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やはり決め手はデータ・楽天が説く古くて新しい郵送DM進化論[インタビュー]

「DM」と言えばSNS上でのやり取りをまずは想起するようになった現代において、楽天の広告は郵送DMという旧来のソリューションを磨き上げてきた。効率化を極めたディスプレイ広告やメルマガ配信といった他のデジタル施策との違いは何か。他の大手広告プラットフォームが積極的に郵送DMに取り組まない背景と併せて探る。

(Sponsored by 楽天グループ)

 

正確かつ最新の住所データ

 

―デジタルプラットフォームに位置づけられる貴社がなぜ郵送DMというアナログのサービスに注力しているのでしょうか。

 

楽天グループの各事業を通じて、楽天会員の消費行動分析データと正確な住所情報を併せ持っているからです。これまで郵送DMサービスの主な担い手はクレジットカードの発行会社様やポイントプログラムを提供するサービス事業者様でしたが、こうした企業が持ち得ないデータを楽天グループは持っています。

 

さらには「楽天市場」というEC事業を運営しているので、住居が変更される度に住所情報が更新されます。つまり正確かつ最新の住所データから利用規約に基づいて発送することができることが他の広告プラットフォームにはない当社ならではの強みとなっています。

 

―架空の住所や古い住所の登録が少ないということですね。

 

はい。クレジットカード事業やモバイル事業が蓄積する公的証明データが正確性を、「楽天市場」などのEC事業が住所データの最新性を担保しています。その結果として、DMを発送したにも関わらず、きちんと届かなかった割合を示す「未着率」が極めて低いのです。

 

近年では郵便料金の値上げを受けて、DMの発送費用が増しています。一方で、DMを発送する企業様の目標CPAは変わりません。正確なデータを用いて未着率を可能な限り低下させることがこれまで以上に求められています。

 

―確かに自宅の郵便受けに届く紙のハガキや新聞が減った現代において、郵送DMはある種のブルーオーシャンかもしれませんね。

 

加えて、DMの特性として家族コンバージョンが挙げられます。メールやディスプレイ広告はパーソナル配信に相当します。一方で郵送物は帰宅時に郵便受けから取り出して、居間のテーブルにとりあえず置いておくといったことになりがちなため、家族全員が目にすることが多く、発送件数よりも実際のリーチの広がりが期待できます。DMを手にした家族によるレコメンドも非常に効果的です。

 

 

郵送DMはなぜ傍流だったのか

 

―テレビCMやSNS広告などと比較して、郵送DMにはそれほど多くのマーティング予算が投下されてこなかったように感じます。

 

正直なところ、郵送DMはマーケティングチャネルの主流ではなかったですよね。これまでは郵送DMを有効に活用できる商材がある程度限定されていたという事情があるかと思います。

 

というのも、郵送料とデータ利用料を合わせると1件あたり100円以上の費用が発生するからです。単純計算をすると、仮にコンバージョン率が1%であれば、CPAは1万円以上。高単価やLTV型の商品でなければ採算が合わないことになります。

 

―どのような商材が郵送DMとの相性が良いのでしょうか。

 

教育、不動産、自動車などです。まず教育についてですが、塾や通信教育関連の事業者様がマーケティングを行うにあたっては「子どもがいる家庭」というデータだけでは不十分で、「来年4月に小学4年生になる子どもがいる」といった粒度での情報を必要としています。当社は「楽天ママ割」というメンバーシッププログラムへの登録情報や「楽天市場」でのランドセルの購買データなどを通じて、1歳刻みの年齢でお子様がいる家庭を精度高く推測することが可能です。

 

資料提供:楽天グループ株式会社

 

不動産については、「楽天カード」を通じて把握した年収帯に基づき富裕層にターゲティングすることも可能です。また、新しい住居を選ぶ際に住み慣れた街であるということに加えて、職場近くであることを重視する方がいると思います。フィンテック事業を通じて勤務地情報も蓄積する当社であれば、勤務地近辺に新設されるマンションを案内するDMを郵送することもできます。

 

さらに自動車の場合は、「楽天Car車検」のデータに基づき、車の買い替えを行うタイミングでDMを発送できます。

 

―逆に言うと、教育、不動産、自動車以外では郵送DMはあまり有効活用されていないのでしょうか。

 

本来ならば有効活用できるはずなのに、単に「DM担当者がいない」という理由で試していないというケースはかなりあると感じています。

 

