの影響により、マーケティング予算には大きな制約がかかっています。CMOは限られた予算の中で、コスト上昇や競争激化への対応を迫られています。そのため、すべての投資に対して具体的なビジネス成果を示すことが求められています。
 

この流れにより、ブランド認知とパフォーマンスマーケティングの境界は曖昧になっています。これまで認知向上を重視してきたブランドも、現在では測定可能なミドルファネル・ローワーファネルのKPIへと軸足を移しています。
 

現在のマーケターは、チャネル起点ではなく成果起点でメディア戦略を設計するようになっています。認知から比較検討、購買まで幅広くチャネルを組み合わせるのではなく、成果につながるかどうかを基準にチャネルを選択するケースが増えています。しかし、そのような運用には高度な横断的管理が必要であり、多くの企業が自社だけで実現することは容易ではありません。

 
 

成果最適化は、分断化が進むメディア環境という現実に直面している

 

成果に基づいて投資を最適化したいというマーケターの考え方は、複雑化・分断化した現在のメディア環境と必ずしも一致しません。消費者は朝にCTVで広告を目にし、通勤中にDOOHへ接触し、昼休みにSNSで再び広告を見た後、リテールメディア経由で購入に至るなど、購買行動は複数チャネルを横断しています。
 

成果を起点に評価するためには、どのチャネルが購買に最も寄与したのかを把握する必要があります。しかし、各プラットフォームが異なる測定手法を採用しており、自社の強みが強調される設計になっているため、公平な比較は容易ではありません。
 

IDソリューションは分断された接点をつなぐことを目的に発展してきました。しかし10年以上が経過した現在でも、クロスデバイスで十分な精度を維持しながらアトリビューションを実現できる単一IDは存在しておらず、多くのシグナルロスが課題となっています。

 
 

プラットフォーム依存の効果測定が抱えるリスク

 

日本市場では、広告によるクリックやオンラインコンバージョンだけでは成果を十分に評価できません。小売、自動車、金融、通信、家電など、多くの業界で購買プロセスには実店舗への来店が含まれるため、広告接触と実際の行動を結び付ける測定手法が求められています。
 

来店計測(Footfall Measurement)は、ブランド施策と成果指標をつなぐ新たな指標として注目されています。位置情報シグナルを統計的に分析することで、広告接触者が非接触者よりも来店しやすかったかを把握でき、認知指標と売上成果の間を埋める独立した効果指標として活用できます。
 

オムニチャネル施策を運用するエージェンシーにとって、来店計測は重要な検証手法の一つです。チャネル横断で一貫した比較が可能になり、最初の接触チャネルに関係なく、ブランド認知への投資が実際の消費者行動につながっているかを評価できます。

 
 

持続的な成果最適化には、エージェンシーのチャネル横断型インテリジェンスが不可欠

 

エージェンシーの強みは、リアルタイムで最適化可能なデジタル指標と、Marketing MixModeling(MMM)のような長期的な分析を組み合わせられる点にあります。これにより、数か月単位でチャネル投資とブランドKPIの関係を評価し、特定チャネルに偏ることなくメディア投資全体の価値を検証できます。
MMMは高度な専門知識と多くのリソースを必要とするため、自社で構築できる企業は限られています。そのため、複数のクライアントに提供できるエージェンシーが活用することが合理的です。ブランドはエージェンシーと協業することで、MMMという信頼できる分析基盤を活用しながら、成果につながるチャネル構成を継続的に検証・改善できます。
 

近年の大手広告グループによるテクノロジー投資が示すように、エージェンシーはデータクリーンルームの活用も進めています。これにより、元データを共有することなく、ブランドとメディア双方のデータを安全に分析し、新たなインサイトを導き出すことが可能になります。
 

エージェンシーがクライアントにチャネル横断の視点を提供するもう一つの方法が、「AudienceFirst Measurement(オーディエンス起点の効果測定)」です。断片化したIDシグナルだけに依存するのではなく、ターゲットとなるペルソナがどのようにメディアへ接触し、その接触がどのような成果につながったのかを評価します。
 

このアプローチは、独立した成果ベースの効果測定と組み合わせることでさらに価値を発揮します。広告接触を来店、購買行動、その他のビジネス成果と結び付けることで、チャネル横断でキャンペーン全体の効果をより正確に把握できます。「どのプラットフォームが成果を主張するか」ではなく、「ターゲットオーディエンスが最終的に意味のある行動を起こしたか」という本質的な視点で評価できるようになります。

 

コラム執筆者

松本 亮

Ogury Japan, Country Manager

L’Oréal、BMW、Johnson&Johnsonなどでブランドマーケティングやカスタマーマーケティングに従事。2014年からCriteoでアジア太平洋担当のマーケティング・マネージャーとして事業拡大に貢献したのち、GumGumの日本ローンチを担当し、クッキーレス広告市場の創出と拡大をけん引した。2022年4月より現職。

 

 

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