先ほど言及した教育、不動産、自動車関連の企業様の多くは、マーケティング部署にDM担当者を配置しています。それ以外の商材では、デジタル広告に関しては担当を細分化していたとしてもDM担当者の存在は珍しいのではないでしょうか。

 

勤務先や年収帯データに基づく精緻なターゲティングが可能な当社の郵送DMは、例えば人材サービスにも有効活用し得ると考えていますが、最先端のデジタルマーケティングを駆使している人材サービス企業様でさえ郵送DMについてはノウハウをお持ちでないケースも多く、クリエイティブ制作にまで手が回らないということが往々にしてあります。

 

ただし、生成AIがこれだけ普及してきたので、クリエイティブ制作に係る課題は解消されつつあるとも思います。

 

―教育、不動産、自動車関連企業は自社データに基づく郵送DMを実施しているからこそ担当者がいるのでしょうね。

 

ただし、各社の会員情報に基づく郵送DMは主に広義のCRMとしてアップセルやクロスセルを行う場合が圧倒的に多いです。

 

一方で広告が果たすべき主な役割の一つは新規の顧客獲得であり、そのためには非会員つまり外部データを必要とします。会員データと楽天のデータが一部重複する場合は重複部分を除外して配信していただくことが可能です。

 

―郵送DMは関東圏全体など一定規模以上のエリアを対象にマーケティング施策を展開する事業者に適しているのでしょうか。一地区だけであれば郵便システムを利用せずに直接投函できてしまいますよね。

 

DMには、1件あたり100円以上の封入型・郵送型と、ビラ1枚あたり数円程度のポスティング型があります。ポスティング型は圧倒的な低予算で実施できる一方で、年収や職業別のターゲティングができません。

 

また昨今ではタワーマンションの建設が進み、共同玄関に管理人を配置したり、オートロックをかけたりして、投函目的で建物内部に入ることに制限を設けた建築設計が広がりつつあります。そのような場所には郵送型の方がDMを確実に届けることが可能です。

 

郵送DMの発展形とは

 

―自宅の住所に届く郵送DMでは、ターゲティングをされる消費者のプライバシー保護の必要性がさらに高まるのではないでしょうか。

 

郵送DMを受け取った方が不快な気持ちを抱かぬように様々な配慮が必要だと思います。まず大前提として、当社の郵送DMサービスはあくまでも「楽天グループが楽天会員様向けに送付」するものであり、同サービスを利用してマーケティングを行う外部事業者様に楽天会員情報を受け渡すことは絶対にありません。

 

また当然のことながら受取人に対してはオプトアウトできることを明示し、受け取った郵送DMの内容またはサービス自体を不快に思われた方がいれば速やかに配信先から除外いたします。

 

さらに当社では「楽天ポイント」という日本最大級のインセンティブツールを持っております。こちらを郵送DMと組み合わせる事で広告を能動的に受け取ってもらえるような環境の整備を行い、DMに対する価値観自体を変えていきたいと思っています。

 

―郵送DMという比較的歴史のある手法にもまだまだ発展の余地はあるということですね。

 

加えて当社は、実際の商品の送付、つまりサンプリング封入サービスを提供しています。仕組みはDMと全く一緒で、送る内容がメッセージのみかサンプル商品まで付いているかの違いだけです。暑い日に路上で飲料水のサンプルを受け取るとうれしいですよね。サンプル商品であればありがたみを覚えるという人は多いはずなので、サンプリング封入サービスを含めて満足感を得られるようなユーザー体験を設計していきたいです。

 

―貴社としては郵送DM及びサンプリング封入サービスを今後どのように発展させていく予定ですか。

 

当社では現在、「楽天エコシステム(経済圏)」で蓄積したデータに加えて、「楽天ポイント」を提供する店舗サービス企業様とのPOSデータ連携の取り組みを拡大中です。今後はオフライン購買データに基づくサンプリング封入の拡大を進めています。

 

具体的には、競合メーカーの商品を購入した消費者に対して自社の新商品のサンプルを送付してブランドスイッチを促すことができます。また、商品の送付だけでなく、ブランドリフト調査を含むアンケート調査を実施することで、その後の継続的な購買につながっているか検証できるのが当社の強みです。低単価商品であったとしても、LTVを指標としてマーケティングを行うメーカー企業様に対してこうした統合的なサービスを提供していきたいです。

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 共同編集長

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。ExchangeWire主催の大型イベントであるATS Tokyoのモデレーターも務めている。